2023/05/10(水)09:13
極東と西欧の商業
極東(日本や支那)と、西欧の商業の特色は、
大衆用の未加工商品が
大きな重要性を持っていたことです。
大量消費用の物資、毛織物、穀物、餅、鉄などが、
地域間の交易で扱われるようになりました。
金持ちのための賛沢品や高級品は、
商業の流れのごく一部をなすにすぎませんでした。
当時、長距離交易は
輸送費があまりに高かったので、
嵩(かさ)に比例して
価格の高い品物に限られていました。
しかし日本や支那、西欧では、
海岸線が内陸に入りこみ、
長いゆるやかな潮流があって、
各地方のほとんどの地点まで
輸送が可能だったので、
人々は、低価格の品物でも、
遠くの市場に運ぶことができたのです。
海上輸送は、陸上輸送よりはるかに安価でした。
陸上輸送は、安全に通行できる道もなく、
人間や動物の背に荷を負わせ、
列をなして旅行するよりほかはありませんでした。