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さ~て、前回は、本当の愛ってなに?というテーマでしたが、ある意味、それを見つける旅を私たちはしているのでしょう。で、見つける鍵は、自己愛ですね。 自己愛が増えるということは、抑圧されたネガティブな感情が減っていくということです。ということは、他者に投影(自分の考えや思いで相手を見て、判断する)をしなくなるので、事実がありのままに見えるようになって、そして、出来事や他者をありのままに受け入れられるということかなと思います。 自分の中にたくさん抑圧された思いや感情を持ちながら、出来事をありのままに受け入れることは、かなり難しいでしょう。というか、ありのままが見えていないわけですから、できないですんね。 なんのこと?と思う方もいらっしゃるでしょう。ちょっとご説明しましょう。 数日前、あるフランチャイズビジネスを始めようかどうしようか考えている友人と話をしました。彼の悩みは、もちろんクレジットクランチに始まった現在の世界的な不況です。日本も経済先行きは闇に感じるかもしれませんが、イギリスは数十倍悪いです。まず、銀行が不良債権を死ぬほど抱え、政府が子孫代々まで返済がかかる借金を抱え、個人の多くも借金を抱え、いやぁ、国が破産していないのが不思議なぐらい。 あ、話がそれました。失礼。とにかく、そんな状態なので、彼は今新しいビジネスを始めて、まず銀行がお金を貸してくれるのか、もし貸してくれても、経済状態が悪化し(するけど)、銀行が突然お金を返してくれと言ってきたらどうしようか、あぁ先行きが分からない、困った、決断できないと悩んでいるわけです。 で、もう一つは、フランチャイズの契約が一方的に事業者に有利になっているので、事業がうまくいかなかった場合に、大変なことになるということでも悩んでいました。で、「こんな一方的に事業者に有利な契約なんてありえない! これはフランチャイザーから利益を絞るだけ絞って、事業がうまく行かなかったらただ放り出す契約だ! 強欲な奴らだ」と怒っていました。 そんなに契約書が気に入らないなら悩む必要もないだろうと思いながら、私が彼にくり返し聞いたことが、「あなたはどうしたいの? あなたのハートは何を言っているの?」でした。すると、「はぁ? ハートに聞くってどういうこと? 僕何も感じないけど」と予想できる答えが返ってきました。 現在の経済状況では、誰もが先が読めない不安を持つでしょう。しかし、この状況のなかでも、その人のなかに不安が大きいか、または自信が大きいかで、見える世界はぜんぜん違います。 もしその人が自分が気がついていない(=抑圧された)「世間は私に冷たい」とか「世の中は怖い場所だ」、「私は一人で生きていく」といったコア・ビリーフがあれば、現在の状況はかなり不安に違いありません。そして、当然ですが不安要素ばかりが目に付くでしょう。 そして、不安は一見現実に基づいているようで幻想です。想像の産物です。もし、あぁなったら、こうなったらと想像して不安になるんですね。そうしているうちに事実と自分の想像の区別がつかなくなってきます。 しかし、もしその人が傲慢さをともなう自信ではなく(それは結局不安から来ているものなので)、自己愛に基づく自信を持っていたら? 不安(想像)ではなく警戒心(事実を見る目)を持って、現状を見極めていくでしょう。つまり、ありのままに見えてくるということです。 基本的に、先行きを予測して現在どうするかを決めることは、ギャンブルだと私は思うのです。どんなに予想できると思っても、それが当たるかどうかは、やはり五分五分です。英国銀行のトップエコノミストたちでさえ、つい3ヶ月までは、インフレのほうが経済不況より大切な課題だと金利をまったく下げず、株価の動乱など現在の不況をまったく予測できていなかったのです。 ですから、自分が今どうしたいのかを決める基準は、やはりハートですね。私が彼にくり返し同じ質問をしたのもそのためです。不安の思いで先を予測して、今自分がどうするかを決めるのではなく、フランチャイズビジネスがやりたいのかどうか単にシンプルに自問することです。 で、やると決めたら、警戒しながらも、ポジティブな気持ちでやることをやっていくだけですね。困難があれば、同じように対処していくだけで、不安がる必要はないです。 さて、もう一つ「契約書が事業者に一方的にできている」、「それは自分は嫌い」というのはたんに事実と好き嫌いを言っているだけですね。しかし、「フランチャイザーから利益を絞るだけ絞って、事業がうまく行かなかったらただ放り出す契約だ! 強欲な奴らだ」という部分は、投影です。 事業者がどんな思いでこの契約書を作成したかは、私たちは知りません。もしかすると、弁護士さんに依頼して、フランチャイズの契約書はこういうものですと言われ、一番標準なものを選んだのかもしれません。また、事業者がほんとうに強欲な人なのかどうかも、もちろん私たちは分かりません。 しかし、彼のなかに「権威者はいつも自分を苦しめる」「私は権威に対して無力だ」といった気がつかない思いがあれば、無意識に事業者(自分にとって権威)に敵意を抱いたり、必要以上に悪く見てしまったりするでしょう。つまり、ありのままにはまったく見えていないということです。(先月日本で起きた小泉被告による無差別殺人も同じメカニズムでしょう。) さて、たまたま友人の例を出しましたが、彼がどんなコア・ビリーフなどを持っているかは分かりません。たんに説明するために例として出してみました。 ポイントは、私たちは他者をありのままに見ているつもりでも、投影している可能性がとても高いということです。ですから例えば「彼女、傲慢だけど、そんな彼女もありのままに受け入れよう」とか思っても、そもそも彼女は傲慢じゃないかもしれないということです。 あぁ、また長くなってしまいました。し、前回ちょっと難しいというコメントも頂きましたので、この辺にしますね~。こういったことに心のメカニズムにご興味がある方、5月に東京でスピリチュアル心理学をまた行いたいと思っていますので、ぜひいらしてください! 自分をよく見つめ、自己愛を増やし、投影のめがねを外せば、世界は思った以上に優しい場所と気がつくでしょう!
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