2023/05/12(金)08:34
市場の支配権
極東と西洋における交易と商業は、
社会のほとんどすべての階層に影響を与えました。
農民も、都市生活者も、地主も、
自分たちの使う道具その他を、
小商人、職人、小売人から買うことができたのです。
つまり、極東と西洋の市場は、
土地に拘束された他のアジアの共同体社会におけるよりも、
ずっと深く社会の組織に喰いこんだのです。
したがって、手工業は、他の地域と比べて、
もっと大衆的な次元の嗜好や、
低廉な市場を対象として生産を行いました。
中世全体を通じ、支配権がさまざまに重複しあって、
主権を争いあいました。
ローマの教皇、帝国の継嗣、
シャルルマーニュの後継者などは、
それぞれ全キリスト教圏に対する
普遍的主権を主張しました。
唐の太宗李世民、藤原道長など
極東と西洋の国々の君主、封建諸侯、
あらゆる規模の地方的地主などや、
また同時に都市および辺境の氏族や自由村落までが、
お互いに権威、権利、義務の免除、
支配権などを求めて争ったのです。