2019.11.17 【独占手記】侍周東「プレミア12とか東京五輪、いつあるか分かってなかった」
◆プレミア12 決勝 日本5-3韓国(17日・東京ドーム) 侍ジャパンが決勝で韓国を破り初優勝した。主要国際大会では2009年WBC以来の頂点。稲葉篤紀監督(47)の強い意向でメンバー入りし、出場選手最多の4盗塁で一度も打席に立たずに自慢の足でチームを鼓舞した周東佑京外野手(23)が西日本スポーツに手記を寄せた。世界一と言われてもピンとこないのが本音。フワフワしている。今回は全てがうまくいきすぎた。正直何で自分がここにいるんだろう、と、足の速い選手はたくさんいる中で、稲葉監督がリスクを背負って選んでいただいた。僕が失敗したら稲葉監督の顔が立たない。結果を出さないといけないと思っていた。 一番緊張したのは(1次ラウンドの)プエルトリコ戦での初盗塁。タイミングはアウトだった。日本シリーズも最後にアウトになって(※1)、自分は大舞台では決められないのかなと思いかけた。でもリプレー検証になって「足が入っていてくれよ」と思っていたら判定が覆った。あれで「いける」と思えた。 オーストラリア戦(※2)は二盗は苦労したけど、三盗は120パーセントの自信があった。2死になってからマークが緩んで、サインもグリーンライト。源田さんなら内野安打もあるし、ノーマークの中で走れば捕手が焦って送球がそれても1点入ると思ってスタートを切った。本当に何もかもうまくいきすぎた。 去年まで、プレミア12とか東京五輪はいつあるのかもはっきりと分かっていなかった。(同じソフトバンクの)デスパイネに「五輪、見に行きたいよ」と言っていたぐらい。五輪は完全に「見るもの」だと思っていた。五輪の競技では特に陸上、水泳が好き。最近は夜中にユーチューブで陸上の100メートル走を繰り返し見ている。「世界記録」とかで検索をかけて「ボルトの衝撃レース」を見ていた。ケンブリッジ(飛鳥)の走り方はきれいだと思う。 海外の選手はバネが違うし、陸上の走りを自分がしたら遅くなると思う。だけど、足が速くなるためには大胸筋が必要だと(ソフトバンクの)千賀さんに言われた。そういう目線で見ると、胸が強くないと体幹を固定できないというのがよく分かる。僕ももっと走りに強さがほしい。「なんで足が速くなったの?」 小学5年まではずっと学年トップで、自分でも足が速いと思っていた。野うさぎを追いかけたというのもそのころだけど、1回ぐらいで…。実家が山の上にあって自然いっぱいの環境で育ったのは確か。小学高学年で50メートル走は7秒2だったと思う。 でも、中学でも50メートル走は7秒台のまま。小学時代に勝っていた相手にもかなわなくなって、学年で5番ぐらい。なんで足が速くなったの?って聞かれるけど、背が伸びたからだと自分では思っている。 中学卒業のときの身長が162センチ。高校で14センチ伸びて176センチになった。結局、自分だけ取り残されていたのかなと。大学に進学するときの資料に、少し背伸びして50メートル走「5秒8」と書いたけど、入学直後に手動のストップウオッチで「5秒7」が出て僕が一番ビックリ。そんなに速くなっていると思わなかった。 育成でプロ入りして、1年目に2軍で盗塁王になってスピードは通用すると思えた。でも、秋にU-23ワールドカップに呼ばれたときは「育成なのに」と戸惑った。その時、稲葉監督から「1番で使うから」と言われたけど、打てなさすぎて最後は9番。それから会うたびに「打ってるか」と聞かれるようになった。 今春はキャンプで1軍(A組)入りしたのに、オープン戦では全然打てなかった(※3)。支配下登録されるためにも一番大事な時期。打席に立てば「打ちたい」、塁に出れば「走りたい」と結果欲しさに焦った。盗塁も3回走って全部アウト。完全に空回りしていた。それでも支配下入りできて、チームにけが人が多かったこともあって1軍昇格。1カ月ぐらいはスタメンでも使ってもらえた。巡り合わせがよかったんだと思う。シーズン終盤は「今年は走ってくれればいい」と言われて、割り切れた。 ただ来年もこのままでいいわけではない。理想は自分で出塁して、走って、かえってくること。初めて侍ジャパンに入って、また選ばれたい思いも出てきた。次は誰もが納得する成績を残して選ばれたい。今大会は打席に1度も立っていない。それが現実。