輸送2
こんにちは。南極は、まだ夏だと思っていたら、先日から夜の冷え込みが始まりました。今までは昼間雪が溶け、その雪解け水は夜中でも凍ることはなかったのですが、ここ数日前からは凍りはじめています。気が付くと、『白夜』も終わっており、太陽が沈み始めました。まさしく、南極 昭和基地は 「秋色」 です。これから、日に日に太陽が沈みだし、また、厳しい冬を迎える事でしょう。さて、輸送ですが、先日ヘリコプターによる本格空輸も終了し、持ち込み物資の輸送は終了しました。これで52次隊が持ち込んだ物資は、すべて「しらせ」から降ろされて、越冬準備が出来てきたのだろうと思います。燃料は「しらせ」が接岸したら、1番に昭和基地の100klタンク 4つに「しらせ」から送油ホースを延ばして送油するのですが、ドラム缶に入った燃料もヘリコプターで輸送されます。タンクに入った燃料は主に発電用のエンジンの燃料で、ドラム缶燃料は主に車両や各建物で使う暖房機用の燃料です。 (Q-R,4-5)ヘリで運んだドラム缶燃料を種類毎に分けておいています。奥に見える建物は車両倉庫で、冬の間トラックとかの4輪車を保管しておく建物です。南極で使用している燃料は、4種類の燃料を使用しています。・ウィンター軽油 (通称:ダブ(W)軽)・南極用低温燃料 (通称:ナンケイ(南軽))・JP-5 (通称:ジェイピ-ファイブ)・JET-A1 (通称:ジェットエイワン)ダブ軽は国内でも北海道や東北地方 寒冷地で使用している燃料で、南極の夏期間に使用しています。この燃料もマイナス20℃になって来ると凍ってくるので、南極専用燃料 「ナンケイ」に変更します。また、JP-5とJET-A1は航空燃料の一種ですが、南極ではボイラーの燃料で使用します。航空燃料は凍らないので、使用しています。JP-5とは海上自衛隊が良く使用する燃料だそうです。燃料の話はこのくらいにして、輸送の話です。輸送の最後を飾るセレモニーが毎年開催されます。荷物の最後を飾る「花○○(丸丸)」と言う物で、例年は「花ドラム」なのですが、今年は「花ダンボール」でした。ヘリコプターで「しらせ」艦長(中央)が来られ、52次観測隊隊長と越冬隊長に最後の荷物を渡すセレモニーが、Aヘリポート(N-O,4-5)で行われました。これからは、我々51次隊のの持ち帰り物資の空輸が行われ、最後に我々が2月1日 午前中にヘリで「しらせ」まで空輸され終了です。基地の廊下には「しらせ」船倉に送る荷物が所狭しと並べられております。 あす(25日)にこの荷物はパレット積みします。そして、船室に入れる荷物作りして、大掃除して終わりです。今の気持ち、『早く帰国した~い!』今までは全然 このような気持ちにはならなかったのですが、次の隊(52次隊)が昭和基地に来て色々始めると、もう我々(51次隊)の越冬生活も終わりなんだと思いました。「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」なのかな?ちょっと寂しですが、やはり新旧交代は重要だし・・・・