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BLUE ODYSSEY

BLUE ODYSSEY

特別編 『アリスの大豪邸』 ACT.10

ここで特別編 『アリスの大豪邸』 ACT.10


ニセアリス「こんなちっぽけな家にいつまでも有名人のアタシがいること自体がおかしい。
有名人は大豪邸に済むものと相場が決まっている。」

アリス「まあ、ニセアリスさんはいつから”有名人”になったんですか?」

ニセアリス「こんな小さな家はいやなんだよ。アタシはでっかいデパートぐらいある家に住みたい!」

アリス「そんなに広くなくても住めます。」

ニセアリス「”吹き抜け”のある家がいい!1階から4階まで吹き抜けになっていて、それでエレベーターがついている家がいい!」

ウサギ「そんな家ありますか?」

ニセアリス「そこをアタシの”アトリエ”とする。アタシはそこで日夜芸術活動に励むんだ!」

アリス「このお家でだって芸術活動はできます」

ニセアリス「この高度な知性を持ったアタシがチミたちのような”凡人”と毎日顔を合わさなくてはならんのは苦痛なんだよ。アタシには広々とした孤独な空間が必要だ!」

アリス「……………………。」

ウサギ「……………………。」

アリスもウサギさんも少し呆れていました。
しかしミルキーだけはすっかり”大きな家”に魅了されていました。

ミルキー「お家にゲームセンターが出来るんだよ!ねえねえアリスタン、大きな家に住もうよ!」





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 ACT.11


アリス「……………………。」

アリスは困っていました。ミルキーがすっかりその気になっていましたから。

ミルキー「ねえねえアリスタン、大きなお家はきっと気持ちが良いよ。」

アリスはミルキーをなだめるてきとうな言葉が見つかりませんでした。







そして数日後、例のセールスマンから連絡がありました。

ニセアリス「ひゃっほーーーーーー!!!さあ、いよいよ”豪邸”を見に行けるぞ!!」

こうして”豪邸”を見るためにみんなで出かけることになりました。
セースマンが教えてくれた場所はすごく遠いので汽車で行くことにしました。
セールスマンとは着いた先の駅で待ち合わせです。





汽車の旅は最初快適でした。

ミルキー「ルンルン!ランラン!」

でも車窓から見える景色はだんだんと民家が少なくなって行きました。

アリス「……………………。」

ウサギ「どうやらその建物は”田舎”にあるようですね。」

そう思っていると辺りは畑のみになりました。広大な畑でした。
すると、今度は少し丘を登りました。
そしてそれから再び目に前の景色が開けますと、そこは山に囲まれたような場所で、それら小高い小さな山をバックにした広々とした土地でした。
その駅でセールスマンと合流しました。セールスマンはあの時と同じく黒いベールに全身を包んでいました。顔はやはり見えません。

