青い空の下で

[アメリカの断片] カテゴリの記事

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• 人様の家に住む

  今、人様の家に住んでいる。３月まで住んでいたアパートは引き払い、夫が単身者用のアパートに移った今、親子４人が暮らすわけにもいかないので、一軒家を借りたのだ。バケーションレンタルという仕組みで、アメリカだけでなくヨーロッパでも一般的に行われているらしいけれど、特に夏休みなどまとまって家を空けるときに２週間から３ヶ月位で家を貸すのだ。こちらは又貸しは全然かまわないので、持ち家だけではなく学生も帰郷の間貸すし、一家で旅行中に一軒家を貸したりもする。価格も寝るだけでよければ４００ドル位から３５００ドル、保証金５０００ドルなんていう家もある。アメリカへの赴任が決まった前年の夏休み、下調べを兼ねてやはり家を借りたのだけれど、そのときは相当半信半疑だった。だって、見ず知らずの他人に鍵を渡さないでしょ。日本人ならば。インターネットの広告を見て、メールでやり取りして、家賃と保証金を振り込んで、現地の知人に大家さんと会ってはもらったけれど、後は訪ねて行って、初対面の私に鍵を渡して、じゃね、って、いいの？それで？？？こちらでは日本のように簡単に合鍵を作るサービスがないんだけれど、それにしても心配はないのだろうか。セキュリティの問題はさておいても、完全な赤の他人にベッドや食器やを使わせるというのも、日本人なら普通はしない。若くてお金のない学生ならともかく、月３５００ドルの家に住む人は絶対しない。何か持っていく必要のあるものはあります？シーツとかバスタオルとか全部そろっているわよ。何でも使って！西洋人はプライバシーを重んじるというけれど、軽重の問題ではなく性質がちがうんだろうとそれ以来思っているわ。私にとっては人様の特にアメリカ人の暮らしを知る上ではとても貴重な体験なのだけれど、、、

  2005/08/01

• 進路説明会

  姉娘の高校の進路指導会に行ってきた。もちろん、今月中に帰国するので関係ないのだけれど、こっちのってどんな？という好奇心。卒業後の選択肢にmilitaryが載っているところがアメリカだな、などと思うこともあったけれど、この地域ではほとんどの生徒は大学もしくは短大へ進む。説明も主にそこが中心で、大学入学の条件について多くの時間が割かれた。こちらの大学の入学資格は高校在学中の単位数と成績内容及び、SATという日本でいうところのセンター入試の成績でほとんどが決まる。後は面接、高校からの推薦等もあるが参考程度らしい。高校卒業に必要な単位と大学が認める単位は違う、Ｄでは卒業はできても、大学受験条件の単位数にはカウントされませんよ、とか、近隣の人気校の名前をあげて、ここはSAT1だけだが、ここはSAT2が要求されるというような内容が続く。（SAT１は英語と数学、２は各科目の試験）アメリカに来るとき地元の学校の情報を見るとよく、このSATの平均点が出てきていた。公立校がレベルを競うというのは日本ではないことだけれど、こちらでは実にはっきり出てくる。すごいのはそれが不動産の価格にまで跳ね返ることだ。今住んでいる所は学校が良いというのが最大の人気理由で、通り１つ隔てて学区を外れると２～３割は家賃が安い。卒業に必要な単位は２２０なのだそうだ。単位は半期毎に１教科で５単位の計算なので、１日に６科目取って（アメリカは毎日同じ時間割）年間で６０単位、４年間（こちらは高校が４年）で２４０単位は取れる計算だ。ただ、Ｄもしくはそれ以下になってしまうこともあるわけで、その場合はサマースクールに参加するか、１日７科目まで取れるのでそれで頑張って単位を稼ぐことになる。どちらも大変だ。アメリカは地域格差が大きいからアメリカではとはなかなか言えないけれど、少なくともここで経験したことから言えば、日本の子供は勉強付けだというのも、学力だけにしか価値を置かれないというのも全くの間違いだ。私が大学を受験した頃は多分そうだったのだろう。その頃、苦労した親達がそれなりに考えた結果がゆとり教育だったのかもしれない。姉娘は毎日の宿題をやるだけで２，３時は珍しくない。もちろん、英語のハンデが大きいのだけれど、そうでなくても多分１０時、１１時頃まではかかるだろう。日本の学校では理科や社会の宿題なんかなかった！と言っている。確かに、数学、英語は毎日のように宿題が出たけれど、理社となるとテストの間に簡単なレポートが出たくらいかな。こちらでは生物と世界史を取っているが、毎日ではなくても少なくても２日に１回はどちらか宿題があるので、宿題は毎日３科目（数学、英語と理社どちらか）が普通だ。それ以外に毎週のようにクイズという小テストがあるのでそのための復習も欠かせない。姉娘は今、体育や美術のように宿題がほとんどないクラスもあるからこの程度だが、これがないと日本の受験生にも全く劣らない量の勉強をしているはずだ。これだけの勉強量が社会人としてどれだけ必要なのかという議論はあるとしても、日本は勉強量が多いと思い込みはなくなったな。

  2005/03/17

• 学校をcheck out & 買出し

  日本に帰る日も近づいたので、学校に行って転校の手続きをして来た。親が記入するものは何もなくて、最終日の朝、子供が事務所に行きチェックアウト・シートをもらい、それを持って最後の授業の時に各先生にサインをしてもらって、教科書を返す。それを放課後、事務所に持って行くとチェックアウトが完了なのだそうだ。学校をチェックアウトか。check outには退職するという意味もあるから不思議はないけれど、やはり違和感。日本語は退職、退学、退所、退社、それぞれ言葉があるものね。ここのところ、忙しかった夫が昨日で一区切りついて買い物に一緒に行ってくれた。アメリカでは週末のまとめ買いが普通と言われているけれど、想像以上の量になる。まとめ買いなんて不精なことするからと私の母なら言うかもしれないし、まとめ買いは日本でもやっていたことなのだけれど、こちらは物の大きさが違う。最もよく買う、牛乳、オレンジジュースが１ガロンで、これは約４リットル、日本のパック４つ分になる。それを１つずつ買っても８本なのだけれど、こちらのスーパーはよく buy one,get one free（１つおまけ）というのがあって、これに当たるとさらに４本分が増えることになる。パック１２本買うって言うことは日本ではない！一度、とても運べないと思って１本しか持って行かなかったら、レジでこれはもう１本付いて来るんだから持ってこいと言われ、いや、いらないんだ、と言ったらよく分かっていない外国人だと思われたらしく、これはただなんだと繰り返し説明され、結局取ってきたことがある。洗剤も１．５ガロンだし、トイレットペーパーなんかも日本の倍はあるし。これは住宅の保存スペースにゆとりがあるからなんだな。ほんと、男手があると助かるの。

