カテゴリ:認識の歩み
倫理に関してエピクロスは 現実の煩わしさから解放された状態を「快」として、 人生をその追求のみに費やすことを主張しました。 「快楽こそが善であり人生の目的だ」 という考えを中心に置いた主張を行っており、 彼の立場は一般的に 快楽主義という名前で呼ばれています。 後世、 エピキュリアン=快楽主義者 という意味に転化してしまいますが、 エピクロス自身は 肉体的な快楽とは異なる精神的快楽を重視しており、 肉体的快楽をむしろ「苦」と考えました。 エピクロスは、幸福を人生の目的としました。 これは人生の目的を徳として、 幸福はその結果に過ぎないとしたストア派の反対です。 ここで重要なのは、 彼の快楽主義は帰結主義的なそれであって、 快楽のみを追い求めることが 無条件に是とされるものではない点です。 すなわち、 ある行為によって生じる快楽に比して、 その後に生じる不快が大きくなる場合には、 その行為は選択すべきでない、 と彼は主張したのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年09月16日 06時10分04秒
コメント(0) | コメントを書く |
|