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1960年代から始まったの米ソの宇宙開発競争ではたくさんの無人、有人あるいは有犬、はては有猿(?)の人工衛星が打ち上げられてきました。 気象衛星や通信衛星も多数地球周回軌道上にあるわけですが、当然老朽化したり故障したりして永久に人工衛星であるわけではありません。役目が終わったり故障したりしたものは、徐々に速度が落ちて、やがて地球引力に引き寄せられて大気圏に突入し、多くは燃え尽きてしまうのですが、巨大なものに関しては完全に焼失せずに人工隕石として地上に落下するものもあります。 以前の某国営放送による番組では無数のこういった不要となった大型のスペースデブリ(宇宙ゴミ)が地球の周りを回っているようです。 News Scientistによりますと、最近打ち上げられた通信用衛星に不具合が発生し、十分な高度を得るに至らず下手をするとすぐに地球に落っこちてしまいそうだということです。 この衛星はカザフスタンのBaikonur宇宙センターから打ち上げられた5.25トンの無線通信用のASTRA-1Kというものですが、これに使われたプロトンKロケットが故障してしまったのです。現在の高度は175kmで、この地点からさらに高度を上げるためのロケットが点火せず、このままだと数日間のうちに大気圏に再突入してばらばらになってしまいそうなのです。 そしてこの破片のうちどのくらいが燃え尽きずに地上に落下するかは定かではありません。 考えられる緊急措置としては衛星に搭載している補助エンジンを噴射して、少しだけ高度を上げて、しばらく(それでもおそらく数ヶ月の寿命延長と言われています)落下を延期させ、その間に本格的な救済策を検討する方法があります。衛星の操縦を行っているSES ASTRAはこれに成功して少しだけ寿命を延ばすことに成功したと報告してます。 本格的な救済策ですが、英国のロケット製作会社であるサリーサテライツの技術者によると、宇宙タグボートのようなものを使って、衛星の本来の高度である36000kmまで曳航してやることが可能であるとしていますが、未だに現実にこれが行われたことはないのです。 スーパーマンがいれば簡単に引っ張って本来の軌道に戻してくれるのでしょうが、架空の人物には頼りようがありませんしね。 記事によりますと、不幸中の幸いというか、衛星の軌道が地球の赤道上にありますので、最悪燃え残った衛星のかけらが地表に激突するとしても、赤道上付近、つまり海洋上か人口のほとんど無い地域に限定されるので被害は殆んどないだろうと予測しています。しかし!シンガポールや中部アフリカには人口は少ないとはいえ、人間が暮らしているのです!万が一にも被害が出たりしたら誰が責任を取るのでしょうね? それに加えて人が住んでいなければ、アマゾンのジャングルや南洋の小島だったら構わないというのもなんだか乱暴な話のような気がします。ロケットを打ち上げたヨーロッパ宇宙機構の面々であるヨーロッパの国々には影響がないからよしとしているのでしょうか?ずいぶん勝手な話のように思うのは私だけでしょうか? 外宇宙からの飛来物である隕石ならば、ある種の天災としてとらえることもできますが、この場合や、将来発生するであろう過去の遺物の衛星が落ちてくるのは明らかに人災というほかありません。自力で制御不能でどこに落ちるか分からないような代物に関しては、打ち上げた国が責任を持って被害が出ないようにするのが当然と言えるでしょう。 地雷といい、放射性廃棄物といい、自分で自分の尻が拭けない(下品にて失礼)のはとても文明国の所業とは思えません。第一、子供たちに示しがつかないではありませんか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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