  2005/03/15

• ある少年犯罪の判決

  今日のラリーキング・ライブはある少年犯罪の判決だった。１２才の時に祖父母をライフルで撃ち殺した現在１５才の少年の判決は懲役３０年。ドラッグで錯乱しての犯行と聞いて、１２才でドラッグかと思ったが、鬱ぎみだったことでちゃんとした医師から処方されたものだったそうだ。それに、ドラッグが原因とは認められなかったわけだけれど。犯行と判決内容は十分衝撃的だけれど、番組を見ているとこちらの人ってどうしてこういうときにカメラの前で平静に話せるのだろうと思う。もちろん、それなりの感情を見せながらのことではあるのだけれど、少年の父（殺されたのは彼の両親）、姉、母方の祖父母に叔父叔母まで親戚一同が生放送で少年のこと、家族間の問題、殺された祖父母のこと、どんな質問にも答えている。話したくてなのか、話すべきだと思っているのか、、、子供の頃からの教育の賜物と感心する気持ちと感情的に違和感を感じる気持ちの間で落ち着かない。日本で起こった衝撃的な少年犯罪はどれ程、マスメディアのページを割いて語られようと私は彼らの顔を見ることも肉声を聞くこともない、異国で判決に嗚咽する色白でおとなしそうな被告少年の横顔を見ながら、そんな考えが頭を過ぎった。表現といい、裁判のあり方といい、量刑といい、これほどの隔たりは文化の違いだけでは片付けられまい。多分、どちらかがというよりは、どちらもどこか間違っているんだろう。

  2005/02/15

• 今日はバレンタインデー

  アメリカにいるのだからとシーズキャンディの店に買いに行った。やはり、かなり混雑していた。といっても、日本のこの日とは比べ物にならないけれど、、、バレンタインにチョコを送るのは、それも女性からの告白の意味を込めてというのは日本のチョコレート屋さんの陰謀というのはよく知られた話しで、アメリカでは恋人、家族、友人を含めて、主にカードでお互いの愛情を知らせあう日だけれど、やはり、メインは男性が恋人に贈り物をして愛情を示すものらしい。夫が職場で女性の同僚に日本ではこうなっていて、と話したら、なんとマッチョな！そんなことは男の陰謀に違いないと言われたそうだ。マッチョですか。こちらではチョコだけが主役ということではなく、シャンペン、花束などが目に付く。この３つは記念日をゴージャスにしたいときの定番だから、今日だけ出番が多いと言うことでもないのだけれど、それでもバレンタインはチョコという組み合わせはありで、アメリカン・アイアンシェフでも“今日の素材”はチョコだった。そう、かって一世風靡した料理の鉄人のアメリカ版です。キッチンスタジアムの作りも司会が最初にパプリカをかじって見せるところも何もかも同じ。もともと、日本人向けに一部で放送されていたのが人気を呼び、リメイクされたというけれど、このパプリカをかじるところは特に子供に大うけだったのだそうだ。それにしてもバレンタイン前の日本のデパ地下のチョコはすごいなと改めて思う。世界チョコ博というものがあるとしてもあれ以上の品数はないのではないだろうか。日本におられる外国の方は是非、足を運ばれるといいと思うわ。

  2005/02/14

• コストコで薬を買う

  胃潰瘍になったことがあったので、こちらでも薬をもらっているのだが、先日病院に行って、処方箋をお願いしたときのこと、お医者さんがこの薬なら処方箋無しでも買えるし、コストコ（こちらではカスコーと聞こえる）で買うと安いと、教えてくれた。通常の薬局で買う値段の５分の１で買えるのだそうだ。私はコストコのことはこちらへ来て初めて知ったのだが、日本でも既に、何件も店があったんだ。まとめ買いの安売り店だけれど、ほんと倉庫みたいな店だ。教えられて行って見たのが日曜日で薬局がしまっていて買えなかったのだけれど、サプリ類も結構安そうだ。今度、じっくり値段をチェックしてみよう。それにしても、安売り店をお医者さんに薦められることって、日本では皆無だろうと思うのだけれど、こちらのお医者さんは保険やら、費用のことをとても心配してくれる。というか、費用が払える人かどうかという心配もあるのね。アメリカには国民健康保険がないから、かなりの割合の人が病院の支払いに問題を抱える。日本だと治療法は医師が決める、アメリカは話し合って決めるとよく言われることだけれど、話し合いの選択肢の中に重要な位置を占めるのは、治療費がらみのことも多いのだ。この治療方法は有効だがあなたの保険会社はカバーしているか、とか支払いに問題があるなら、血液検査の項目を減らそうとか、いう話になるらしい。先日、テレビでミッションインポッシブルをやっていたときのこと。トム・クルーズ扮するスパイが二重スパイの疑いをかけられたのも、彼の父親が長患いの末、死に実家が経済的に困窮していたからで、その時の上役のセリフ、「アメリカでゆっくり死ぬということは大金がかかる」そうなんだね。明日から２週間、日本へ帰ります。久しぶりの日本なので、楽しみです。それまで、皆様もお元気でお過ごしください。では！

