JW離脱後の社会参加の一事例(マズローの欲求段階説をもとに)
というわけで先回の続きです。(勝手に)RED君ものがたり~RED君25歳の頃。エホバの証人という組織で奉仕の僕なんつーのをやっています。・・・彼が奉仕の僕なんてかなりうさんくさかったことでしょう。(まぁ今でもうさんくさいことには何ら変わりはありません。)RED君はその頃からJWの教えを本当に信じているわけではありませんでした。ただ母親を裏切るような行為ができなかっただけでしょう。しかし齢は既に25歳。高卒にてファミレスのバイトをしながら奉仕(JWの布教活動)に取り組んでいるRED君その日暮らしの生活でお金がありません。高校生の頃、両親が離婚した影響もあってお金には大変苦労している長男RED君。何より将来が不安です。マズローの理論にあてはめると、基本的欲求の第二段階である安全の欲求の欠乏状態(経済的安定性の欠乏状態)にあります。そこでRED君はJWなんて辞めて普通に働きたいと思いはじめます。RED君はJW現役の母親と同居していますが母親はもちろん彼がJWを辞めることを決して許しません。布教活動に割く時間を少なくして、普通の会社に就職することさえも許しません。こうなったら家を出るしかないのですが現状ではRED君には貯金もなく、家を出るにも他に住居を借りることができません。居候させてくれるような友人もいません。一般人の彼女はいたようですがその彼女のもとに転がりこむのは男としての矜持が許さなかったようです。そこでRED君一発奮起。前々から計画していたことを実行に移します。書置きを残し突然家出、パチンコ屋の住み込みバイトを始めます。住み込みで働ければ家を出ても住居と生活費は何とかなります。JWも当然やめるという結果になります。自然消滅というか突然消滅です。まわりもびっくりです。そして彼はとにかく働きます。ある程度の貯金もできます。とりあえずマズローの欲求の第二段階である安全(経済的安定性)の欲求は満たされるようになりました。しかし・・・寮での一人暮らし。コミュニケーションも苦手とするRED君、周囲の同僚との関係もうまくいかず、彼女とも別れ、ひどい孤独感に苛まれます。マズローの理論でいうと欲求の第三段階である所属と愛の欲求が欠乏状態です。経済的には自立をはたせても彼の孤独は埋まらず将来に対し何の希望ももてず鬱状態になります。そんな頃、彼はネットにて元JW系のサイトと出会い某メーリングリストに入会します。・・・今から約7、8年前のことです。当時の彼をリアルに知っているという方はほとんどがこんなブログみておられないのではないかと思いますが当時の彼がメーリングリストに綴るメールは「友達がいない。生きていても仕方がない。死にたい。」など、どうしようもなく鬱々ネガティブまっしぐらでした。そんな頃、RED君はそのメーリングリストで主催した某オフ会にひょっこり参加、そこで現在の嫁に出会います。(・・・私のことですね。)出会い目的か!と突っ込まれそうですが、まぁまぁ。お互いそういうつもりはなかったのですが妙にタイミングがあったというかなんというか。RED君にとっては最初にして最後となるオフ会参加だったので(RED君は元JW系のオフ会自体は好きではないらしい)あのときお互いが出会わなければ今とは違った人生でしょうから出会いとは不思議なもんだと思います。この出会いは私にとっても彼にとっても大きな転機となりました。ここからの恋愛~結婚へのあれこれについては私の以前からのブログに恥ずかしげもなく書き連ねておりますので省略。まぁとにもかくにもマズローの基本的欲求の第三段階所属と愛の欲求が満たされるようになります。以前の私のブログにも書いていますが結婚すると決めた際、お互いの仕事についてはいろいろと話し合いました。私の両親も彼の母親もRED君がパチンコ店の仕事を続けるなら勘当すると言っていたからです。そして私は以前から抱いていた夢…作業療法士になるべく学校に行きたいという思いもあったからです。私が仕事に対する想いを語り、作業療法の学校に行きたいと言ったときRED君は応援してはくれたものの・・・こんなことをいいました。「俺は仕事なんて金が稼げれば死体運びだってなんだっていいんだ」と。私とはまったく異なる考えをもっていたRED君。私は昔からおそらくは中学、高校時代から仕事というものにやりがいを求めていました。仕事=金銭だけではなく、自己実現の手段として捉えていました。そして就職氷河期といわれる時代だったとはいえ、大学在学中に将来どういう自分になりたいか、その中でどういう仕事をしたいかを考え気になった会社の説明会に出向き、その内の何社かの面接を受け、その中でよりよいと思える企業に就職できました。・・・私は今までいかに恵まれた立場にいたのか、と痛感しました。RED君の「仕事なんかなんだっていい」という考えは家庭環境の影響や彼自身がJWを抜けるのが遅かったということもあり食うことだけでせいいっぱいの中、自分のやりたいことや人生についてじっくり考える余裕がなかったからなんだろうと。結局、RED君は結婚・引越ししてからもパチンコ店の仕事を続けることに決めます。しかしRED君にとって新しい環境はなかなかなじめなかったようです。自分より10歳以上年下で人として人に対する敬意ももろくに払えないような器の人物が自分の上司として偉そうにしてる会社。いじめのような扱いをうけることもあり周囲からなかなか認められず苦労します。マズローの基本的欲求の第4段階、承認(尊重)の欲求の欠乏状態です。基本的にはいつも穏やかなRED君ですが、あの頃はつらかったことでしょう・・・飲んで荒れて帰ってくる日もありました。はやく昇進したい。認められたい。その思いの強いRED君。・・・だからこそよけいに角が立ってしまい周囲と反目してしまう部分もあったのではないかと思いますがとにもかくにも仕事にうちこみます。そうして徐々に昇進し、少しずつ周囲の理解も得られるようになっていきます。しかし同時にパチンコ業界というものに対して嫌気がさしたりもしていたようです。そんなころRED君は前からちょくちょくやっていた株式投資に本腰を入れてとりくみはじめいろいろな考えをもつ投資家やトレーダーと交流しはじめます。本もたくさん読むようになります。RED君の世界や価値観が大きく広がりはじめます。そしてお互い切磋琢磨しあえるデイトレード仲間に出会いトレードを通して自分自身に自信をもてるようになりそうしてマズローの基本的欲求の第5番目・・・自己実現の欲求が出現するようになります。「トレードで生計をたてたい。トレードと向き合いたい。生涯の仕事にしたい」と。彼は今、専業トレーダーとして成功するべく努力しています。人は・・・願えばなりたい自分に変われると思う。JWを抜けてパチンコ店の寮の6畳一間の部屋にこもり死にたい死にたいと願っていた日から扉を開けいろんな人や物や価値観と出会い一歩ずつ世界が広がり一段一段段階をへて。・・・死にたいと思っているところからいきなり自己実現の段階へこれたわけではない。ひとつひとつ段階を踏んで、山をこえて今がある。山を登っているときは何の変化にも気づかないかもしれない。でも振り返ってみたとき思えば遠くへきたもんだと。ほっこりと笑える。自分のことはさておき勝手にRED君について語ってきましたが(一応相方さんには了承とっています。何書くか詳しくは話していませんでしたが)べつに社会で大成功したわけでも有名になったわけでもなんでもないですがJWの離脱後の社会参加に関する・・・数あるモデルケースのひとつとして何らかの参考になればいいなと思います。そんなRED君のトレード日記はこちら↓(一応紹介)http://d.hatena.ne.jp/redsnows/