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BLUE ODYSSEY

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小話  屋台その2  VOL.141


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2005.12.04
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 タッキーは棺おけの中に寝転がりました。脱力感があったのです。
それと落ち着いて考え事をしたかったのでした。
でも寝転がるとすぐに眠りに落ち、昼寝を始めてしまいました。

 夢の中でミッチーに会うタッキー。幸福そうにミッチーは笑っていました。タッキーが夢から目覚めると、枕が涙で濡れていました。今、ようやく胸の奥に悲しさがひしひしと伝わって来ました。そしてこのような結果になってしまった事について深く考えました。


 その後タッキーは棺おけから出て、軽く髪の毛の寝癖を整え、コーヒーを1杯すすりました。それから”黄金の家”を出て、すぐにアリス達が座っている”憩いのテーブル”に戻って来ました。時刻はもう夕方頃でしょうか?
そこでは、椅子に座ってアリスとミルキーがモグモグに餌をやっていました。楽しそうです。
ニセアリスはテーブルの上のタッキーのパソコンを勝手に使って、例の怪しい掲示板を見ています。
ウサギさんは今日はもう仕事から帰れたようです。テーブルの所におらず、クッションの上で寝ていました。
平和そうです。ところでまたアリスはタッキーが寝ていたすきに、ミッチーを探しに行ってくれたのでしょうか?タッキーはそれは聞く事ができませんでした。
それよりも今はある事を決心したので、そちらを話す方が先でした。


タッキーはアリスが座っているすぐ横の席に腰掛けました。そしてアリスにこう言いました。

「あの、”黄金の家”を差し上げます。」

そして”黄金の家”の鍵を差し出しました。

ゴトリ!

アリスはこの突然の出来事に大変驚きました。

「え?」

アリス  「”黄金の家”をですか……?でも、なぜです?」

タッキー 「ミッチーがいなければ……あの家は不要です。僕にはやっとそれが分かりました。あの”黄金の家”はミッチーがいればこその家だったんです。今、あそこには苦しい思い出があるだけです。それに僕にはあの家の代わりになる安物の棺おけがあります。一人身にはあれで充分です」

アリスはその鍵を手に取りましたが……、タッキーの手に返そうとしました。

アリス 「これはもらえません。ミッチーさんが帰って来たら困るでしょう。」

タッキーは少し笑って、

「そうですね。ミッチーが困るかも知れません。
それなら……、もし、ミッチーと会うような事があったら、この鍵を渡してやってください」

タッキーはなおもアリスに鍵を差し出しましたが、アリスはもう受け取りませんでした。

アリス  「いいえ、この鍵はやっぱりタッキーさん自身でミッチーさんに渡してください」

アリスは真剣な表情でした。



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小説目次 

→第1話~第14話
→第15話・第16話
→第17話~





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Last updated  2007.07.09 04:42:14
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