  2005/01/24

• 雨続きのカリフォルニア

  母から電話がかかってきた。カリフォルニアの大雨のニュースを見て心配したらしい。このところ確かに雨続きだ。クリスマスの頃からかれこれ２週間くらいだろか。このＨＰのトップにいつも青い空の下でと書いてあるけれど， やはりこういう天気の時期もあるのかと思う。天気予報はずっと雨、ただ、実際は妙にカラッと晴れて、おっ、雨も終わりかな、と思うとまた降るといった具合で日本の秋の長雨とも様相が違う。慣れない土地は天気の見当もつけにくいわ。この１５日間で１７インチの降雨量だと言っていたから、確かに多いことは多いか。加えて、もともとが雨の少ない地域だけに町も人も雨に弱い。幸いこの辺りでは目立った被害はないようだけど、下水はあふれて道路が半分水浸しなのは珍しくないし、自動車事故がものすごく増える。朝のラジオを聞いているとそこらじゅうで事故が起こっているような感じがする。ところで、気になるのは雨が激しくなると電灯がまたたきをするのだ。ざっーと激しくなったなと思うとまたたく。風は別に強くはない。雷が鳴ることもない。でも、またたく。かなりの確率でまたたく。激しいと言ってもむろん台風の比ではなく、ちょっと強いねという程度の降りなのに、なんか電気系のインフラの弱さを感じる。いや、きっと電気に限ったことじゃないんだろう。子供の頃、台風が来ると停電に備えましょうと言われた。実際に停電になった。でも、最近ではこの異常気象で異常にすごいという台風が来ればともかく、普通は台風でも停電にはならない。それは大変すばらしいことではあるけれど、それにはそれなりの費用がかかっているはず。他の国ならいざしらず、ここはアメリカ。世界一富める国と自他共に認める国にあって大不況とはいえ、日本の豊かさを感じることが多いのは、それは逆に日本が途方もなく贅沢であるということの裏返しなのだろう。もちろん、アメリカは豊かだ。電気というなら電気料金の安いこと。今の季節、暖房をすべてまかなって、かつ、こちらでは洗濯物を外に干せないのですべて電気乾燥機で乾かしているけれど、それでもガス代と合わせて（ここはガスと電気を同じ会社が供給している）月に１００ドルに行かない。でも、アメリカは豊かであって当然の恵まれた国土がある。そこと負けず劣らずの豊かさを享受していられる日本の社会、いろんな面で無理をしていて不思議ないか。

  2005/01/12

• 学校で日本語のテスト

  先週の金曜日のことだが、姉娘が学校で日本のテストがあった。むろん、姉娘には不要な心配なのだが、母国語が確立しないうちにこちらへ来た子供の母国語の発達を調べるために行われるとかで、こちらへ来て長い日本人の人が出てきて、絵を見ながら質問したり、簡単な文を書かせたられたりしたのだそうだ。アメリカは英語を話さない国民も多いし、国民でない居住者も多い。だから、ESLをはじめとする英語教育が発達しているわけだけれど、随分きめ細かいものだなと改めて感心した。ここカリフォルニアは中南米、アジアからの移民が多いため、英語能力に制約のある LEP(Limited English Proficient)と分類される生徒が全公立校の約４分の１にもあたるのだという。特に比率の大きいスパニッシュ系言語を話す児童に対しては母国語と平行した二言語教育が行われているところもある。もちろん、こういうことに予算を使うことに対してアメリカ国内に反対意見もあり、ある上院議員は本気で学ぶ気があればアメリカに来て、３ヶ月もあれば英語なんかマスターできる！故にESLクラスなどは不要と叫んで予算の削減を求めている。これを聞いた姉娘、「じゃ、その人、日本へ来たら３ヶ月で話せるようになるっていうのね！そういうことができたらあたしだって頑張ってやるわよ！」と怒っていた。まっ、それに関してはおいておくとしても、種々の背景事情があるにせよ、この種の教育に多額の費用を費やしているのは太っ腹だと思う。学校以外でも地元のアダルトスクールにも英語教室があって、これは誰でも無料なのだ。本気でこちらで留学という人が通うところではないけれど、１日３時間、週３日、希望すれば午前と夜の２コース英語漬けでもＯＫというのはまるっきり英語が話せないで来た人には大きな恩恵なのは疑いない。日本では日本育ちではない子供が公立校に入ることは珍しいことだから、学校にESLをとは行かないだろうけれど、外国人の多い地域に無料の日本語学校くらいあってもいいな。日本語を理解する外国人が増えることはとてもいいことではないか。ところで、姉娘、「その試験してくれた人ね。”てにおか”がくるっていたよ」君、人様のことを、、、でも、長くいると大人になってきた人でもそうなっていくのは避けられないのね。

  2005/01/11

• 冬のローライズ

  日本でも流行のローライズ。こっちの方が着ている人がちょっと多いような気がしていたのだけれど、多分日本と違うんじゃないかなと思うのは真冬でも着ている人がすごく多いのだ。かつ、ほとんどの人がおなかが出ている、、、、まあ、ミニスカートだって流行となればどんなに足が太い人でもはくのが当たり前だから不思議ということはないんだろうけれど、この寒いのにおなかが寒風にさらされている！って思うとこちらが冷えを感じてしまうわ！いくら温暖なカリフォルニアといっても冬は冬、寒いのよ！こちらの人はやはり太め。ローライズをはく若い層は中年層の太り方とは違うけれど、しかし、見事におなかが出ている。ジーンズの上にむっちり突き出ている。突き出したいがためにそこを開けている思えるくらい出てるぞ。これを見ている姉娘、年頃もあるのだろうけれど、こちらへ来てから体重に神経質になっている。人はここまで太るのか！っていうことを日々、見せ付けられているからなのだという。不思議と思うのはスーパーなどに行くと低脂肪、無脂肪をうたった製品は山のようにあるのに、糖分控えめというのが少ないことだ。姉娘は朝はシリアルと決めているのだが、ほとんどのシリアルはどっぷり砂糖にくるまっていて、全く食べられない。オーガニック食品店に行けば、糖分添加のないものが売ってはいるのだが、そういうのはまた、加工の度合いが少なすぎて、子供的にはきつい（すごくよくかまなくてはいけないとか、それはもちろん健康にはいいことなのだけれど）ものが多いので、いつも選ぶのに苦労する。君の食べ方程度ではどうやったって、ああはなりませんよ。安心して！