セールスマン「やあやあ、みなさん、本日は良い日和になりましたねえ。
さっそくご案内いたしましょう!」

そのなんだかよくわからない不気味な出で立ちと違って、今日のセールスマンは明るい口調でした。

アリス「……………………。」





そして駅から30分ほど歩きました。

ミルキー「ぜえぜえ、アリスタン、駅からだいぶ歩くんだねえ?」

ミルキーがアリスに言いました。すでにミルキーは息切れしているようです。
するとセールスマンが、「なあに、たかだか30分だけですよ。鉄道の駅があるだけマシです。」

と言いました。

アリス「……………………。」





しかし、それから歩けど歩けど目的の建物は見えませんでした。

ニセアリス「おい!”豪邸”はどこにあるんだ?
もう30分以上も歩いてるぞ!」

セールスマン「ええ、もうすぐです!」

そして目の前には草がぼうぼうに茂った土地が見えてきました。しかし建物は影も形もありません。

ニセアリス「おい!いったい豪邸はどこにあるんだ?
いつまでたっても見えないじゃないか?!」

するとセールスマンは「着きましたあ!」と言いました。

けれど周りには豪邸など見えませんでした。





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 ACT.12


ニセアリス「おい!いったいその豪邸はどこにあるんだ?!」

ニセアリスがセールスマンに迫りました。すると、「こちらがそうです。」
と言ってセールスマンはある方向を手で指し示しました。

ニセアリス「なんだ?どこのことを言っている?」

セールスマンは草がぼうぼうに茂ったところを指し示していました。

ニセアリス「その草がどうした?」

その時、セールスマンが右手に大きなカマを持っているのが見えました。そしてその刃先がキラリと光りました。

アリス「きゃああああああああ!」

セールスマン「こちらでございます。」

セールスマンはカマを使って生い茂った草を切り始めました。

アリス「……………………。」

アリスがよく見てみますと、そこには「門」がありました。「塀」もあります。
しかしあまりに草が茂っていましたのでそれが見えなかったのです。

アリス「はあ~~~。」

ある程度草を刈りますと、門が開けるようになりました。



ギ~~~~~~~~!



しかし門を開いてもその向こう側にもびっしりと草が生い茂っており、その先が見えません。草は1メートルから2メートルの背丈がありました。

セールスマン「さあ、みなさま方もこれをつけてください。」

セールスマンはそう言ってアリスたちにも「軍手」と「カマ」を配りました。
ニセアリスは軍手をヒョイとつまみ上げ、

ニセアリス「ファンタージー世界には絶対出ないアイテムだと思うが。
この”軍手”というやつは。」

するとセールスマンが「とても便利ですよ。さあそれを着けてください。」と言いました。


ミルキーには子供用の小さな軍手が渡されました。

ミルキー「アリスタン、何?このてぶくろ?」

アリス「”作業用”の手袋です。手を切らないためにつけてください。」





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 ACT.13


セールスマンはカマで草を刈りながら道なき道を進んで行きます。アリスたちもそれについて行きました。





ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!





セールスマン「こちらが”お庭”になります。」

敷地の中はサッカーグランドほどもある広いお庭のようでした。
確かに以前は美しい庭だったのでしょう。その形がところどころに残っています。
しかし、今はアリスの背の高さよりも高い背丈の雑草に全ておおわれていました。

ニセアリス「草ぼうぼうではないか?!」

セールスマン「なあに!ちょっとお手入れすれば見違えるようにきれいになりますよ!」

ニセアリス「写真と違う!写真ではこんな草はなかった!」

セールスマン「植物はどうしても生えます。しかたないです。あの写真は2年ぐらい前に撮られたものですから。」

ウサギ「それにしても生え方がすごいですね。2年でこんなに?」

セールスマン「植物は生えるのがはやいんです。」

セールスマンは植物を切り倒しながら進みました。
ですが、いつまでたっても建物に着きません。

アリス「確かに広いお庭ですね。」

セールスマン「広いです!すごく広いですよ!ここはお庭が広いことも魅力の一つです。」

アリスたちは植物を切り倒しながら奥へ奥へと進みました。





やがて重厚な作りの「扉」が見えました。
確かに古い時代の物に間違い無いようです。けっこう当時は良い物だったのでしょう。かなり美術的なデザインです。でもアリスはそれは声に出しませんでした。

