カテゴリ:書評
遅くなってしまったのでまとめて。
『日本文化は異質か』浜口恵俊編 予想以上に、非常に出色だった。 シンポジウムをもとにした論文+討論集だったのだけど、問いの立て方がどれも目鱗。 学者ならではの、本質的な問いの立て方をどなたもしていて、 「世界の見方・捉え方」にどれも新しい視点を与えており、 非常に面白かった。 (ちなみに、榊原英資氏の論文も載っているのだけど、 これを読むと、実務家と学者がいかに違うかがわかる。 どちらがいい悪いではなく、本質的に目線が違う。) 『自由からの逃走』フロム ぜひ読んでほしい本。 なぜ、人が自ら自由を手放すのか、について考察している。 訳者の言葉を借りれば「いっぽうではひとびとが求めてやまないはずの、価値としての自由が、他方では、ひとびとがそこから逃れ出たいと望むような呪詛となりうる」という、非常にユニークな論である。 『古典入門:自殺論』宮島喬 デュルケムの本そのものを読む前に概要を押さえるにはベスト。 宮島先生がデュルケム研究者だったとは・・・知らなかった。 そういや、姜尚中先生もマックス・ウェーバー研究者からスタートしてるんだよね。 友達の日本文学研究者が言うには、やっぱり日本文学なら夏目漱石研究をまずはしなさい、と勧めたくなるらしい。 もちろん今までも山ほど研究されているんだけど、でも、その過去の研究のレビューをすることだけでも、すごく力がつくらしい。 古典、おそるべし。 『愛国問答』香山リカ+福田和也 私はやっぱり香山リカの地に足のついている感じが好きです。 福田和也についてはあとがきにある「元来、左翼の貧乏くささが嫌で、右翼になったようなものだった」という言葉が、まさに彼をあらわしているんだと思う。 『暴走する世界』ギデンズ 現代問題の入門書としてはいいかもだけど、 現代問題になじんだ人にはもの足りないだろう。 "runaway world"を『暴走する世界』と訳すのには、?。 もちろん、そっちのほうがキャッチーなのはわかるけど、どんどん変わっていく世界、今までの常識が通用しなくなる世界、という方が正しい気がする。 『ウォーラーステイン』河北稔 こちらも、ウォーラーステイン初心者にはよいと思う。 『講座社会学:文化』宮島喬編 再生産の話は本当に面白い。 再生産話に興味のある方は、ぜひブルデューを。 『研究する意味』小森陽一編 研究生活に不安になったとき読むといいかも。 しっかし、夏の100冊をはじめて1ヶ月、まだ11冊とは。3日に1冊かよ。 スピードアップせねば・・・。 終了 『陰影礼讃』谷崎潤一郎 『朗読者』ベルンハルト・シュリンク 『たそがれ清兵衛』藤沢周平 『日本文化は異質か』浜口恵俊編 『自由からの逃走』フロム 『古典入門:自殺論』宮島喬 『暴走する世界』ギデンズ 『ウォーラーステイン』河北稔 『講座社会学:文化』宮島喬編 『愛国問答』香山リカ+福田和也 『研究する意味』小森陽一編 読み途中 『アメリカのデモクラシー(1)』トクヴィル 『悲しき熱帯I』レヴィ=ストロース 『精神分析入門(上)』フロイト 『日本の思想』丸山真男 『大衆の反逆』オルテガ 『社会学への招待』バーガー 積ん読(この機に頑張って読むぞ!) 『愛するということ』フロム 『消費社会の神話と構造』ボードリヤール 『再生産』ブルデュー 『ディスタンクシオン』ブルデュー 『社会学』ギデンズ 『カルチャラル・スタディーズ入門』ターナー 『ジェンダー・トラブル』バトラー 『経済学史』シュムペーター 『ジェンダーと歴史学』スコット 『HABITS OF THE HEART』(心の習慣)Beller 『THE MANAGED HEART』(管理される心)Hochschild 『THE TIME BIND』Hochschild 『PUBLIC OPINION』(世論)Lippmann 『IMAGINED COMMUNITIES』(想像の共同体)Anderson 『Hamlet』(ハムレット)Shakespere 『停電の夜に』ジュンパ・ラヒリ 『悲しき熱帯II』レヴィ=ストロース 『フランクリン自伝』フランクリン お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 5, 2006 11:03:10 AM
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