  2005/01/07

• Tsunami

  インド洋大津波が発生して１週間、ＣＮＮのニュースは９５％が津波のニュースで占められ、イラクのことさえ、ほとんど画面には出てこない。津波はそのまま、Tsunamiと伝えられるのだ。ここによく来てくださるポンチョさんに教えていただいたところによれば２０世紀の初めに英語化されたという。地震学の用語はどの位日本語からでているのだろう。この言葉を知る人はそれ程多くはなかったろうけれど、この１週間で世界中で広まったわけだ。インドネシアというのはアメリカにとって相当遠い国のはずなのに、報道の内容を見ているとよその国の出来事という境をあまり感じない。アメリカ人も数千人にのぼる被害を出しているということもあるのだろうけれど、ニュースの内容はあくまでも現地のことが中心だ。少なくとも邦人の被害状況を真っ先に語る日本の報道とは違う。アメリカという国はもしかしたら、本当に世界の面倒を自分達がみてやらなければ、と思っているのかもしれないな、という気がしてくる。TVでは政府関係者が出てはアメリカが救出にいかに力を入れているかを力強く語り、例え、ブッシュ大統領が最初援助を出し渋ったとしても、アメリカの世論は大きく災害支援を打ち出している。アメリカの独善性は嫌いだし、その責任感が妙な方向に出てしまったのが今のイラクなのかとも思うけれど、これが大国としての責任感ということなら見直す気持ちがある。もう１つ印象的なのは、この津波は警告できたのではないかという質問がキャスターからも一般視聴者からもするどく公の機関に向けられていることだ。多額の費用をかけた最新システムはどうした、タイやインドシナにはできなくても、アメリカならできただろうと。すべて自国がNo1だと思っているアメリカ人には思いつかないことだろうけれど、仮に今回の津波を警告できるものがいたとすればそれは日本であったと思うのだけれど。

  2005/01/02

• Jewishな隣人

  先日の日記に書いたけれど、クリスマスイブに夫が不在で、寂しいでしょうとディナーに呼んでくださったミナさんはユダヤ人とのこと。ご主人と二人暮しのお年寄りで、アパートの同じフロアに住んでいらっしゃる。りおのことを気にかけてくれて、週に１回英語を見てくれているのだ。ユダヤの方と知り合うのは（少なくともそうと分かって）初めての経験で、キリスト教やイスラム教に比べると圧倒的に少ないから当然といえば当然のことなのだけれど、簡単に調べてみる。ユダヤ教はイエス・キリストを救世主とは認めない、従ってクリスマスも祝わない。この日はクリスマスイブとして読んでくださったのではなく、安息日前のディナーとしてなのだそうだ。キリスト教の安息日は日曜なのに対して、ユダヤ教では土曜日でこれをシャバットと呼ぶ。最初に聞いたときにはサバトと聞こえ、あれは確か魔女の集会では？なんて混乱してしまった。その安息日は土曜日といっても日没で区切られるため、１日前の日没から安息日になり、土曜日の日没で終わる。つまり、安息日前のディナーではなくて、安息日のディナーということなのね。さて当日、６時に伺うとファミリーディナーとおっしゃっていたそのまま、気楽な格好のミナさんが出迎えてくれた。席に着くと、まず、２本のキャンドルに灯りをともし、内容は分からなかったけれど、短い歌を歌う。その後に一家の主がお祈りを唱え、パンを切る。ワインをついで、順に一口ずつ、回して飲む。会話が始まると、日本人と言えばやはり、スギハラのことが思い出されると言われ、この方達に知られている日本人というと、、、、、、あっ、「知っています。外交官の杉原ですね」そうか、どんなことを知っている？と聞かれたので、第二次世界大戦中の外交官でユダヤ人の亡命を助けるためにビザを書いた人で、当時日本政府はドイツとの同盟関係の手前、ユダヤ人を支援できなくて、というようなことを話して、、、思い出せてよかった。そうなんだ。彼は実に勇敢だった、というような話に続いてこのすぐ近くに住んでいる友人のお父さんは彼のビザで救われたのよ、と教えてくれた。杉原千畝について何かで読んだときに彼を知らないユダヤ人はいないと書いてあったけれど、ほんとだったんだ。一般に宗教と政治の話は避けた方がよい、とされている会話教室の教えは覚えていたけれど、この場合、相手が積極的に話してくれようということだから、遠慮なく聞いてみた。ユダヤ教では食事の制限がきびしいんですよね？と聞くと、そうだ。例えば牛肉と牛乳（含む乳製品）は食べない。イカ、タコ等鱗のないものもダメ、ということで、ミナさん達もこれを守っているのだそうだ。ユダヤの人というのはキリスト教に比べると圧倒的に少ないけれど、存在感は大きい。とても貴重な経験だった。感謝ご主人がおっしゃった。どの宗教でも良い宗教にはgolden ruleがある。自分がして欲しいと思うことを他人にしてあげると教えることだと。いい言葉だわ。

  2004/12/25

• 大掃除をしようとおもったら

  掃除機が壊れた！我が家の掃除機はごみが溜まるところが透明で外から見えるようになっている。掃除機をかけ始めてしばらくして、あれっ、全然溜まっていない。そういえば吸い込みが弱いような気がする、とためしに紙くずをまいてみると全然吸っていないわけではないけれど、やはり弱い。それに吸い込んだくずがごみために行かない。うわっー、壊れちゃったのかな。アメリカの家電の品質は日本に比べるべくもない。最初に買ったＤＶＤレコーダーもすぐに動かなくなった。さすがに交換はしてくれるのだけれど持って行ったら、この製品は品切れだと言われた。日本では安かろう、悪かろうは通じない。安くてほどほどでなければ納得はされないけれど、こちらでは安いものは間違いなく悪い！それは家電店の返品コーナーの大きさを見れば一目で分かる。売るところと同じ位の大きさのコーナーがあって、ほぼいつもお客さんが来ている。こちらへ来て３ヶ月もした頃には、そういうことは分かって来たのだけれどその頃には一通りの家電は手に入れていたし、この掃除機はこれまで問題は起こさなかったのだけれど、さて、どうしよう。一応、モーターは動いているので、どこか詰まっているのではないかとマニュアルを出してきてみる。どこかフィルターが目詰まりしているのかとあちこち見るけれど、どうも分からない。簡単にはずせるところ、手の入るところからはどうにもできないことが分かって、仕方なくはずせるところをドライバーで順にはずし、ホースをはずしたところでホース内でごみが詰まっていることを発見！でも、中をつつくような適当な棒もなくて振り回したり、たたいたり、ゆすったりでそれから１時間かけてようやく復旧。こんなこと日本ではやったことないぞ。ああっ、もう、今日は掃除やめっ！！！

