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テーマ:DVD映画鑑賞(13981)
カテゴリ:映画・外国
![]() クイズ・ショウ(DVD) ◆20%OFF! 1956年にアメリカ中が熱狂したテレビのクイズ番組「21」。生放送の緊迫感とハネ上がる賞金額に視聴者は興奮し、知識を武器に賞金と名声を手にする解答者に自らの夢を重ねて見た。しかし、無敵を誇ったステンペル(ジョン・タトゥーロ)がヴァン・ドーレン(レイフ・ファインズ)にチャンピオンの座を奪われた時、その舞台の裏で起きている衝撃の事実を、そしてそれがTV史上最大の事件に発展しようとは、視聴者には知る術もなかった―。 今やアメリカを代表する監督の一人となったロバート・レッドフォードが、全米を震撼させたスキャンダラスな実話を基に、テレビの持つ影響力の脅威を力強く描いた話題作。 (DVDパッケージ内容紹介) う~ん、観終わった後に眉根にしわを寄せている自分に気付きました。 マスメディアは視聴率を稼ぐため、スポンサーが儲かるためなら何をやってもいいのか、という非常に今日的な問題が、すでに50年も前に提起されていたということ、というよりも、50年間何も変わっていないことに暗澹たる思いに駆られました。 内容としては一言で言うと、クイズ番組の視聴率を上げるためスターを作りたいスポンサーとテレビ局が出場者に答えを教えていた(そのうえ演出のためにしぐさや言動まで”指導”していた)、ということが明らかにされていくというものです。 (今の時代ではこの程度の”やらせ”では驚きもしないというのが事実かもしれませんが…。) プロデューサー・エンライト(デイヴィッド・ペイマー)は局とスポンサーの関与を否定し、聴聞会でこう答えます。 「私は一つ間違を犯しました。成功しすぎました。」 「番組の人気で大金が動いたんです。今回のことを書き立てて、新聞も売上を伸ばした。スポンサーも局も収入が跳ね上がり、出場者は夢のような大金を手にし、大衆は大いに楽しんだ。誰が傷つきました?」 「”大衆の要求に応じる”。あなた達政治家と同じです。」 「クイズ番組は公益事業じゃないんです。娯楽ですよ。私たちが何故犯罪者なんです?これは、ショービジネスなんですよ。」 娯楽番組だけででなく、ひとつの話題の一部をセンセーショナルに取り上げ、後の影響など何も考えていないマスコミの本音が見えるようです。 テレビに踊らされたあげく、番組を告発したステンペルはこう言う。 「それがマスコミか。餌食にする相手は骨までしゃぶりつくす。」 「僕の狙いはテレビだったのに…。しかし、結果はテレビは無傷で勝ち残る…。」 テレビ界の不正を明らかにしようとしたグッドウィン(ロブ・モロー)の思惑はかなわず、局とスポンサーは事件との関りを一切問われず、プロデューサーと司会者は数年の謹慎の後テレビ界に復帰し成功する。 エンドロールの観客たちの笑顔が、怖かったです。 (「ニュースの天才」(2003年)をちょっと思い出しました。たしかハンク・アザリアが編集長役で出ていました。) 『クイズ・ショウ』1994年(アメリカ) 監督:ロバート・レッドフォード 脚本:ポール・アタナシオ 出演:ジョン・タトゥーロ、ロブ・モロー、レイフ・ファインズ、デヴィッド・ペイマー、ハンク・アザリア、マーティン・スコセッシ、他 1994年第67回アカデミー賞作品賞ノミネート お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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