テーマ:今日の出来事(288890)
カテゴリ:つれづれ
久しぶりに実家へ帰ったので
祖母の家にも顔を出そうと思い、電話をかけてみた。 私>> あ。もしもし、おばあちゃん。私だけど、今日そっちに行こうと思う。 祖母> あら、来るの?来なさい来なさい。 それはそうと、昨日の夜中、あたしゃビックリしたよ。 私>> どうした?何かあった? 祖母> 夜中の2時にね、お客さんが来たよ。 ……え?? 祖母は、一人暮らしである。 常識的に考えて、夜中に人が訪ねてくるなんてことは、普通ない。 私は、泥棒にでも入られたのかと思って心配になった。 私>> 夜中に誰が来たって?ダイジョウブ??? 祖母> 大丈夫も何も、夜這いを掛けてきてねぇ。 布団にもぐりこんできて、あたしゃ、ほんと驚いた驚いた。 心臓が止まるかと思ったよ。 ……何ぃ~~~!!? 誰が夜這いを掛けてきたって? 祖母は、80歳である。 そんな祖母を訪ねて、夜中の2時に夜這いを掛ける客がいるとは! おばあちゃん、なかなかやるな!? …と、私が思うわけもなく。 死んだ祖父の幻でも見えたのかと思って、これはこれで心配になった。 何がなんだかわからなくて、「???」となっている私に 祖母は誇らしげに武勇伝を話してくれた。 それは、こういう内容だった。 夜中に布団に入って寝ていると 布団から出ている足をカサカサと引っかくモノがいる。 誰か家に入ってきたのかと思って見てみても誰もいない。 気のせいかと思って、もう一度寝ようと思ったら、また足を引っかかれる。 やっぱり何かいる! 明かりを点けて、見てみると 黒っぽいものが足元でサササッと動いた。 ゴキブリか!?ねずみか!!?と、布団をめくると それは、祖母の足を伝って布団の中に入って来た。 (…これが、「夜這いを掛けられて布団にもぐり込まれた」の部分だろう。) こりゃ、退治せなあかん!と思った祖母は、 ほうきと塵取りを取りに行ったが、その隙にそいつは箪笥の陰に隠れてしまった。 それをほうきを使って引きずり出す。 じたばたしているそいつを、ほうきの先で押さえつける。 よく見ると、5センチくらいの大きさで、黒くて、羽がある。 アゲハチョウが迷い込んできたのかと思った。 でも、さっき、手に触れた感じでは、なんだか暖かかったぞ。 上に乗せたほうきを外して、よく見てみると…。 小さなコウモリが必死な形相で逃げようとしていましたとさ。 ああ、可哀想に…。 祖母は、今はもう80歳になって、 背も小さくて、仏さんを拝んだりしながらいつもニコニコと暮らしており、 一見可愛らしいおばあちゃんの様相を呈しているけれど 実際は、強烈なばあちゃんなのだ。 私は小さい頃に言うことを聞かず、何度も引っ叩かれながら育ったので その恐ろしさを身をもって体験しているし 母に聞いたところによると ゴキブリだって、何のためらいもなく素手でつかんで 頭と胴を真っ二つにしてポイッとできるような人らしい。 コウモリも、どんなに恐ろしかったことか。 今日、見に行ったら、飼育箱の中に捕獲されて、プルプルと震えていた。 祖母によると、コウモリが家の中に入ってきたのは初めてだったので 自分も恐ろしかったし、無我夢中だったそうだが。 お陰で、祖母の武勇伝を何度も何度も聞かされ、 私は、その度に「夜になったら、コウモリをちゃんと外に逃がしてあげてね」 とお願いする羽目になった。 そうはいっても、 80歳になってもまだ、「客に夜這いを掛けられた」などと言って 人を茶化している祖母は、やはり可愛らしい人だと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 3, 2005 10:30:31 PM
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