  2004/12/23

• 師走風物詩

  自動車の屋根にクリスマスツリーを縛り付けた車が通りを走る。あるいはトランクからはみ出したツリーをふさふさ揺らしながら通り過ぎるのだ。もう既に多くの家庭では飾り付けを終わっているだろうけれど、まだまだ、ツリーはたくさん売られている。こちらでは生のもみの木を飾るのが人気らしい。１０月にはハロウィン用の大きなオレンジのかぼちゃがどっと並べてあったところにもみの木が置いてある。日本ではかなわないことだから我が家でも生の木を使ってみたかったのだけれど、車で運ぶノウハウがなくて、あきらめた。おまけに最初に目にしたところではただ、切ったままの状態だったのでどうやって立てるのか、かいもく分からなかったのだ。あとで目にした大抵のものは下に十字の木が打ち付けてあって、そのまま立てられるようになっていた。日本の松の木を飾るのを思い出すけれど、生の木が１ヶ月近く枯れないで持つんだなぁと感心する。知人に聞くとちょっと遠くまで行くともみの木を自分で切らせてくれる農場というものあるのだそうだ。山に入って自分で好きな木を選んで切ってくる。うーん、いいわねー。クリスマスももう目の前、早くクリスマスカード書き上げなくちゃ！

  2004/12/11

• アメリカ人のホラーの見方

  以前の日記でりおがホラーの話を極端に嫌がるという話をしていたのだけれど、なんとホラーを見に行ってしまった。例によって、夫のいない休日、映画を見に行ったのだ。インクレディブル（ディズニー新作アニメ）かポーラエキスプレス（クリスマス用アニメ）を見るつもりだったのだけれど、どちらにしようかという段になって、子供達の意見が割れ、姉娘はインクレディブル、りおはポーラエキスプレスにするといってゆずらない！あげくに姉娘がポーラエキスプレスなんかだったらグラッジ（呪怨ハリウッド版）を見たいと言い出し、買い言葉なのかりおまで、いいよ、ぼくだってとなり、えっ、ほんとうにいいの？あんなに嫌がっていたのに？と聞いても「平気だもん」という。「でも、これほんとに怖いらしいよ、やめようよ」と止めたのだけれど、今度は二人そろって、見ようと言う。大丈夫かなぁと思いながらも子供のために来たのだから、子供がそろって見たい！というのを反対するすべもなく、チケットを買い、中に入った。案の定、入って５分で後悔したらしい。まず、映画が始まる前の予告編がホラーにはホラーの予告編が続く。不気味は効果音や思わせぶりは場面展開が５本も続くと私も帰りたくなったし、りおも画面を顔をふせて、身を縮めている。やはり、出たほうがいいかと思っているうちに映画が始まり、都心の風景が映し出されると久しぶりな感じがして見入る。監督が日本人なのだから外国視線というわけではないはずなのだけれど、やはり主人公がアメリカ人のせいか異国のようにも感じるのがおもしろいな、なんて思っているうちに恐怖の場面が、、、、ところがここで笑い声が起こるのだ。えっ、なんで笑うの？来るぞ来るぞ、ほーら来た、わっはっはドアを開けちゃダメ、キャー、あっはっはっ悲鳴も上がるのだけれど、どちらかというとジェットコースターに乗ったときの声に近くて、本気で怖がっている？っていう感じだ。おかげで恐怖感の半減して、ここで笑うかな、なんてあたりの反応をうかがいつつ過ごしてしまった。帰り道々、姉娘も「アメリカ人ってホラーで笑うんだね」と話し、あそこで笑ったよね、ここでもねって、おもしろい体験ができたね、って本筋とは別の感想を話しながら家に帰った。グラッジがアメリカであたったと聞いたときには映画のおもしろさは万国共通なんだね、と思ったのだけれどちょっと、これは違うのかもしれない。ところで、りおなんだけれど、夜になったら「ね、こわいからトイレ、ついて来て」幸い一晩だけであとは忘れてしまったみたいでよかった。

  2004/12/01

• Black Friday

  西に向かう高速道路に車を走らせる。２０分くらいのところにきれいな街があって、ここはショッピングモールというのではないのだけれど買い物には便利な一角があるので、今日は冬物を買いに出かけたのだ。Thanksgiving dayは１１月の最後の木曜日なのだけれど、翌日の金曜日はなぜかBlack Fridayといって、アメリカ中で大セールが行われるのだそうだ。何故、Black Friday？と思って、調べてみたらこの日からクリスマス商戦が始まり、お店が黒字に転換するからだとか、（ほんと？）なんといってもBlack Mondayの名前を連想してしまうわ。それなら、あれはRed Mondayでもよかったのかしら。朝からすごい行列なんだと聞かされて、日本の福袋の売出しを思い出してしまう。朝早くいく根性はとてもなかったけれど、折角そういうイベントがあるならと昼近くになったけれど、出かけてみることにしたのだ。街路樹のカエデも葉が随分少なくなって、もう冬がすぐそこという感じがしてくる。着いてみると確かに駐車場は一杯だし、道行く人はいくつもショッピングバッグを抱えている。今日は学校も公共機関もお休みだから人出が多くても不思議はないのだけれど、気がつくとテレビ中継車２台ほどいる。わー、ほんとに年中行事っていうことなのね。子供達の洋服やらクリスマスツリーの飾りやらを帰って、４時半頃帰路に着くともうかなり暗くなっている。こうして暗い時期ににぎやかなイベントを楽しむというのはよくできているって思うわ。

