地球人スピリット・ジャーナル1.0

2009/03/29(日)13:16

私は韓国を変える

ブログ・ジャーナリズム(108)

地球人スピリット・ジャーナル2.0につづく  「私は韓国を変える」 盧武鉉 著 青柳純一・青柳優子 訳 2003 原書2002  私は自国の首相達の名前を順番どおり間違いなくいえるだろうか。年代や主な業績など、おおよそでもいいから十分に自信をもって言えるだろうか? テレビや新聞などで報道された表面的なことについてはそれなりに空んじることはできるだろう。しかし、ひとりひとりについてのプロフィールや突っ込んだこまかいデティールまで言うことは、とてもできないだろうと思う。  自国についてさえその通りなのだから、いくら隣国であったとしても、韓国の歴代大統領の名前などでてこない。言われてみれば、ああそういう名前の政治家はいたね、という程度であり、そのひとりひとりについてどれほどの思い入れがあるだろうか。ただ盧武鉉(ノ・ムヒョン)は韓国の現大統領だ。知らないはずはない。そして、その柔和な面影と人権派弁護士出身という背景にそれなりの近しいものを感じるのは事実だ。  しかしながら、このところの領土問題や靖国問題で、盧武鉉大統領が日本に向けてみせる顔は、かならずしも柔和なものではなく、人権的公平なものでもない。あえて言えば、敵愾心をむき出しにする顔が繰り返しマスコミで報道される。その顔は、かならずしも日本向けではなく、韓国内の反対勢力におもねた外交的スタンスの表現ともいわれるが、実際はどうなのか。  この本は2002年の12月に行われた大統領選挙の前に書かれた本だ。もともとは「盧武鉉のリーダーシップ論」だったというが、日本語訳にあたって「私は韓国を変える」に変題されたようだ。韓国のリーダーが韓国の国民にわかり易く、自分のポリシーを述べているこの本には、他での日本向けにない、どこかやさしい、どこか入りやすい窓が開かれている感じがする。この本は青柳純一・青柳優子夫妻の翻訳である。2002年12月の大統領選挙の夜、二人は勝利の祝杯をあげたという。p235  この時私は、こみあげる感激とともに「韓国に来て本当によかった」とあらためて思いながら、韓国民主化運動の歴史的な勝利の瞬間を噛み締めていた。p235  金大中から盧武鉉へ、この二人に代表される韓国民主化運動のリーダーの世代交代はこうした質的な変化を予告する。極めて望ましい形で、社会変革・改革のの松明はしっかりと若い世代へと受け継がれたのだ。(中略)南北平和共存政策を継承できるのは盧武鉉しかいなかったのだ。p236  政治の一寸先は闇だ。すでに3年半以上前に書かれた政治上の文章など、かなりの旧聞に属してしまうので、そのことを勘案しながら検討しなくてはならないが、いまや、核保有国として名乗りを上げてしまった北朝鮮に対するする世界の目は違っている。まして、そこまで北朝鮮を許してしまった韓国の太陽政策も見直しを迫られているようだ。  金大中→盧武鉉という太陽政策が本当に良かったのかどうか、これから朝鮮半島はどうなるのか。それをとりまく東アジアの軍事バランスはどうなるのか、混沌としてきたことは間違いないし、これまでの盧武鉉の大統領としての業績の評価は、これから定まっていくに違いない。  政治の世界は、どこまで行っても政治の世界だ。本来私にとっては、なるべく一定距離を置いてみておきたい世界だ。本当の主題はどこか別にある。その思いは私にもあり、訳者たちにもある。  さて、こうした話とともに、私自身にもこの「変える」を適用しなければならないだろう。実際、訳者としての私はこの書から多くのことを学び、遅ればせながら、「私は自分を変える」という自覚に達した。今回本書をつれあいと訳しながら、「私を変える」契機があって仕事は急にスムーズに進んだ。(中略)ともあれ、個人的にも社会的にも転換期の訪れを実感している。だからこそ、「私は自分を変える」を口先だけでなく行動で、それも生活の中でどう実践していくのかが課題だ。p239  団塊の世代の生き残りにして、誠実な実践を通じて活動してきた彼らであるがゆえに「私を変える」という時に、当時流行の「自己否定」という言葉が裏にありそうで、ちょっとつらい。今の時代は自己肯定のうえで「私はもっと本当の私になる」という言葉のほうに人気がある。実は私もそちらのほうが好きだ。  まったく脈絡のない追記ながら、私は、ネットのどこかに私自身の神秘体験(というかまぁびっくり体験)をいろいろ書いたことがある。その一つに、10代の時に、知り合いの二人姉妹の間におきていた自動書記現象を目撃したことがある。かなり意味深いものであったが、その時の二人姉妹の姉であり、メディウムとなって文字を実際に記したのは、この翻訳者たちの片割れのおひとりである。

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