急に変わるのは簡単でないと分かっている。でも自分の中ではもう、五輪はただ「見るもの」ではなくなっている。(侍ジャパン外野手)(※1)3年連続日本一を決めた巨人との日本シリーズ第4戦。1点リードの9回1死一塁で代走として登場。二盗のスタートを切りかけてやめると、戻るタイミングが遅れて捕手のけん制で刺された。(※2)2次ラウンドのオーストラリア戦。1点を追う7回無死一塁で代走として登場し二盗を決め、2死二塁から三盗に成功。源田のセーフティーバントで生還し同点に追い付いた。(※3)オープン戦は14試合で打率9分1厘(11打数1安打)、3度盗塁を試みて成功なし。【独占手記】侍周東「プレミア12とか東京五輪、いつあるか分かってなかった」 ◆プレミア12 決勝 日本5-3韓国(17日・東京ドーム) 侍ジャパンが決勝で韓国を破り初優勝した。主要国際大会では2009年WBC以来の頂点。稲葉篤紀監督(47)の強い意向でメンバー入りし、出場選手最多の4盗塁で一度も打席に立たずに自慢の足でチームを鼓舞した周東佑京外野手(23)が西日本スポーツに手記を寄せた。世界一と言われてもピンとこないのが本音。フワフワしている。今回は全てがうまくいきすぎた。正直何で自分がここにいるんだろう、と、足の速い選手はたくさんいる中で、稲葉監督がリスクを背負って選んでいただいた。僕が失敗したら稲葉監督の顔が立たない。結果を出さないといけないと思っていた。 一番緊張したのは(1次ラウンドの)プエルトリコ戦での初盗塁。タイミングはアウトだった。日本シリーズも最後にアウトになって(※1)、自分は大舞台では決められないのかなと思いかけた。でもリプレー検証になって「足が入っていてくれよ」と思っていたら判定が覆った。あれで「いける」と思えた。 オーストラリア戦(※2)は二盗は苦労したけど、三盗は120パーセントの自信があった。2死になってからマークが緩んで、サインもグリーンライト。源田さんなら内野安打もあるし、ノーマークの中で走れば捕手が焦って送球がそれても1点入ると思ってスタートを切った。本当に何もかもうまくいきすぎた。 去年まで、プレミア12とか東京五輪はいつあるのかもはっきりと分かっていなかった。(同じソフトバンクの)デスパイネに「五輪、見に行きたいよ」と言っていたぐらい。五輪は完全に「見るもの」だと思っていた。五輪の競技では特に陸上、水泳が好き。最近は夜中にユーチューブで陸上の100メートル走を繰り返し見ている。「世界記録」とかで検索をかけて「ボルトの衝撃レース」を見ていた。ケンブリッジ(飛鳥)の走り方はきれいだと思う。 海外の選手はバネが違うし、陸上の走りを自分がしたら遅くなると思う。だけど、足が速くなるためには大胸筋が必要だと(ソフトバンクの)千賀さんに言われた。そういう目線で見ると、胸が強くないと体幹を固定できないというのがよく分かる。僕ももっと走りに強さがほしい。走塁だけではない、侍Jの切り札・周東佑京のすごさ。森本稀哲氏が絶賛する“もうひとつの武器”世界ランキング上位12の国と地域が世界一の座を争う大会「世界野球プレミア12」。2009年WBC以来、10年ぶりの世界一奪還を目指して戦う侍ジャパンは、今夜11月17日(日)、いよいよ韓国との決勝戦を迎える。この熱戦を盛り上げるべく立ち上がったのが、日本ハム、DeNA、西武でプレーした希代のムードメーカー・森本稀哲氏だ。森本氏は1999年ドラフト4位でプロ入りすると、17年間の現役生活で3度のリーグ優勝に貢献。ゴールデングラブ賞3回、ベストナイン1回を獲得している。そんな森本氏は、現役時代に稲葉篤紀監督をはじめとする首脳陣はもちろん、多くの代表選手たちと同じチームでプレーしていた「稲葉ジャパンを最も知る男」。自称・侍ジャパン“非公認”サポーターとして、大会期間中、「ピカッと解説!世界野球プレミア12」のインタビュー連載で語ってもらうが、今回は最終回として、侍ジャパン快進撃の理由と、決勝戦の展望について語る。【数量限定品】【送料無料】ミズノ 野球ウエア 侍ジャパン 侍ジャパンユニフォーム 沢村栄純 限定下敷き付【ダイヤのA】【Ace of Diamond】【ダイヤのエース】【12JY5X7201】【ミズノ】【MIZUNO】価格:15950円(税込、送料無料) (2019/11/18時点)楽天で購入