散歩道

2012/02/29(水)00:07

備忘録5

備忘録(26)

犬の散歩に出かけた。 ずいぶん待たせたな、ごめん、 と言うと、伝わったのかわからないが舌を出しながら近寄ってきた。 ・・・だまされやすそうな顔。 人間だったらさぞかし可愛らしく純粋な女の子に違いない。 そんなことを考えながら約1年ぶりの散歩へと出かけた。 どこへ行こうか。 少し考えた末、裏山へと行ってみることにした。 ・・・と言っても360度どこを見ても山だから裏もなにもないのかもしれないが。 こんな自然100%のところ。 あまりに足場が悪いので、入り口のあたりで引き返してしまった。 今度はちゃんとした装備をして行ってみようか。 今まで生きてきて一度も足を踏み込んだことがないだけに、今度乗り込むことを考えると少し楽しみだ。 裏山を引き返した後には残された道は唯一のコンクリート張りのまともな道しかなかった。 ずっと自転車で走り抜けていた道。 午後の普段じゃ絶対通らない時間に歩いてみると、やはり何かが違う気がした。 今日の風は穏やか。 空には雲一つ見えない。 この景色だけは何千何万回と見ても飽きないな、 と言葉に出しそうなくらい胸の中ではっきり呟いた。 偵察程度に済ませた初回の散歩。 次はもう少し足を伸ばしてみよう。 まるで新しい土地を歩くように、一つ一つに目を凝らしてみよう。 ずっと使っていたものでも、いつでも新品が目の前にある。

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