ニセアリス「写真と違う!」

ニセアリスは玄関の写真を指さしました。それは立派な玄関扉の写真でした。
そこには庭の観賞用の植物も写っていましたが、扉が隠れるほどの植物は写っていませんでした。

セールスマン「いえ、同じ物ですよ!」

写真では綺麗な扉ですが、今目の前にあるのは汚れが着いた扉でした。なんだが色も違う気がします。

セールスマン「これは”汚れ”ですよ。綺麗にお掃除すればその写真の通りになります。」

アリスが写真と見比べてみますと確かに写真と同じ形の扉でした。
でも印象はかなり違います。





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 ACT.14


ウサギさんがアリスにささやきました。

ウサギ「うそではないようですね。でもこの扉、かなり汚れてますよ。」

ウサギさんは見上げました。なにやら草に覆われた建物が建っていました。
それはとにかく大きな建物でした。まるでお城のようです。横方向にかなり広がっていました。

アリス「はあ~~~~~。」

しかし辺りは植物でうっそうとしていました。ツタが全体にからんでいました。そのため、部分的にしか建物の外側のようすはわかりません。
目の前にある「扉」は頑丈な作りのようで、とにかく古いタイプの物ですが、英国のお屋敷にあるように今でも充分魅力あるデザインです。きっと建物の方もそうなのでしょう。

アリス「たしかに素晴らしい建物のようですが。」

セールスマン「まあ、”お安い物”にはそれなりの理由があるのです。
ここはまずお掃除をしなくてはなりません。」

アリス「”お掃除”ですか?」

セールスマン「まあ、植物なんてどこの中古物件にも大なり小なりあるものです。」

アリス「……………………。」

ウサギ「ところで”中”に入りたいのですが。」

セールスマン「は?”中”と言いますと?」

ウサギ「建物の中はどうなっていますか?中を拝見したのですが?」

セールスマン「ああ、この中のことですか?」

ウサギ「そうです。屋敷の中のことですよ!」

セールスマンが急に乗り気な口調でなくなりました。

セールスマン「はあ、それはですね。
お金を頂いてからカギをお渡しするシステムになっておりまして。」

ウサギ「でもお金を渡す前に、念のため屋敷の中を一度見てみたいのですが。」

セールスマン「そう、言われましても……、格安の物件ですのでそれはご勘弁を。」

ウサギ「”格安”と言っても建物と土地を買うのだから高いですよ。中を見ないで買うのは危険です。」

セールスマン「実はそう言った販売方法ではないのです。これは”倒産物件”ですので。」

ウサギ「はあ?」

セールスマン「私は”丸ごと”仕入れて、”丸ごと”別の方に売るのです。
これはつまり”借金のかた”に取られた物件なのです。」

ウサギ「はあ。なるほど。それとカギとはどんな関係が?」

セールスマン「私の方はまだカギを持っていないのです。」

ウサギ「は?カギを持っていない?」

セールスマン「はい。相手の方にお金をお渡してからカギを受け取るのです。
今回、私は”仲介”だけをしてますので、まだ相手の方にお金を渡していないのです。」

ウサギ「なるほど。」

セールスマン「だから非常にお安いのですが、何があっても”ノークレーム・ノーリターン”を守って頂かなくてはなりません。」

ミルキー「”のうくりーむ・のうりたん”?」

ニセアリス「それを言うなら”ノークリーム・ノーシュガー”!
つまり、”クリームも砂糖もいらない。ブラックで!”という意味だ。」

アリス「違います。」





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 ACT.15


ウサギ「”ノークレーム・ノーリターン”と言いますのは、
”この物件になにがあっても今後いっさいクレームはつけられない”ということです。
また”返品”することも出来ません。」

セールスマン「その通りです。私も中は見ておりませんし、前の所有者の方から特別な何かを聞いているワケではありません、いわば私の方もチェックしていない物件です。」

アリス「え?そうなのですか?」

セールスマン「ええ、先ほども言いましたように私は”仲介業”なのです。あなた方からお金を頂いてから相手の方からカギを受け取ってきて、そちらにお渡しするだけなのです。」

ウサギ「ふうむ。」

アリス「……………………。」

ニセアリス「なんだ。たったそれだけのことで金を得ているのか?
じゃあ、安くしろ!”ぼったくり”は許さん!
どうせ相手から安く買ったのだろう?
いくらだ?」

セールスマン「私どもはぼったくりはいたしません。
私どもの売り方はいわば”薄利多売”方式なのです。」

ミルキー「アリスタン、”はくりたばい”って?」

ニセアリス「”ぼったくりばいばい”を縮めて言った言葉だ。」

ミルキー「ふうん。そっか。」

アリス「ミルキーさんに嘘を教えないでいただけますか?」

ウサギ「”薄利多売”と言いますのは、”安く大量に売って利益を得る”方式の事です。
商品ひとつひとつの販売利益は少なくとも、多く売ることでそれなりの利益を得る販売方式の事です。」

