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テーマ:短編小説を書こう!(490)
カテゴリ:不思議の国のアリスとニセアリス
アリス 「やはりメルヘンみたいなお話がいいですよ。絵本にするのですから」
ニセアリス「アタシはこういうのを考えるのは得意なんだよ! 1つおもしろいネタを提供しようじゃないか!!!!」 アリス 「……………………またですか?! 考えるのはいいのですが……、 キチンとファンタジックな物にしてくださいね!」 ニセアリス「ああそうだな。では、こういうのはどうだろうか? ……人気の無いガランとした深夜の通勤電車車内に、1人の疲れた学生が座っていた。」 アリス 「ちょっと待ってください!」 ニセアリス「何?」 アリス 「また”通勤電車”ですか?!もっとファンタジックな設定でお願いします! 海とか公園とか水族館とか遊園地とか……」 ニセアリス「いいや、これだってじゅうぶんファンタジックだよ! まあ、続きを聞いてよ! その学生は疲れて電車の長椅子に深く腰掛けていた。 すると……、 その時、 隣の車両から、 なにやら、子供たちがギャースカ言っている声が聞こえた。」 アリス 「……………………。(;-_-)」 ====================================================================== 「こんな深夜の列車に子供たちが乗ってるなんておかしいな?」 学生はそう思った。 でも学生は疲れていたので、最初はその声をそんなに気にもせず放っておいた。だが、子供達の会話の内容をよく注意して聞くと、”誰かをイジメている”ような感じだった。 そこでだんだん気になってきた。 子供「こいつ生意気なんだよ!このこの!」 ドカドカドカ! ? 「たっ、助けてくれえーーー!」 子供「いじめてやるぜ!!!」 ドカドカ!バキッ! 人を殴る音のようなものが聞こえてきた。そこで学生は立ち上がって、隣の車両の様子を見に行く事にした。 子供 「このやろう!!!お前を見てると、うっとおしいんだよ!」 ドカドカドカ!バキッ!バキッ!ゲシッ! ? 「うわーーーーーーーー!!」 そして学生は隣の車両との連結部分から、向こうの車両に入って行った。 そこでは数人の子供達が、床に倒れた”誰か”を囲んで、足蹴にしているようだった。何人もの子供たちの足の隙間から、倒れている”誰か”をよく見てみると……、 それは”人”ではなく……、 大きな……、 ”亀”だった。 学生は子供たちの集団に向かって歩いて行った。 ドカドカドカ! 学生「いじめるのは止めろ!!」 学生は怒って大きな声で注意した。 すると……、子供達は一目散に隣の車両へ逃げて行った。 床には殴られた跡のある大きな亀が横たわっていた。 体長が1メートル以上もある大きなウミガメだった。 亀はぐったりしていた。 「(死んでいるのか?)」 学生は思わず亀に声をかけた。 「大丈夫か?!」 すると……、 なんと不思議な事に、 亀が学生に向かって喋りだしたのだ。 ウミガメ 「あっ……、ありがとうございます、学生さん。 私なら、しばらく休めば大丈夫です。 ところで……、助けていただいたお礼に、貴方を竜宮城へお連れしたいと思うのですが……」 学生 「りゅっ、”竜宮城”?」 ウミガメ 「貴方は心のやさしい方ですので、ぜひ、私達の竜宮城へお連れしたいと思います。」 学生 「でっ、でも、俺。これから家に帰るとこなんだけどな。”竜宮城”に寄ってたら何時に帰れるか分からないよ」 ウミガメ 「心配いりません。”竜宮城”はすぐ隣の車両の中にあります。」 学生 「隣の?」 学生がこの車両の奥の連結部分を見ると、先の車両では、なにやら宴会列車の中ような酒盛りが行われていた。さらに、その車両の中だけ、他と違って明るい光で満たされていた。 そこで学生はフラフラとその車両の方に歩いて行った。連結部分から中を覗き込むと……、そこでは綺麗な乙姫様たちが舞を踊っていた……。 そのうち、1人のかわいい乙姫様が学生に気がついて、彼の所まで歩いて来た。そしてこう言った。 乙姫様 「あっ、こちらの車両を利用される場合は、座席指定券の他に”玉手箱”が必要です」 ====================================================================== アリス 「……………………?????(;-_-)」 ニセアリス「なっ!ファンタジックだろ?」 アリス 「なぜ、通勤電車がたびたび出てくるのです。」 ニセアリス「そりゃあ、『電車○』のヒット以来、”ファンタジーと言えば通勤電車”と言うぐらい今ではメジャーな設定だよ」 アリス 「……………………。 すみませんが、そのお話はちょっといいです。おいときましょう。 もっとファンタジックな設定の方が絵本にしやすいので。 その方が絵本の画面が綺麗になりますから」 ---------------------------------------------------------------------- 目次 →第1話~第14話 →第15話・第16話 →第17話 →第18話 →『番外編』 →マンガ『ミルキーとブランコ』 →マンガ『連れ去られたミルキー』 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.07.09 05:11:21
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