  2004/11/27

• 

  今日は七面鳥を焼く

  今日はThanksgivingハロウィンのようなにぎやかさはなく、家族で静かに過ごす日であるらしい。でも、夫は仕事へ。日本から人が来ているらしく、打ち合わせと街の案内に出かけた。クリスマスシーズンはさすがに出張を控える日本人でも（べつにその日を大事にということではなく、航空料金が高く、かつ予約が取りにくいからだと思う）Thanksgivingを配慮することはないものね。でも、夕食までには帰るということだ。さて、料理好きのりおはもちろん、姉娘も手伝って準備にかかる。まずは中に詰める詰め物を作る。これは色々なやり方があるけれど、基本や野菜と七面鳥の内臓（レバーと砂肝、これはたいてい七面鳥の中に入っている）に細かく砕いたパンを混ぜたものだ。野菜は一般的なのはたまねぎ、セロリ、マッシュルームなど。今回は冷蔵庫に残っていたりんごも入れてみた。レバーは新鮮でおいしそう。鳥が大きいからレバーも大きい。これはソテーしてからきざむ。その間、姉娘は七面鳥の下ごしらえ、「べたべたして気持ち悪い！」とかいいながら、せっせとオリーブオイルを刷り込む。詰め物をおなかの中に詰めて、針と糸で縫い合わせ、足を縛るとできあがり。ここまで、小１時間なので、おせち料理などに比べれば格段に簡単だわ。あとはオーブンに入れて、この大きさだと４時間くらいらしい。入れっぱなしだと表面がかすかすになってしまうので、２、３０分後とにバターをぬってやるのがちょっとめんどうなのだけれど。できあがりはまずまずかな。ちょっと、焼きすぎたような気もするけれど。こればっかりは数をこなさないと完璧な火加減はむずかしいのよね。七面鳥といえばクランベリーソースがつきものなので、最初に焼いたときにスーパーで買ったクランベリーの缶詰を使ってみたけれど、ちょっとぴんと来なくて、２回目の時には適当にソースを作ってみたんだった。今回はスーパーで見つけた新鮮そうなクランベリーソースにひかれて買ってみたら、これはあたりだったわ。フルーツとスパイスの加減がほどよくて、淡白な七面鳥とよく合う。甘いものをつけるのは苦手な夫もよく手を出していた。Thanksgivingは私が思っていたよりこちらでは大事な日らしい。この日、どこのスーパーも３時頃に店を閉めてしまった。１軒は２４時間営業で最初に行ったときに営業時間は？と聞いて、”We don’t close.”というのが印象的な店だったのだけれど。我が家でも今日、幸せに食卓を囲めることに感謝いたします。

  2004/11/26

• 予防接種について（昨日の続き）

  アメリカのワクチンの水銀含有率は日本の約１０分の１ということで、これに関してアメリカが日本をリードしているのは間違いない。ところが、今年アメリカでは多くの人がインフルエンザ予防接種を受けることができないのだ。アメリカはワクチンを自国内で生産しておらず、しかもわずか２社からの供給しか受けていない。このうちの１社、カイロンのイギリス工場で滅菌処理の基準を満たしていないことが判明したため、３ヶ月の製造停止命令を受け、今年の接種シーズンに間に合わないこととなった。この工場はアメリカ全体で必要とするワクチンの約半分を予定していたため、大幅な供給不足となり、乳幼児、高齢者、病院関係者と優先順位が組まれて、通常の成人は運がよければと言うことになったのだ。１社はアメリカ資本とはいえ、たった２社の国外工場からの輸入をしているのはインフルエンザワクチンは利益率が低いという市場競争原理によるもので、要は企業の自由競争に任せたあげく、カリフォルニアに大規模なエネルギー不足を招いたのと同じ失敗を演じたと言うことになる。毎年、アメリカでは３万人以上がインフルエンザで死亡するとすれば、充分なワクチンがない今年この死亡者はどの位増えるのだろう。厳密な基準を設けながら、それを実行する部隊は自由競争の下でコントロールは効かない。アメリカはアメリカで課題を抱えているんだ。

  2004/11/08

• サマータイム終了

  週末、正確には土曜日の真夜中を持ってサマータイムが終了した。こちらには季節感がないなと思っていたけれど、サマータイムの切り替えというのは季節の区切り、いわば日本の春分、秋分の感覚になる。いや、春分、秋分はもう季節かな、という心理的なものだけれど、サマータイムの切替えはもっと物理的に季節の移動を知らせることになるのだ。なにしろ、土曜日の日の出は７時頃、日の入りは６時頃だったのが、日曜日には６時と５時、一日ごとにではなく、どーんっと日が短くなる。おまけにこちらの犯罪者は単純なのか、暗い時間が増えると犯罪率が比例して増えるのだそうだ。こちらの生活が長い方のご忠告いただいたら、ほんとに夫が今週、２回もパトカーが誰か逮捕しているのを見たという。こちらではサマータイムというのはいいものだ。なにしろ、明るいというのは単純に開放感につながる。自然の中で楽しみたいときには効果もひとしお大きい。夏休み、旅行に行った先でトレッキングなどをしたのだけれど、下山時間にとても余裕があるのだ。山の日没は早く、特に日本の山は急峻だから真夏でもできれば４時頃には下山するのが良いとされているので、こちらでも３時になったら帰り道を急いたのだけれど、その頃から上に上がってくる人たちも多かった。この周辺では夏は９時頃まで明るいが、カナダに行くと１０時位まで夕方気分になる。サマータイム(daylight saving time日照によるエネルギー節約)の意図するところは電気の節約にもあるのだけれど、日本のように暑いと夏の昼を長くすることは返って冷房費が増すことになってしまう。その分日本には夜を楽しむ文化があって、それもまたいいものだと思う。こちらでは真っ暗になるのは９時半過ぎ、子供が花火を楽しむのはちょっと、苦しい。実際、そのせいか玩具花火というものにこちらではお目にかからなかった。ちょっと、物足りない夏でした。

