2009/02/10(火)21:54
ウェブを進化させる人たち
「ウェブを進化させる人たち」 ITの新しい潮流を創る15人の声
湯川鶴章 2007/03 翔泳社 単行本 279p
★★☆☆☆
ポッドキャスト「湯川鶴章のIT潮流」でインタビューした50以上の人々のなかから15人を選び再構成した一冊、とのこと。最近は「進化」だとか「革命」だとか、ちょっと大げさなんじゃぁないかな、と思う本のタイトルにぶち当たることが多い。この本も、そういう意味では、タイトルの仰々しさの割りには、本当に「進化」させているのかどうかは不明だ。
体よく言えば、単にベンチャー企業の若手経営者たちを持ち上げて、ちょうちん記事を書いているだけではないか、と皮肉もいいたくなる。例えば、一人一時間のインタビューとしても、ひとりひとりの内容はかならずしも深いものではない。この一冊でないと知ることができない、という情報もそう多くない。特に前半は、ちょっとあくびがでそうになった。
この本のタイトルは、当然、梅田望夫の「ウェブ進化論」のイメージを借りているわけだろうが、梅田が「次の10年への三大潮流」としている「インターネット」「チープ革命」に「オープンソース」などの視点が、この本にはないか、あったとしてもウェイトのかけ方が弱い。後半の数人のインタビューはまずまずその兆候があったが、読者を鼓舞するには到っていない。