ミルキー「ふうん。」

ミルキーはウサギさんの言う事にうなづきました。


ニセアリス「ところでこの家はいったいいくらなんだ?
薄利多売というからにはドーンと安いのだろう?」

セールスマン「はい、200万ゴールドポッキリです!」

ニセアリス「なに?200万ゴールドだと?」





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 ACT.16


セールスマン「捨て値でも3500万ゴールドはくだらない物件です。
通常なら5000万ゴールドはします。」

ニセアリス「でもアタシはせいぜい300ゴールドの物を頼んだんだ!」

そう言いかけたニセアリスの口をウサギさんがふさぎました。
ウサギさんはとても恥ずかしそうでした。

ウサギ「わかりました。
たしかにお安いですね。ですが、今日はここにはお金は持って来ていません。
一応現物を見てから最終的に決めたかったのです。」

セールスマン「なるほど。ではいつ入金されますか?
あの電話のお客様もきっと”キャンセル待ち”をなさいます。
もし明日までに入金がなければ、自動的にキャンセルとなり、次の順番のお客様が買う事になります。」

ウサギ「わかりました。では明日までになんとかします。」

セールスマン「では、明日いっぱいお待ちします。」






こうしてアリスたちは一度家に帰ることにしました。
途中セールスマンと別れて、アリスたちは駅に向かいました。

ふいにニセアリスはウサギさんに手を出し、「200万ゴールド」と言いました。

ウサギ「はあ?」

ニセアリス「200万ゴールドだよ!」

アリスはそれを無視してウサギさんに聞きました。

アリス「あのお屋敷が200万ゴールドならお安いですか?」

ウサギ「通常で考えれば”格安”です。
いえ、”激安”ですね。あり得ないぐらいの。
あのような建物が200万ゴールドで買える筈はありません。」

アリス「そうですか?!」

ウサギ「しかし、不動産には”落とし穴”がある事もあります。
う~~~~~ん。
でも、それにしてもお安いですね。」

アリス「……………………。」

ウサギ「確かにこれを逃すと二度と手に入らないかもしれません。」

アリス「そうですか?!」





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 ACT.17


アリス「そうですか、そんなにお安いのなら買ってもいいかもしれませんね。」

ウサギさんは女王のお城の必需品の仲買をしているプロ中のプロの仲買人なのです。そのウサギさんが言うので確かに良い買い物かもしれません。

ニセアリス「”買っていいか”ではない!この屋敷はアタシがすでに買ったんだ!
だからアタシの物だ!」

アリス「でもニセアリスさん、お金はどうするのですか?」

するとニセアリスはまたウサギさんに「200万ゴールド」と言いました。

ウサギ「なんですか?僕に”200万ゴールド”って?」

ニセアリス「いいから!200万ゴールドだよ!!」

アリス「ニセアリスさん!」

ニセアリス「チッ!じゃあ10万ゴールド貸せ!それで金を作ってくる!」

アリスはにらみました。

ニセアリス「じゃあ、1万ゴールドくれ!それで作ってくる!」

ニセアリスがあまりにも強く言うのもですから、アリスは”へそくり”の1万ゴールドをニセアリスに渡しました。





ニセアリス「うっしゃしゃしゃしゃーーーーーー!!!」






ニセアリスは1万ゴールドをわしづかみにしてアッと言う間にどこかへ消えて行きました。

ミルキー「ああ、アリスタン、あんなヤツにお金を渡しちゃダメだよ。きっとかえって来ないよ。ムダに使われるだけだよ。」

アリス「ところでミルキーさん、”あんなヤツ”なんて言葉を使ってはいけません。」

ミルキー「ギクッ!」

アリス「ふう。でもウサギさん、200万ゴールドなんて大金どうしましょうか?」

ウサギ「うう、まあその…………、
200万ゴールドならなんとかならないこともないんですが…。、
でも気になりますのはあの物件が本当に200万ゴールドかどうかです。」

