定年男子 定年女子
副題は『45歳から始める「金持ち老後」入門!』。 勢古氏の『定年バカ』における評論コメント通り、 「インチキくさいタイトルに比べて、中身はまとも」。 説教臭くなり過ぎていないところが、好感が持てる。 また、男性と女性、それぞれについて記述されているところもイイ。 自分だけでなく、パートナーについてもちゃんと知り、考えることが、 本当の意味で、定年後を考えるためには、必要不可欠なことのはずだから。 夫婦で定年後を語り合うきっかけに、十分活用できる一冊。 *** リタイア後もできるだけ長く働く、 そして収入の範囲内で生活する、 このふたつを守れば老後のお金を それほど不安に思うことも心配することもないと思います。(p.40)残念ながら、60歳からの悠々自適な隠居生活は、あっさりと否定されてしまいました。 ところが、再雇用後は実務知識のない人間は職場のお荷物です。 だから再雇用って結構、大変なんですよ。 それから、再雇用に応じると65歳でほぼ確実に職を失うことを覚悟してください。 ほとんどの場合、65歳以降は雇ってくれません。 特に大企業になればなるほど。(中略) 本当に生涯現役、少なくとも70歳くらいまで働きたいなら、 できれば55歳くらいから準備をして、 古巣の外に出ることも考えてみるのがおすすめです。(p.70)なるほど……これは目から鱗。でも、確かにその通りで、70まで働くつもりなら外に出るしかないか…… したがって私が考えるのは、 若いうちこそきちんと食生活や運動などの規則正しい生活をおくることが大切で、 60代以降は、必ずしも無理して嫌いなものを食べたり、 脅迫観念に駆られて運動したりする必要はないんじゃないかということです。 (中略) まず、お金も健康も、人間にとって大事なものです。 だから、手に入れるために多くの人が努力します。 そして、どちらの分野にも専門家がいて、さまざまな発言をしているけれど、 結構いいかげんなものも多いようです。 それから、本来は手段ですよね、お金も健康も。 幸せな人生をおくるための手段なのに、往々にして目的と化す。 そして、健康もお金も、死んだら役に立ちません。(p.113)まぁ、今でも私は食べたいように食べ、運動はこれといって特別なことはしていないので……このまま継続。 親の介護は、なるべく親の資産の範囲内で、 できるだけ親の希望をかなえることと、 自分は働き続けながら気長に介護できる態勢をつくりましょう。(p.123)これは、結構重要なポイント。『親の介護をする前に読む本』や『夫の後始末』、『愛する人がうつ病になったときあなたはどうする?』を読んだ時にも感じたことだが、介護する側が自分自身を保つということが、とても大切なのだと思う。 投資で失敗して死んだ人はいますけど、 投資しなくて死んだ人はいません。(p.158)けだし名言!