インテリジェンス 武器なき戦争
外務省のラスプーチンと呼ばれていた佐藤優氏と 元NHKワシントン支局長の手嶋龍一氏の対論本。 これまでに例のない日本語の「対外インテリジェンス入門書」だそうな。 そもそも「インテリジェンス」とは何なのか? 素人の私は、いきなり、そこからつまずくわけですが、 読み始めてすぐに、「情報」という言葉に 「インテリジェンス」と、ルビが振ってあることに気付きました。 そう、インテリジェンスとは、「情報」のことらしい。しかし、情報は情報でも、単なる「インフォメーション」とは違うよう。「精査し、裏を取り、周到な分析を加えた情報」これが、インテリジェンス。「インフォメーション」は、情報の素材、つまり上っ面の事実にすぎないが、「インテリジェンス」には、生命力が宿っており、国家の舵取りに役立つ。そして、「インテリジェンス・オフィサー」とは、国家からお金をもらい、国家のための極秘情報を集める人。そんな「インテリジェンス」や「インテリジェンス・オフィサー」について、二人のインテリジェンス専門家が語り合った言葉をまとめたのが、この一冊。けれど、事が事だけに、どこからどこまでが、二人の本音なのか?どこからどこまでが、真実に即した内容を語っているのか?そして何より、この二人が、どれほどそれらの真実に近づき、知り得ていたのか?さらに、他の人がこの場に加われば、もっと違う話の展開になっていたのではないか?そんな風に、穿った目で読み進めたのは私だけ? まぁ、こんな新書の形で、出版されるということは、不特定多数の人たちの目にさらされることが、もちろん大前提なので、そんな超一級品のインテリジェンスが、語られているとは、私には、とても思えないのですが、みなさん、いかが思われますか?