カテゴリ:仏教の2500年
朝日山日乗は戦国時代の日蓮宗の僧です。荒廃した皇居の修理費を勧進する念願を上奏し、後奈良天皇から日乗上人の号を賜いました。松永久秀と三好三人衆の戦いに介入しようとして、毛利氏からの書状を久秀に届けようとした日乗は、三好方に捕まってしまいます。三好の家臣は日乗を堺に監禁し、100日以上も首に鎖をつけ、両袖に1本の長い木を通し、手首をその木に縛り付けて磔のような格好にし、食事もわずかしか与えませんでした。日乗はこの状態にありながら法華経8巻を入手して近隣の人々に読み聞かせて、弁舌をもって周囲の人を動かし、施しを得ていました。永禄11年、信長が上洛すると三好三人衆は退却し、日乗は自由の身となります。日乗は信長にキリスト教宣教師の追放を進言しますが、却下されます。日乗は、信長を訪ねてきたルイス・フロイスおよびロレンソ了斎にキリスト教の教えについて尋ね、信長の面前で宗論となり、途中で怒って刀を抜こうとし、取り押さえられました。一貫して宣教師と敵対したため、フロイスは『耶蘇通信』で日乗を「肉体に宿りたるルシフェル」、「庶民の欺瞞者」などと評しました。
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最終更新日
2012年06月15日 06時55分10秒
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