2017/03/03(金)18:08
公道カート品川宿のマリカー / 品川浦の鯨塚には青蜜柑
品川宿を揺蕩(たゆた)うすがら
山手通りの信号待ちで
自分の正気に自信をなくしたのは
楽しそうに目の前をマリオカートの群れが走り去ったとき。その場に居合わせた信号待ちの人たちは
みんな顔色一つ変えず何事もなかったように佇んでいるものだから
私だけに見えた、つまり幻覚かと。だから数日後、品川浦の鯨塚につづく緩い下り坂の途中に
カートが並ぶお店を見つけたとき
「幻覚じゃなかった、病院へ行かなくてもよさそうだぞ」
と安堵したんだ。都会人ってのはアレかい、
ポーカーフェイスが常套(じょうとう)なのかい?「写真を撮ってもいいですか?」と伺って、1枚写し立ち去ろうとしたら、
「もっとたくさん撮っていいですよ」と言ってくれたからという訳ではなくて、
任天堂とマリカーの問題、
いい具合に折り合いがつくといいのになぁ。だって国籍問わずみなさん笑顔満面、
とっても嬉しそうにカートで疾走していたんだもの。
任天堂のみならず、中国やらに目を向けたら、
ソフトの偽造コピーとか、偽商品を海外に向けて堂々と販売とか、
悪意を持った著作権侵害がゴロゴロしてると思うんだけど。
そちらもしっかりね。
品川浦の船だまり近くにある件(くだん)の「鯨塚」は、
こちら?(笑)
じゃなくて、こちら。
なんでも、
寛政10年5月1日に暴風雨で体長16.5メートル高さ1.8メートルの大きな鯨が品川沖に迷い込み、
それを漁師たち総出で捕らえたそう。その事件はかわら版のネタになるほど評判になり大勢の見物人が押しかけ、
なんと11代将軍徳川家斉までが浜御殿(浜離宮恩賜公園)でご覧になるほどの大騒ぎ。 その後、鯨は入札で払い下げられ胴体部分が金41両3分で落札されたとか。残った頭の骨を品川の利田(かがた)神社境内に埋めて碑を建て
手厚く供養したのがこの「鯨塚」。よく見えなかったけれど
「江戸に鳴る 冥加やたかし なつ鯨」(谷素外)という句も
添え刻まれているらし。
冬に向かう季節になお青々と、鯨塚の傍らを守るミカンの木。
きっと花の時期にはいい香りで塚を慰めているんだろうな。なるほど、「青蜜柑」は秋の季語だそう。芭蕉さんも行く秋の なほ頼もしや 青蜜柑「頼もしや」と称賛。青蜜柑、こんなに褒められたら照れますねぇ~(てれてれぼうず?)あ、そっか、照れて紅く熟れ色づくのかい?