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ペトラプト・パルテプト

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その28 ~ 謝罪 ~




(何これ? 私がやっちゃったの? 嘘…。こんなはずじゃ…。
 だって、生命樹の枝が焼けるなんて聞いたことがないわ。そんなことありえないじゃない。
 どこまでデタラメなのよ、この魔腕は!)

その場にいる翠星石、蒼星石とレンピカはかなり驚いたが一番驚いたのはスイドリームである。

信じられないことに放出した際に右腕から伝わる反動は確かに小さな光の刃なのだ。

さらに付け加えるなら、自分自身の肉体でないだけに特別な対魔術抗力場、つまり放出される
魔力に反する肉体的影響を押さえるための防御シールドを張ることをスイドリームはしなかった。

放出量が少ないと思っていたためである。

となれば、あれほどの破壊力を伴う光の束を放出すれば腕はおろか肉体や精神までもが
崩壊してもおかしくないはずである。

だが実際には軽い反動が手に残ったのみで、もし目を閉じていればここまで驚かなかったに
違いない。


スイドリームの目の前に生命樹が焼け焦げた1本の黒い道が真っ直ぐに伸びている。

燃えたのは一瞬で、燃え広がらないらしく所々で煙がくすぶっていたが炎は見られない。


他の3人が口々に驚きを表現したのに対して、スイドリームは最初、声も出せなかった。

それでも放った本人だけに立ち直りも早い。それには元々気楽な性格も幸いしている


(もしかしてこれが『忘却の光』ってものかしら。そうよ、原理は同じだもんね。
 制御しきれない程の光の束だって言うじゃない。あらゆるものを焼き尽くすか…。
 まさにこれがそうなのね。びっくりしちゃったなぁー。
 おかげで左腕も自由になったし、よかったよかった。…って、ん?
 そうだ、いいこと思いついちゃったわ。私って天才!?かもね。
 でもそのままじゃ、もうひとつインパクトに欠けるわよね。
 どうせならもっとレンピカを驚かして…。
 そうよねぇ、アレを使えば迫力満点の演出だわ。
 うん。万一の時の備えにもなるし…。
 レンピカ…、あなたにとって、いいえ私たちにとって絶対にありえないことをするからね。
 あなたが犯した禁忌どころじゃないことやってあげましょう。
 ああ…、シスター、ごめんなさい。
 私はあなたの、翠星石様の忠実な下僕の人工精霊です。
 それだけは神々に誓って間違いありません。絶対の真実なのです。
 ですがこれから私がすることをお許し下さい。
 魔法ゆえにシスターを傷つけることはありえませんが、少し…、
 ほんの些細なくらいは痛い思いをされるかもしれません。
 えーっと、もし私のせいだとばれたとしてもお怒りにならないで下さい。
 これもすべてあのレンピカにひと泡ふかせてやるためなのです。
 たぶん、シスターなら私の気持ちがわかっていただけると思います。
 あのおしゃべりで生意気な妹を驚かしたいと思っているはずです。
 ですから、その…、ごめんなさい!!)

スイドリームはゆっくりと右手を翠星石へ向けた。

心の中で思い切り翠星石への謝罪を叫んでから右手の指を動かす。

今度は先ほどの3つの魔法陣に加えて新たに3つ書き足した。

そのために今度は右手に全神経を集中し、すばやくこなさなければならない。

効力発生区域(この場合はスイドリームの右手の周り)に6つの魔法陣が浮かぶ。

そしてそれが発動を待ちわびるかのように高速に周囲を回転する。


(あれ…? 
 もしかして『忘却の光』って、制御結界を3重に張りながら放つんだったっけ?
 なんかそうだったような気がする…。
 まさか放てると思わなかったし、指だけでできるなんて想像しなかったもんね。
 どっちにしたってもう間に合わないか…。
 魔腕一本の代償は大きいなぁ…。仕方ない、こんな魔法使うの初めてだもの…。
 さっきのは偶然だしね。まぁ、いいか…。)


集中した魔力が臨界点に達するのを見計らって、それは解放された。



                     …つづく。





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最終更新日  2007/02/06 02:53:20 AM
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