2005/07/13(水)14:03
自分を信じてください
「旦那、どうかご自分を、ご自分の可能性を信じてくだせえ、そして恐れないでくだせえ。
貴方には信じているもの、信じる意味が、信じる未来がある。
貴方の限界づけられた海に新しく懐かしい宝石が生まれつつある。
あっしはそれを感じています。それで十分なはずです。」
瞬間、様々な嘲笑が彼をよぎった。弱気に纏われていく。
目を伏せたまま、それでも彼は、自ら紡いできた祈りを絞り出すように反復するのだった。
「……旦那は、何も賞賛されねえかもしれねえ。
誰からも、感謝されねえかもしれねえ、
誰にも、覚えてもらえねえのかもしれねえ。でも……」
顔を上げる。美しいとしか形容できない、笑顔。
「でも旦那、それが何だというのでしょう。旦那には夢がある。
闇の中でも鮮やかに蘇る、色彩豊かな美しい夢が。」