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バリアフリー社会の忘れ物~全盲フリーライター・川田隆一のブログ~※講演等、仕事のご依頼もこちらへ

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2007.05.15
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カテゴリ:カテゴリ未分類
 「ごめんなさい。お母さんが一生あなたの両目になります。
だから、許してください」
 それは私が生後3か月の時のことでした。
いないいないばーをしても全く笑わない私を見て、
両親が目の障害を疑い、眼科に連れて行きました。
そして、私には先天性白内障という目の病気があり、
目が見えないままにしておくと知能が遅れてしまう、
という眼科医の言葉を鵜呑みにして、すぐに手術を受けさせる
決心をしたのだそうです。
 しかし、生後3か月の赤ちゃんに術後の安静を守れるはずもなく、
手術は失敗に終わり、私は今の今まで、
目が見えるということがどういうことなのかが分からずにきてしまいました。
 冒頭の言葉は、当時母が書いた育児日記の一節です。
私が大人になってから、母が読み聞かせてくれました。
母は妊娠中に風疹にかかり、
そのせいで私の目が見えなくなったと思い込んで、
ずっと自分を責めていたようで、育児日記は
自責と当惑にあふれていました。
 「おかん、ありがとう。
目のことは、もういいよ。
おかんが謝ることじゃないよ。
僕を生んでくれて、育ててくれて、本当にありがとう!」
 母を思いきり抱きしめて、心からの感謝の気持ちを伝えたいのですが、
なんだか照れてしまって未だに出来ないままでいます。
 「私ね、神様から宝物を預かったと思って、
あんたのこと育ててきたんよ。
私にだったら育てられると思って、
神様が私を選んであんたをくれたんだと思って、
ずっと育ててきたんよ。
 もしも彼女のご両親が、
『障害者にはお嫁にあげられない』と言うんなら、
そんなのこっちからお断りよ」
 27歳になった私が、職場で知り合った健常者の彼女との
結婚を考えている時、母はそう言ってくれました。
 幸い彼女のご両親は、私たちの結婚を
心から祝福してくれました。
 けれど、いろいろなことがあって、その後私たちは離婚しました。
人生、ドラマのようにうまくはいかないものです。
けれど、私は、私の父と母の元に
生まれて来ることが出来て本当によかったと、
心から感謝しています。
 熊本の病院の「赤ちゃんポスト」に、
3歳とみられる男の子が預けられていたことが
分かったのだそうです。
 その子は、自分の名前と年齢を答え、
「新幹線に乗って、お父さんと来た」
と話しているといいます。
この子が大人になっても、赤ちゃんポストに預けられた
3歳の日の記憶が消えることはないでしょう。
 両親の責任を問う声に、私も同感です。
しかし、預けられた子どもには何の罪もありません。
どんな形であれ、とにかく、かけがえのない
命が救われたことに、まずは胸をなでおろしたい思いです。
世の中に、自ら進んでわが子を手放したい親など
いるはずがない、私はそう信じたいのです。
 「赤ちゃんポスト」のニュースは、
自分自身の幼い日の記憶を呼び起こします。
 今は愛しいわが子を預けてしまったけれど、
この子のご両親にはいつの日か必ず迎えに行ってあげて欲しい、
「お父さん、お母さん、僕を生んでくれてありがとう」
この子にもそう言わせてあげて欲しいと、心から願わずにはいられません。
 関係者の皆さん、どうか大切に育ててあげてください。

赤ちゃんポスト:初日に「3歳」男児が預けられる 熊本(毎日新聞)





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Last updated  2007.05.15 14:20:50


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