私の人生論 (思考が運命になる)

2023/05/17(水)08:07

西欧の農業

認識の歩み(1051)

西欧の土はしめり気が多く重いので、 たがやすのが困難で、 一〇世紀までは、牧畜が生産の主流で、 農業はひどくたちおくれていました。 農業よりも牧畜に依存していたため、 中世の前半には、西欧に都市は まだ存在していませんでした。 しかし、一〇〇〇年ごろに(アジアから教わって) 「馬がすきをひくのに、馬の肩にかけるのではなく、 馬の胸に十文字にたすきをかけると、 ずっと能率がよい」ということをはじめて知り 以後、馬が能率よくすきをひいて 土をたがやすようになりました。 この技術でようやく 農耕が牧畜より重要な産業になって、 生産性が大幅に向上しました。 ゲルマンは早くからキリスト教の感化をうけ、 ローマ帝国をほろぼしたのちは、 その文化遺産を継承し、 ふたたび西ローマ帝国を 復興することを夢みていました。 今世紀末に、今日のフランスを中心に、 ドイツにまたがるひろい領土を支配した フランク王国のチャールズ大帝は、 これを西ローマ帝国の復興だと称していました。 しかし、フランク王国は、 はやくも八四三年に分裂してしまいます。 それから約一世紀のちに、オットー一世が、 今日のドイツとイタリアにまたがる領土をもつ 国家を建設したとき、 これを神聖ローマ帝国と名づけました。

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