私の人生論 (思考が運命になる)

2021/10/21(木)08:40

ゼノン2

認識の歩み(1136)

 ヘーゲルは、  ゼノン(前335年~前263)こそが  「弁証法」の創始者であると言います。  「ゼノンの独自性は弁証法にあります。  かれはエレア派の巨匠であり、  エレア派の純粋思考を概念の自己運動たらしめ、  学問の純粋な魂となした哲学者であり、  弁証法の創始者です。  これまでのエレア派は、  「無は実在性をもたず、存在しない。  だから、生成と消滅もない、」というだけでした。  ところがゼノンは、  同様に、存在に矛盾するものを仮定し、  これを廃棄するのですが、  無や運動が存在しないとはじめから主張するのではなく、  理性の歩みに従って、  あると仮定されたものがおのずと  みずからを否定していくさまを示します。」  それまでのエレア学派の哲学者のように、  ただ絶対の「一」を主張したり、  思考と存在との同一を主張したりするだけでなく、  ゼノンは思考の運動それ自体を問題にしたのです。

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