カテゴリ:認識の歩み
モンゴルの襲来が 仏教世界とキリスト教世界に およぼした影響を比べてみると、違いがあります。 地中海とバルト海の沿岸諸民族は、 長いあいだたがいに侵略しあってきたので、 侵入してきた遊牧民族の おそるべき殺戮(さつりく)に 対抗するだけの備えができていました。 東洋のわれわれにとっては 大きな災厄となったモンゴルとの戦いですが、 西欧は、一時は逆境に立たされたが、 利益をえたともいえます。 西欧の今日の強大をもたらした、 その団結の力がはじめて発揮されたのは、 このときでした。 モンゴルの襲来は、トルコの遊牧民の群れを蹴散らし、 サラセン、オスマン両帝国を誕生させましたが、 フランク諸族には、 共通の敵をまえにして 統一する槻会をあたえたのです。 エルサレムの壁、ダニューブの川岸をまえにして、 キリスト教騎士団の精鋭が馬をならべて立ち、 以来、ローマ法王だけの力では. とうてい植えつけることのできなかった、 キリスト教世界という観念が、 抜きがたいものとして根をおろすにいたったのです。 コンスタンチノープルの陥落は、 イタリア・ルネサンスの主因の一つです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年06月22日 05時10分06秒
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