2018/08/18(土)05:04
/.自作詩・ ★ マダムサヨコ ★ /.散文詩です。/(2012.8.02)2018.8.18/
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★マダムサヨコ★
今年も ブルーバユーが咲いた
40代の後半
余りにも早く親友が逝ってしまった
高校の時からの仲良しであった
突然の訃報
通夜に駆けつける僕の眼に
今開こうとしている
薔薇の花が映った
身障者になっていた彼女に
僕は 何一つして上げられなかった
だから
せめて今 この花を手向けてあげたい
この薔薇を見る度に
悲しみを覚えるであろうこと
その事を受け入れるのに
少しの時が経った
僕は鋏を入れながら
この色を見る季節は悲しかろう
そんな思いに駆られた
しかし
この花を見る度に
彼女のことを偲べたら
高速道路を走り
僕は彼女と対面した
『薔薇ですが、棘は取りました』
『棺に入れてあげたいのですが---』
親族は気持ちよく
棺の蓋を開けてくれた
その時 もの凄い強さで
赤が眼に飛び込んで来た
カンナが一本
真っ白な衣の上に置かれてあった
枕元の薄紫と カンナの赤は
ひっそりと
黙ったままで
棺の蓋は閉められた
次の夏が来る頃に
ブルーバユーが見事に咲いた
何時にも増して 美しく
何時にも増して 大輪に
いくつもの花が咲いた
僕はその花を
マダムサヨコと呼んでいる
By.星原女瑪.(2012.8.02.作).散文詩
(注意)文章の転載を禁ずる.
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★ この散文詩、再掲です。
詩の創作というのは、
大変に難しい。
この歳になりましても、
常々それを実感しています。
一週間に一度の頻度で、
出来るものではありません。
それで、
ブログの更新が、
何時も遅くなります。
星原女瑪の詩を、
読んで下さっている方。
【真夜中の独り言】を、
読んで下さっている方。
この様な事情を、
ご理解いただけましたら、
幸いです。
これからは少し力を抜いて、
色々な文章や記事を掲載したいと、
思っています。
これからも、
どうか宜しくお願い致します。 By.LAME39.2018.8.18.
*
【小説.裏話】
今年の酷暑。
皆様も、体に応えている事と、
お察し申し上げます。
星原女瑪も、すっかりバテています。
小説の執筆は、所帯じみた自宅より、
カフェやホテル等の方が、筆が進みます。
近頃は、お気に入りの喫茶店を幾つか利用していました。
カフェは、喫煙できる店舗が最高です。
ところが、梅雨明けと同時の災害的酷暑。
カフェに足が向かなくなり、
執筆意欲や掲載意欲が、
すっかり失せた状態でいます。
原稿は、だいぶ進んでいるのですが......。
本当に、ごめんなさい。
殊に愛読している皆様、申し訳も有りません。
このような事情で、
{心ゆくまで}の掲載が滞っています。
続きは、もう少しお待ち下さい。
背の高い佳人と美しいであろう沙織さん。
そして柿谷さんの行方や如何に......。
お楽しみに!
星原女瑪・LAME39より.2018.8.13.
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🙇 お知らせ 】 短編小説・心ゆくまで・は、下段に記載しています。
続きは執筆中です。大分書きましたので、
...いま少しお待ち下さい~🙇.
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短編小説
ミステリーロマンの世界へ、ようこそ。
拙い小説ですが、読んで戴けましたら幸いです。
★心ゆくまで★
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【最終章】
続き】
『沙織さん、ようこそ。お待ちしていました』
柿谷は明るい声で迎え入れた。
『こちらに掛けてください』
マスタード色の革張りの応接セットに、案内された。
柿谷の部屋は黒を基調に煙草色の配色で、
落ち着けそうな雰囲気だった。
『僕はビールを飲みますが、沙織さんも何か如何ですか』
『そうね、トマトジュースでも頂こうかしら』
『好かった。美味しいトマトジュースが冷えていますよ』
柿谷はそう言って、すぐに運んで来てから、
沙織のはす向かいに腰を下ろした。
『あと五分もしたら沙織さんに紹介したい人が来るので、
是非とも逢ってください』
『えっ......。どなたか来るのですか』
『はい、楽しみにお待ちください』
『きょうは午後じゅう、モネの絵を眺めていたのよ』
『そうでしたか、モネの絵は好いですよね』
『ええ、大好きです』
『ああ、仕事の後のビールは旨いです』
柿谷は、ドイツ製らしいジョッキを傾けた。
間もなく部屋をノックする音がして、
背の高い細身の女性が入って来た。
柿谷は急いで立ち上がると、
『やあ、こんばんは』
と声を掛けてから、沙織の横に立った。
『春伽姉さん、こちらが奥村沙織さんです』
『沙織さん、僕の姉の春伽です』
『あの......。まさか亡くなった筈の、お姉さまですか』
奥村沙織は、あまりにも突然な事に驚き、言葉に詰まった。
続く】
2018.7.4.星原女瑪.
四月半ばの丘には遅ればせのチューリップが咲き残り、
爽やかな風が吹いていた。
夕方まで仕事が有るからと、
柿谷は朝の五時前に出かけて行った。
夕食は済ませて帰るからと言っていたから、
今夜の話は大事なことだろうかと、
奥村沙織は午後の窓辺でふと考えた。
バロックを流しモネの画集を眺めていると、
日暮れの迫るのも忘れる程に絵画の世界に引き込まれて行った。
夕暮れた丘で軽い散歩を済ませると、
沙織は七時前にシャワーを浴びた。
部屋のベッドで寛いでいるところへ、
柿谷から電話が入った。
『申し訳ない。今夜の約束を九時に延ばしていいでしょうか』
『大変そうですね。九時に伺いますね。
呉れ呉れも、お気を付けてくださいね。それでは』
『はい、有り難うございます。それでは』
ということで電話は切れた。
柿谷貴次が帰宅したのは、九時過ぎだった。
彼はシャワーを済ませると、二階へ上がって行った。
奥村沙織はドレッサーの前に座り、
自分の姿を眺めて見た。
肩先に伸びた髪が軽くカールして、
薄化粧にピンク色の唇をした顔が浮かんでいた。
これが今の私......。
あの朝に化粧と髪を整えたままの容姿で、
鏡に映っている自分が不思議だった。
やや経ってパンパンと頬を叩くと、沙織は立ち上がった。
二階の踊り場に立つと、その先にはまだ階段が続いていた。
覗くと、幅広の廊下が延びていた。
そして三枚目のドアが開いていて、明かりが零れていた。
柿谷の配慮を感じながら、
奥村沙織はドアをノックした。
【続く】
By.星原女瑪. 2018.6.01.
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