  2004/11/01

• ハロウィンのかぼちゃを作るが、、、

  先週の休日は生物の勉強でつぶれた姉娘。昨日、ようやく念願のジャックオーランタンの製作に取り掛かった。なにしろ直径３０ｃｍはあろうかという巨大なかぼちゃ。これをくりぬいたり、きれいに穴を空けたりできるのだろうかと半信半疑だったのだけれど、穴をあけると中はほとんどからっぽ！日本のかぼちゃも中は空洞だけれど、これは全体が大きいだけにもう少しは何か入っているだろうと思っていたのだけれど、皮も意外とさくっと切れて、あっ、これなら簡単かも。そうはいってもそれなりに中をかきだしたりは根気のいる作業で、二人かかりでやることもできないし、姉娘に任せておいたところ３０分ほどできれいに仕上げた。穴あけは慎重に、目、鼻の位置に三角の穴を空け、これは比較的簡単だったのだけれど、口はカーブしているのでちょっと難しい。それでも、まあうまく行って、おー、初めてにしては上出来です。じゃ、早速、中にキャンドルを入れて帰ってくる夫を驚かせようと探し回っていると姉娘が「ねっ、水が流れないよ」ええっ、慌ててシンクを見てみると、どうやっても水が流れない！日本ではとうの昔に製造禁止になったディズポーザー、環境発展途上国、あるいは広大な内部の砂漠にまだまだ捨て場所があると思っているアメリカでは健在で、使う立場になればこれがあると大変ありがたいのだけれど、これで流した多量のかぼちゃの種が詰まってしまったらしい。一番使っている私は大体容量の検討がつくので無理はしないのだけれど、姉娘、かまわず流したな！折角今日は早く帰ってくる夫のためにすき焼きの材料買っていたのに作ることもできず、外に食べに行くことになった。おばけかぼちゃの逆襲というわけね。

  2004/10/27

• ホームレスと握手

  近くのカフェで朝食を取っていると、入り口のすぐそばにホームレスの男性が手にコップを持ってお金を求めていた。日本とどちらが多いか分からないけれど、こちらでも相当数のホームレスを見かける。かなり多くの人が小銭を入れているのがそれも驚きといえば驚きなのだけれど、日本とはちがうなぁと思うのは一人一人にきちんと挨拶をし、お金を出したほうも挨拶を返していることだ。おありがとうございます、という感じではなく、きちんと「ありがとう」といい、「今日はちょっと寒いですね。お気をつけて」、「ええ、あなたもね」というように言葉を交わす。毎回という訳ではなかったけれど名前を名乗り、相手にお名前は？と聞き、握手を交わしているのを見たときはかなり驚いた。やはり、コミュニケーションの根本が違うんだ、こちらの人たちは。１５年前、通勤に使っていた駅は多くのホームレスがいたけれど、彼らに同情の気持ちを抱くことはまずなかった。若さ故ということもあるけれど、時はバブル、仕事を選ばなければ食べていくだけの職はいくらでもあると思っていたからだ。１年前の私はホームレスに対してもっと寛容になっていた。本当に働きたくても人並みの能力があってもホームレスにならざるを得ない社会情勢だものね。そして、今我が子を見て、世の中には自分の力ではどうにもならない理不尽があるとつくづく思うとき、こういう人を見る目は変わっている。こちらは物騒だし、この人は害のない人ではあるようだけれど、中には悪質な輩も当然いるわけで、まだ実際にお金を渡したことはないのだけれども。それに、、、、男性から女性に手を出すことはしないというマナーもあるのだけれど、手を出されたら、うーん、やはり握手するのはためらってしまう。

  2004/10/23

• 姉娘－生物（つづき）

  さて、生物の宿題、一夜明けて今日が提出日、姉娘はどうなったか。ストーリー作りまでチェックして先に寝てしまったのだが、朝の４時まで頑張っていたのだそうだ。それがＰＣの調子が悪く、大分書いたところで原稿が消えてしまったとか。えーっ、それはきつかったろう。やはり、ワープロの使い方がまだ分かっていないのね。データもまめにセーブしないといけないのよ。今回の宿題は提出物の評価が最大２０ポイント、それをみんなの前で発表するとプラス５ポイントもらえるということなので、頑張って発表しなさい、と言って送り出したのだけれど、寝不足がたたって、気分が悪くなり、途中退出をお願いしてトイレで吐いてしまったそうだ。緊張もあったのだろうな。そこまで、頑張ったのが今回の経験かもしれない。後、大きなレポートを作るときの時間配分をこれをベースに意識して欲しいな。大学生じゃないんだから、徹夜で頑張れるわけもない。じゃ、他の人の発表も聞けなかったの？と訊いたら、２，３人は聞いたのだそうだが、中に１人細胞ケーキを作って持ってきた子がいたそうだ。外側が緑のクリームで上にキャンディーやら、チョコレートを乗せて器官をあらわしたとかで、おー、さすがアメリカ！ですね。

  2004/10/22

• ５００キロのかぼちゃ

  ハロウィン間近で、周囲の家の玄関にもぼちぼちかぼちゃが飾られている。ハロウィン・キャラは日本ではかぼちゃと魔女くらいだけれど、こちらではもっともっとお化けがずらり。どくろや蜘蛛、黒猫、結構おどろおどろしいものもあり、テレビの番組も怪奇番組がどっと増える。ドラキュラ、フランケンシュタイン、ゾンビなど昔のスプラッタも登場して、日本の８月を連想させる。それでもオレンジ色のかぼちゃが秋の豊かな収穫を連想させて明るい雰囲気をほどよく混ぜているところがいいのだろう。今週末あたりからあちこちで関連イベントが始まっていて、１時間ほど離れた海岸沿いの町でハローウィン祭りがあるのを知り、そっち方面へはまだ行ったことがなかったので、ドライブついでに足を伸ばしてみることにした。地図で見るとはっきり分かるのだけれど西海岸は山岳地帯、それ以外の所がすべて緑の平地なのでアメリカの中でははっきり地形が異なることが、このあたりの海岸線を走ってみるとよく分かる。海岸はかなり切り立ったところが多く、道路はカーブの連続で日本人にはどうということはないけれど、東の平らな地方から来たアメリカ人には運転できないこともあるらしい。町に着き、屋台を見たり、食べ物を買ってつまんだりしながらぶらぶらしていると正午にパレードが始まり、地元の学校の吹奏楽部の演奏や体操クラブのパフォーマンスなどがメインストリートを練り歩く。仮装して来ればだれでもパレードに参加できるらしい。魔女や骸骨の他、ハロウィンには関係ない妖精、スパーダーマン、それから遊戯王でもＯＫ。歩きながら沿道の人にキャンディを投げる。こちらにも投げてくれていくつかキャッチ。主役はグレート・パンプキンということで、今年一番大きなかぼちゃを載せた車が出てくる。育てた農家の人が得意げに側に立ったかぼちゃは1250ポンド、約５５０キロと書かれている。自重で下４分の１位はへこんでいる。どうやるとこんなに大きくなるのかしら。こういうのを見ているとやはりその気になって帰りにかぼちゃを買ってしまった。かぼちゃ農場であたり一面オレンジ色のかぼちゃが並んでいる中で、形のよさそうなものを選ぶ。うーん、かなり大きい。本当に作れるだろうか。来週末に挑戦する。

