今日は、米澤穂信さんの『さよなら妖精』の感想を。
今日もまた米澤穂信さんの作品で、『さよなら妖精』の感想を。覗き込んでくる目、カールがかった黒髪、白い首筋、『哲学的意味がありますか?』、そして紫陽花。平凡な学生生活を過ごしていた高校生らが、春雨の中、ユーゴスラヴィアからの異邦人マーヤに出会った。そして、わずか2ヶ月の滞在で忘れがたい印象を残して、マーヤは動乱に揺れる故国に帰っていった。そんなあらすじで、マーヤの帰国後、その安否を気づかった主人公らが、日記をたどりながら、帰国先をなんとかつきとめようとします。(ユーゴスラヴィアは6つの国がある連邦で、マーヤとは連絡がとれなくなり帰国先も知らされてなかったため)マーヤが、出会った謎(神社に餅を持っていく若者2人組の謎とかお墓に紅白饅頭が供えられていた訳とか)に答えを得ようと積極的に尋ねて、主人公らをまごつかせる前半部分は、ほほえましく読んでて楽しかったです。橋の立て札にまつわる冗談で主人公らをそろって脱力させたあたりなんか特にw一転、ユーゴスラヴィアの動乱が、影を及ぼす後半はなかなか重かったですが(作品の時期はそのため、1990年代初めになっています)。帰国先を推理していく過程で、1つひっかかるところがあったけど俺の思い込みかな?第2次世界大戦時は、ユーゴスラヴィアになってるから除外されるってとこ。本文のあるところに、分裂して、ある国は枢軸国にまたある国は連合国にってなってんだけど?