カテゴリ:認識の歩み
八十神は、 稲羽の八上比賣(やがみひめ)に求婚したいと思い、 稲羽(いなば)に出掛けた時、 大穴牟遲神に袋を持たせ、従者のように引き連れた。 「気多(けた)の前」に来たとき、 裸の菟(あかはだのうさぎ)が伏せっていました。 菟は、八十神に 「海塩を浴び、山の頂で、強い風と日光にあたって、 横になっていることだ」と教えられた通りに伏せていたが、 海塩が乾くにつれ、体中の皮がことごとく裂けてきて、 痛みに苦しんで泣いているのです。 すると、 最後に現れた大穴牟遲神が「なぜ泣いているの」 と聞きました。 菟は「私は洪水によって林から流されると 草の根に乗って沖の島に着いた。 帰るために鰐をたばかって、 己とおまえとどちらが家族が多いか数えよう と言って鰐を集めてその背を渡ったという。 今にも地に下りようとしたときに、 私は『お前たちは欺されたのさ』と言いました。 するとワニは、 たちまち私を捕えてすっかり毛を剥いでしまいました。 それを泣き憂いていたところ、 先に行った八十神たちが『海で塩水を浴びて、 風に当たって伏していなさい』と教えたので、 そうしたところ、 この身はたちまち傷ついてしまったのです」といった。 そこで、大穴牟遲神が菟に 「今すぐ水門へ行き、水で体を洗い、 その水門の蒲(がま)の穂をとって敷き散らして、 その上を転がって花粉をつければ、 膚はもとのように戻り、 必ず癒えるだろう」と教えたので、 そうすると、その体は回復しました。 その兎は 「八十神は八上比賣を絶対に得ることはできません」 と大穴牟遲神に言いました。 そのとおり、八上比賣は八十神に 「あなたたちの言うことは聞かない」とはねつけ、 大穴牟遲神に 「袋を背負われるあなた様が、 私を自分のものにしてください」と言いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年12月07日 05時10分05秒
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