2021/10/21(木)08:40
ゼノン2
ヘーゲルは、
ゼノン(前335年~前263)こそが
「弁証法」の創始者であると言います。
「ゼノンの独自性は弁証法にあります。
かれはエレア派の巨匠であり、
エレア派の純粋思考を概念の自己運動たらしめ、
学問の純粋な魂となした哲学者であり、
弁証法の創始者です。
これまでのエレア派は、
「無は実在性をもたず、存在しない。
だから、生成と消滅もない、」というだけでした。
ところがゼノンは、
同様に、存在に矛盾するものを仮定し、
これを廃棄するのですが、
無や運動が存在しないとはじめから主張するのではなく、
理性の歩みに従って、
あると仮定されたものがおのずと
みずからを否定していくさまを示します。」
それまでのエレア学派の哲学者のように、
ただ絶対の「一」を主張したり、
思考と存在との同一を主張したりするだけでなく、
ゼノンは思考の運動それ自体を問題にしたのです。