2022/12/16(金)22:16
賞与の季節です。・・・(-。-)
私が勤める医療法人も、福祉施設も
冬のボーナスの時期になりました。
医療法人は、私が経営しているわけではないので
毎月の経営状況が私の懐に影響するわけではありませんが、
労務管理と経理の一端を担う立場として
年に2回の賞与の支給に関しては
緊張感をもって査定をし、支給日時も
慎重に決定しています。
医療法人は、診療科目も多く、
それなりの規模ですので、毎月の給与支給や
年2回の賞与支給で屋台骨に影響することはありません。
が、福祉施設は、事情が違います。
そもそも、人員配置の基準や受け入れ利用者の人数など
制限が多く、決して「儲かる」仕組みにはなっていません。
そんな中でも「賃上げ」「待遇改善」が叫ばれ
ただでさえ人手不足の業界で、従業員を繋ぎ止めるには
「やりがい」とか「個人個人の資質」とか「ほすぴたりてぃ」
などに頼るのは、どこも限界が有ります。
当施設では、毎月1回そこそこ高価なお弁当で
昼食会をしたり、児童の送迎に些少ではありましが、
送迎手当を付けたり、他にもできる限りの厚遇を・・・
と考えておりますが、予算も限られていて
どこまで満足してもらえているか不明です。
医療法人とは違い、売り上げに上限がある施設でも
賞与は年に2回支給します。
毎月、売り上げが入金されてから
従業員の給与、家賃、その他支払いを済ませると
何も残らない状態が数か月続き、
(残らないのはまだマシで、当初1~2年は
毎月毎月相当額の持ち出しが続いてました。)
ようやく、この数か月は「単月黒字」を
維持できるようになったところです。
それは利用者が「ほぼ満杯」になったことで
採算ベースになった。ということです。
この事業の法的仕組み自体が、「満杯でようやく採算ベース」
ということなので、しかたありません。
このまま、現状を維持していけば
毎月少しずつ黒字が出て、当初の累積赤字は
いずれ解消される・・・という目論見です。
ところが、
「満杯になった」=「これ以上の利用者は受け入れ不可」
なので、問い合わせがきても「お断り」するしかありません。
「お断り」し続けて、現状を維持していけば
毎月黒字をキープできる・・・
はたして、これで良いのか?
行き場のない子供たちを断って、
現状維持して、ぬくぬくと黒字を維持・・・
あ、これは違う!
かくして、
無謀にも更なる借金を抱えて、もう1か所施設を
立ち上げた次第です。
おかげで、また1からマイナス経営のやり直しで、
毎月の給与を支払って、やれやれ・・・
と思っているところに
「冬のボーナス~~~!!!」という大寒波襲来。
給料を頂く立場の時は
毎月の給料日が待ちどおしくて
それを半年繰り返すと
「夏のぼーなす~~~!!!」
更に半年、給料を貰い、
「冬のボーナス~~~!!!」
というサイクルで、モチベーションを維持していましたが、
給料を支払う立場になると、
「げ!もうすぐ給料日!!」
これそ半年繰り返すと
「げげげ!!!ボーナスの季節やんけ~~~!!!」
てな具合で、立場変われば心構えも変わります。
どの職場でも必ず社員にレクチャーすることがあります。
例えば
20万円の給料・・・の意味です。
200,000円の給料を頂くと、
そこから、
・健康保険料:9,820円 事業主負担:9,820円
・介護保険料:1,640円 事業主負担:1,640円
・厚生年金:18,300円 事業主負担:18,300円
・雇用保険:1,000円 事業主負担:1,700円
・子ども子育て拠出金 事業主負担のみ:720円
・労災保険料 事業主負担のみ:600円
・源泉徴収税:3,700円
が引かれます。
(岐阜県、40歳~65歳未満、扶養家族なしでの概算値)
本人負担額合計:34,460円 事業主負担:32,780円
即ち、200,000円の給料に対して
受け取る側は、
200,000-34,460=165,540円の手取り
払う側は、
200,000+32,780=232,780円の負担
「200,000円」という給与額を挟んで
払う側と貰う側では実に「67,240円」の差が有ります。
「200,000円」という賃金に対して
これだけの意識の差異が発生します。
賞与なんかは、額面に比べて
控除される金額がでかいので、社員から
「保険代とか年金とか無ければいいのにねぇ。」
と言われることが有りますが、
支払う側も同じ(それ以上?)気持ちです。
165,540円の手取りを渡すために
事業主は、232,780円の支出が有ることを理解して下さい。
昨今のコロナ対策の一環で
当分枯れることはないだろうと思われていた
雇用保険の余剰金が、あっと言う間に枯渇したようで
今年の10月~雇用保険料が大きく上がりました。
個人の毎月の徴収レベルは、何百円~数千円で
それほど目立ちませんが、
事業主は、年に一度、まとめて支払うので、
これがまた結構大きく会社の財政を圧迫します。
冬の賞与を乗り切って一息付くのも今だけで、
春には、賃上げ⇒健康保険料・年金料アップ
その次には、労働保険料納付・・・
なかなか懐が温かくなりまへん。(TへT)