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カテゴリ:ミュータント・ウォーズ新人類戦記 第2章
新人類戦記第二章脱出ベトナム戦争当時、アメリカ軍は、超能力者をあつめて、特殊部隊を作る。生き残りの彼らは難民船でベトナムを脱出しょうとする。
この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n6762gt/1/ 新人類戦記第2章(1980年作品)第1回 ベトナム戦争当時、アメリカ軍は、超能力者をあつめて、特殊部隊を作る。生き残りの彼らは難民船でベトナムを脱出しょうとする。 新人類戦記第二章 脱出 第1回1 作 (1980年作品)飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ (アメリカとソビエトの冷戦時代の話です) 船影が近ずいてくる。波の間からとぎれと ぎれに小さな船がこちらへ突き進んでぐるの が見えた。 今度の船は彼らを助けてぐれるだろうか。 三日前から時折船を見かけるのだが、彼らの 難民船を発見すると、船足をあげ、彼らを見 ないようにすぎ去っていくのだった。 航海法には 「海上を航行する船の船長は、難破船を目撃 した場合、必ず救助しなければならない」 とある。 しかし、彼らベトナムのボート・ピーブル (難民)を助けた場合、その船にはやっかい な問題が待ち受けてにいるのだ。 予定外の港での碇拍、難民を受け入れてく れる国の官庁との交渉、など色々な問題が発 生してくる。 ボートーピープルは貨物船にとって厄病神 以外の何者でも々い。のだ。誰もあえて厄病神 に近づこうとはしない。 しかし、この厄病神が近づこうとしない船 がある。それはソ連船だ。彼らを助けてはく れるのだが、行先はもちろん、脱出してきた ばかりのペト十ム々のだ。 一九七五年春のサンゴン陥落以後、船によ るべ卜十ム脱出の難民の数は五万から七万と 推定される。 現在マレーシアには一日七百人のベースで ベトナム難民が流入してかり、収容難民はす でに三万八千人に達している。 難民の流入に頭を痛めている隣国のマレーシア政 府は、難民専門タスクフォース、難民処理 部隊を設置した。 河川航行用の小さな平底船に六十数名もの 人間が乗り込んでいて、すでに海に出て一週間がすぎ ようとしていた。狭い船室の床でザコ寝であ つた。食糧も心細くなってきている。 こちらへやってくる船のブリッジ(船橋) が見える。キラリと光るものがある。恐らく 望遠鏡だろう。 難民船から身をのりだすよう にそちらを見ていた竜は、その近づいいてくる 船に何か危険なものを感じた。 船の他の人々 は歓喜してにいるのだが。皆手を振っている。 南シナ海の波にゆれる度、このもと漁船の 腐朽した床が乗員の重さにきしむのだった。その神経にさ わる音がさらに皆の不安を増加させる。 竜は、隣かに静かにしているジウにそっとささやいた 「気をつけろ。そして君の能力を使う時は、 最小限にし七くれよ」 ジウはうなずにいた。 相手の船の一人一人の顔が見別けられる 程近づいいてくる。 相手の船からロープが投げられた。元教師のチ’ウがそ れをつかまえ、くくりつけた。船と船が接舷する。衝 突の小さなショックが足元から伝わってきた。 相手の船の男達はニヤニヤ笑いをしている。 こちらが飛び移る前に、相手の男達が飛び渡って来た。 彼らは腰から銃を抜く。こちらに向かって構える。 「さあ、お宝を出してもらおうか」と言った。 屈強のベトナムの大学生ルンがその男につかみかかろ うとした。 側にいた男が蛮刃を抜きざま、ルンの腹に 突き差した。ルンは呻き声をあげ、ふなべ りから海にころげかちた。 悲鳴一つあがらない。その場の光景に立ち すくんでにいる。展開に凍り付いているのだ。 海賊だ。難民にとって新しい驚異が存在し たのだ。 新人類戦記第二章 脱出 第1回 作 (1980年作品)飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ (アメリカとソビエトの冷戦時代の話です) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.09.18 17:22:15
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