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私の人生論 (思考が運命になる)

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2019年12月23日
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カテゴリ:千の朝

 唯一のグローバル・システムが
 全世界を包摂する直前というべき
 一八〇〇年に立ち戻ってみると、
 「旧世界」のアジア・アフリカ・ヨーロッパの
 「三大陸」の中核部には、
 五つの大文字圏、文字世界としての
 文化世界が並存していた。

 すなわち、西から東へ「ラテン文字世界」、
 「ギリシア・キリル文字世界」、
 「梵字世界」、「漢字世界」、
 そして上述の四っの文字世界の全てに接しつつ、
 アジア・アフリカ・ヨーロッパの
 「三大陸」にまたがって拡がる
 「アラビア文字世界」の五つである。

 「新世界」の南北アメリカの両大陸、
 そして六つ目の人の住む大陸というべき
 オーストラリア大陸は、
 その頃までには、
 いずれも西欧人の植民地となり
 ラテン文字世界の一部と化していた。

 ここで、「旧世界」の
 「三大陸」中核部を占める文字世界は、
 文化世界としてとらえなおせば、
 ラテン文字世界は西欧キリスト教世界、
 ギリシア・キリル文字世界は東欧正教世界、
 梵字世界は南アジア・東南アジア・ヒンドゥー・仏教世界、
 漢字世界は東アジア儒教・仏教世界、
 そしてアラビア文字世界はイスラム世界としてとらええよう。

 そして、各々の文字世界の成立には、
 各々の文化世界内における共通の古典語、
 そして文明と文化を語るときに共用される
 文明語・文化語の書記に用いられる文字が基礎を提供した。

 すなわち西欧キリスト教世界ではラテン語、
 東欧正教世界ではギリシア語と教会スラヴ語、
 南アジア・東南アジア・ヒンドゥー・仏教世界では、
 ヒンドゥー圏におけるサンスクリットと仏教圏におけるパーリ語、
 東アジア儒教・仏教世界では漢文、
 そしてイスラム世界においてはアラビア語が、
 各々の文化世界で共有された
 古典語、文明語・文化語であった。

「文字と組織の世界史」 鈴木 董 山川出版社





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最終更新日  2019年12月23日 05時00分10秒
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