散歩道

2012/03/26(月)00:04

備忘録21

備忘録(26)

もう一ヶ月近く経ってしまったけれど、受験のために東京へ行った時のこと。 東京に何度も行くのは面倒だったけれど、一人で食べる夕食が毎回少しの楽しみだったりし た。 その日は雨が降っていて、出来るだけ近場で済ませようとしていた。 そこで真っ先に目に入ってきたのがベトナム料理のお店。 あまり一人で入る雰囲気の店ではなかったが、早い時間で他に客もいないことだからと入っていった。 出迎えてくれたのは見るからにヨーロッパ系の綺麗なお姉さん。 カタコトな日本語が可愛らしくて、少しだけ格好つけようとしたのか私は紳士ぶっていた。 そのお姉さんと雑談を楽しんでも良かったのだが、時間が有り余っているわけでもなかったので勧められるがままに注文を済ませた。 ベトナム料理と言ったら思い浮かぶのはやはり生春巻きだろうか。 私はこれくらいしか思いつかない。 こちらは米で作ったラーメンのようなもの。 名前は一ヶ月過ぎた今ではやはり思い出せない。 どちらの料理にも言えたことだが、美味しかった。 不味いというイメージを持っていたわけではないが、ただ単純に食べた瞬間に目を丸くして思った。 そこでふと、「日本にある外国料理の店は日本人用にアレンジされている」とかいうよく聞く話を思い出した。 お店に対しては失礼だが、旅の恥はかき捨て。 思い切って先ほどのお姉さんを呼んで聞いてみた。 「そうですね、ちょっと現地とは違います。 けど大体こんなものですよ。 私はベトナム行ったことありますが、現地のものもすごく美味しいです。」 大体こんな感じ。 応答としてはあっさりしていたが、私に異国への興味を抱かせるには十分だった。 そうだ、なんとなく日本風アレンジってのは蔑んでいたがその国に興味を持たせるにはちょうどいいじゃないか。 それでもし興味のままに現地へ行って失敗でも、他のところでいい発見があるかもしれない。 単純な思考回路からそんなことを思ったが、もし実行に移せばきっと私はこの筋書き通りになるだろう。 忙しさの中で忘れてしまっていたが、これからの行動の選択肢として外国への旅ってのも有りか・・・ ところでそんなことを聞いたついでからお姉さんと雑談が始まった。 私が明日受験なのだと言うと、「○○大学ですか?」と聞いてきた。 どうして○○大学なのかと尋ね返すと、「私が○○大学の留学生だからです」と。 私は「お姉さん」という定義を20代後半~くらいに置いている。 つまりこのお姉さんが大学生なのだとは欠片ほども思っていなかった。 別に老けているとけなしているわけではなく、ただ成熟した女性の美しさを感じていたわけだが・・・ まさか私といくつも変わらないとは。 日本人女性が外国で子ども扱いされるのは仕方ないな、と認めざるを得ない瞬間だった。 こんなところからもまた異国に興味が出てきてしまう私は少し変わっているだろうか。

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