カテゴリ:短編小説
ココまでの話は、コチラ。
------------------- しばらく待っていたら、治療室から先生だけが出てきた。 思わず、祖父母は先生に駆け寄る。 「あの、佐藤ですが、沙織は。沙織は大丈夫でしょうか?」 「はい。今、点滴を受けてもらってますので。幸い血は止まりました。それよりも、先ほど血液検査をさせていただいたのですが、気になる事がありまして。少し、お話よろしいでしょうか?」 「・・・は、はい」 祖父母は、先生に促され、相談室へと通された。 祖父母は、何が起こったのかまったく分からず、ただ先生に従っていった。 「沙織さん。貧血で倒れる事が多かったのではないですか?」 「はい。少し激しい運動をすると倒れる事が、結構ありました」 「やはり、そうですか・・・。」 「沙織は、何か悪い病気なのでしょうか?」 先生は少し顔を曇らせて、血液検査の資料を祖父母に見せた。 「こちらは、先ほど血液検査で出た結果なのですが・・・。沙織さん、白血球が平均値をかなり上回ってまして・・・。詳しく検査をしないと分からない点もあるのですが・・・。沙織さん、白血病の可能性があります」 「・・・白血病」 「白血病にも色々種類があって、急性のものや慢性のものなどがありまして。薬でそれを抑えることも出来るのですが、所見の様子では、慢性の白血病、慢性骨髄性白血病ではないかと・・・」 「あ、あの。治るんでしょうか?」 「インターフェロンという薬で、白血球数をコントロールする方法が一般的です。まずは、それで白血球が減ってくれるのを様子見た方がいいですね」 「そうですか。あの、入院とかした方がいいのでしょうか?」 「ええ。通ってもらう方法もあります。ただ、安静にしていてもらわないと、また倒れる事になるでしょう」 「・・・そうですか」 祖父母は、自分の孫の身に何が起こったのか、イマイチ把握できてないようだった。 突然のことで、頭が真っ白になっていた。 「いいですか?今は、白血病と言っても、いろんな治療法があります。治らない病気ではないのです。少しでも早く治す事が第一ですので、学校へ通いながらの治療もできますが、できれば、集中的に治療された方がいいかと」 「・・・そうですか」 リリちんのショートショートでは、 【幸せのカケラ】の一話先が読めます♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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