アリス「まあ、やはり200万ゴールドでは安すぎますか?」

ウサギ「そうですね。本当に200万ゴールドで買えるならお買い得なのですが。
なので一応調べて見たいと思います。」





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 ACT.18


こうしてアリスたちはお家へと帰ってきました。
そしてウサギさんはニセアリスの高速パソコンを使ってなにやら調べ始めました。
そして……、

ウサギ「見つけた!」

ウサギさんは何かを見つけ、電話をかけました。

ウサギ「どうも、とつぜんお電話をおかけいたしまして。
わたくし、ウサギの”ウイリアム”と申します。」

そして電話の相手と熱心に話し始めました。

アリスはアリスで別に調べ始めました。






夕方、日も暮れかけた頃、ニセアリスがアリスたちのお家に帰って来ました。

ミルキー「あーーーーー!アリスタン!
”アイツ”が帰って来たよ!
アリスタンのお金をつかんでとうそうした”ボロゾウキンが”帰って来たよ!!」

ミルキーはテレビドラマの犯人に対して言う刑事のセリフをマネて言ったようでした。

アリス「まあ、ミルキーさん!なんて言葉づかいですか?!
”アイツ”とか”ボロゾウキン”なんて言葉を使ってはいけません!」

ミルキー「ギクッ!」

ニセアリス「ふう!
人のことを”ボロ”呼ばわりするヤツの方が真の”ボロ”なのだ!」

ミルキー「なあにいいいい!!」

アリス「ミルキーさん!ニセアリスさんの相手になってはいけません!」

ミルキー「だって!」

アリス「しまいにはミルキーさんもニセアリスさんと同じような言葉使いになってしまいますよ!」

ミルキー「そっ、そんな!」

ミルキーがあまりにもショックを受けたような顔をしたのでニセアリスは、

ニセアリス「アタシをそこの”役立たず”といっしょにしないでくれ!
そんなヤツといっしょにされるとは”心外”だ!
そいつは一日中しゃべっているだけで何の役にもたたないが、
アタシは今日だけで11万ゴールドかせいだ!」

アリス「え?」

ウサギ「え?」

ニセアリスは大金を見せました。
本当に11万ゴールドありました。

アリス「どうしたんですか?このお金は?」

ニセアリス「かせいだんだ!」





ここで特別編 『アリスの大豪邸』 ACT.19


アリス「どうやってかせいだのですか?」

ニセアリス「言わない!」

アリス「言いなさい!」

ニセアリス「商店街に”子供用パチンコ”がある!」

アリス「は?」

ニセアリス「それで勝つと最高1万ゴールドの商品券がもらえる!
それを金券ショップに持って行くと………。」

アリスは思わず目をつぶりました。

アリス「……………………。」

ウサギ「明日入金ですが、11万ゴールドではぜんぜん足りませんが?」

ニセアリス「元手と合わせて12万ゴールドある!」

ウサギ「はあ、しかし、それでもまったく足りませんが?」

ニセアリスはウサギさんに手を出しました。

ウサギ「なんですか、その手は?」

ニセアリス「あと、188万ゴールド!!」

アリス「ニセアリスさん!」

ウサギ「あのう……、実はあの物件は200万ゴールドではないことがわかりました。」

ニセアリス「なに?!!」

ウサギ「時間をかけて調べました。
あのお屋敷は200万ゴールドですが、”土地”は別なのです。」

アリス「え?」

ウサギ「つまりあれはお屋敷の”建物のみ”の販売であり、その価格です。それを買っても土地は別の方の物なのです。」

ニセアリス「はあ?」






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