被災地に入った看護師さんのブログ
友人から、大きな被害があった陸前高田市に、医療チームの一員として看護にあたった、看護師さんのブログを教えてもらいました。さっそく拝読したのですが、テレビでは放送しきれない現状や、避難所の様子が、とても正直な心を打つ言葉でつづられていて、何度もこちらの目頭が熱くなりました。チームが行くとき、看護師のリーダーの方から『想像以上に現場は壮絶。 甘い考えやボランティア精神の人はここでリタイアしてください。 現場ではどんな状況下においても絶対に泣かないこと。 私達は同情しに行くんじゃない。看護、医療を提供しに行く。 あなたたちが泣きたい気持ちなんかより、 現地の方々はどんなに泣きたいか。 こんなに裕福な東京医療チームの涙なんて現地の人には迷惑や嫌味だからね』と言われたそうです。それだけ、現地は壮絶な状況だということです。テレビを見ていると、悲惨な状況に胸を痛めたり、明るいニュースや、人との触れ合いのいい話にグッときたり涙をこぼしたりするものです。けれどそれは、所詮「テレビの中のできごと」。看護師さんの見てきた現状は、テレビで見ているよりもずっと大変で深刻でした。けれど、そのなかでも、土地の人の温かさには心を打たれます。「避難所や救護所や病院で奇跡の再会ができた人もたくさんいた。 そのたびに誰彼関係なく周りは拍手。 まだ自分は身内に会えてない人まで他の人の再会を祝福していた」自分がつらいのに、人のことを喜べる。私が同じ立場だったら、そうできるかといったら、とても分かりません。ぜひぜひ、こちらのブログをご覧になっていただきたいのですが(数日間のレポートですので、そんなに時間はかかりません)、私が一番ぐーっときたのは、この言葉でした。「頑張ってとか頑張ろうって言えない。 頑張り過ぎてるくらい頑張ってるのを見ているから 「我慢しよう」「乗り越えよう」としか言えない。 これ以上頑張れとは言えないし、頑張ったところで どうにもならないことがたくさんありすぎたから」私は被災してもいないのに、軽々しく泣くのはおこがましいと思いつつも、この言葉には泣けました。原発は、人災の部分も多いですが、津波は天災です。人災だったら、それを的に責めたり怒ったりすることで、自分の感情を晴らすこともできますが、天を責めるわけにはいきません。だから、「頑張らないといけない」と思う。でも、もうすでに、耐えられないくらい頑張っておられるし、戦後からこつこつ働いて建てた家が流されてしまって、家族もなくなってしまったとしたら、「頑張れるか」と言ったら、もしそれが自分だとしたら、分かりません。北野武さんが、雑誌のインタビューで、「一つの事件で2万人が亡くなったのではなくて、 一人が亡くなる事件が2万件あったということだ」ということを言っていたそうです。平時であれば、一人の死亡事故でさえ、幾日にもわたってニュースで取り上げられることもあります。でも、これだけ大勢になると、もう「数」になってしまいます。けれど、その一人ひとりに人生があり、家族があり、大切にしてたものがあったわけです。自分の知っている人であれば、一人でも失われたらつらいのですから、それが一度に何10人単位であったら、どんな気持ちがするか…。それを思うと、避難所の人たちの笑顔の後ろにある「強さ」に、また心を打たれます。そして、被災者を支えるために、自衛隊や警察や市の職員や医療やボランティアの方々は今この瞬間にも、自分たちは後回しで力を尽くしてくれているのを、ありがたく思います。その中で、自分にできること…。義援金は、詐欺に遭わないよう日本赤十字に、と思いますが、大きいところは平等を期すため、配分されるのに時間がかかるそうです。ですから、「今」を支えるには、現地のサポートを現在しているNPOを探して支援するほうが有効のようです。また、原発によって、「福島」のものが危ないという風評も大きくなりつつあります。福島といっても広いのに、山のほうの会津のものまで売れなくなっているそうです。会津ブランドのものを買うのも、東北を応援することになりますね。私は被災していないのですから、同じ気持ちになることはもちろんできませんし、生ぬるいことしか考えられません。でも、できる範囲で心を寄せ、できることを続けていきたいな、と思います。☆今日のいいこと探し16年前の震災のときと違って、今はネットが発達しています。そのおかげで、今回ご紹介のブログのような、現場の生の声を知ることができて、よかったです。情報には要らないものもたくさんありますが、同じような心を持っている人が紹介しているものは、すごくためになるものばかり。それで、知らない人とつながることもできます。そういえば、ちょっと忘れていましたが、私に今年やってきたテーマは「つながり」でした。今年は、「つながり」の大切さを再認識する年なのかもしれませんね。「つながり、大切!」と思われる方は、押してみてくださ~い!↓