  2004/10/16

• 姉娘の宿題－生物

  昨日はまた、姉娘の宿題に引っ張られた。生物の宿題が全然書けないと言って泣きついてきたのだ。聞くと、宿題がその日の授業で見せられたビデオに関するもので、ビデオの中で出てきた細胞の機能を１つ取り上げ、機能の名称と内容を説明せよ、などと言うものが並んでいる。まあ、これは無理よね。cell membrane（細胞膜）っていう単語をさらっと聞き取れる人は日本の一般的な教育を受けて育った人では、かなりの英語の達者な人でもそうはいないでしょ。と言って、見てもいないビデオの答えを埋めるのはとても大変。教科書を見ながら、どんな映像だったかピックアップさせ、その周囲の説明を読み、山を張り、なんとか答えをひねり上げた。姉娘が取っている教科はESL初め外国人向けのものと、現地の子供と全く同じ授業とあって、もちろん、体育などは問題ないのだけれど幾何と生物は現地の子に混ざっての授業なので、苦労している。それでも幾何はまだ、なんとかなるが、生物は先日学校から来た学期途中の報告の中で、このままだと落第！と警告されているので、こちらも必死になります。なんとかなるといいのだけれど。一方、りおはそんな様子を見て、これ見よがしに「ねえ、ぼくもここ分からないんだけれど」と声をかけてくる。全く、かまいっきりに時はうるさがるくせにこの子って、本当に！姉娘と言えばもう１つ、学校で盗難にあってしまった。体育でロッカーに入れていたときにことらしいのだけれど、電子辞書と財布のお金を小銭に至るまですっかり、盗まれてしまった。当然、当人はかなりショックで学校に行くのがもういや！と言っている。ここはアメリカ、って再認識したみたい。

  2004/10/13

• スクールバッグがめちゃめちゃ重い

  新学期が始まった我が家の子供たち、中学生の息子はともかく、高校生の姉娘は勉強が大変になりそうだ。高校生なんだからそれはまあ、頑張りなさいというところだけれど、問題はスクールバッグ、重さが半端ではないのだ。家に体重計がないので計ることはできないけれど担げといわれても１人では背負えない、まず、台の上に置くなどしないと無理、な位重いっ。こちらの学校では教科書が支給ではなく貸与で、学期の初めに学校から一人一人に貸し出される。それがほとんど図鑑並みのもので、きれいなカラーで分かりやすいのは結構なのだけれど当然重い。娘の場合、これが３冊とそれぞれの教科用のバインダー、電子辞書、その他筆記用具とミネラルウォータ１本が入る。毎日宿題が出るから学校においてくることなんかできない。それどころか宿題用にと余分な図鑑が来ることもある。通学の様子を見ていても特に上級生は科目も多いのだろう、これから山にでも入るんかい、と言いたくなるような大きなバッグを背負い、前かがみで歩いている生徒もいる。非力な女の子はキャスターを転がしている子も結構いる。テレビや映画で親しんだアメリカの高校生とは、もっとずっと身軽なものではなかったか。子供に参考書やなんやらどっさり持たせて窮屈な思いをさせているのは日本だけ、なのではなかったのか。ロッカーはあるのだけれど休み時間が５分で、教室移動に精一杯、入れている暇なんかないという。先生によるけれど遅刻は一般にとても扱いが厳しい。一度、前の授業が長引いたときは先生が次の先生宛のメモをくれたそうだ。遅刻証明書か！今日は徒歩１２分の帰り道が辛くて途中２回も座り込んだそうだ。最後の時間が体育で２マイル走った後、しかもとても暑かった、というのが応えたらしい。 娘にキャスター付きのにする？と聞いてみたけれど、学校内の階段が大変だからいやっという。それはそうだろう。もう少し様子を見てきついようだったら、たった１２分だけれど送り迎えしてやらねばなるまい。

  2004/09/08

• 学校開始の一日前

  日本の多くの学校と同じく、ここの学校も９月１日から始まる。新年度なのだけれど始業式などというものはなく、いきなり通常授業になるので、１日前に身分証明書を作ったり、新年度の時間割をもらったり、ガイダンスの書類を受け取りに学校に行く。何故か時間割の受け取りは親が一緒でないといけないということなので、高校も一緒に行った。姉娘は夏休み前は体育と美術などで半分を占め、学科は代数と科学だけだったが、今回は幾何、世界史、生物とある。宿題大変だわ！内容はたいしたことではないのは幸いなのだけれど、なんていったって問題を解くのではなく、理解するのに時間がかかる。前の科学はほとんど地質学だったけれど、おかげで私も水成岩やら火成岩やら知らない単語を一杯覚えました。しかも今回は１時間目が７時半からで、ただでさえ、夏休みの終わりで憂鬱な姉娘はダブルパンチ。りおの方は前年度とほとんど変わらない。こちらは診断書を提出して、校長先生にミーティングを申し込んである。今のままではストレスが高いだけで何にもならない。しかし、アメリカという社会、概ね大雑把、たまに妙なところにうるさい、と理解していたけれど、今日は大雑把な一面をじつに体感させていただきました。ＩＤを作って、時間割をもらうだけで３時間列に並ぶって、どうして？？？？単に人数が多いというわけではなく、段取りが大変悪い。新入生も来る日だというのに何の案内も出ていない。どういう順番で手続きをするのかというのも分からない。私が勝手が分からずまごついていたわけじゃないの。前後のアメリカ人もどこへ並べばいいの？まず、最初にあっちにいってこのカードをもらってって混乱の極み。とうとう日差しに耐えられず生徒の１人が倒れてしまったじゃない。救急車まで来るようになって、日本なら下手すれば新聞沙汰ではないか。ボランティアの父兄が案内してはいるのだけれど、そもそもよく分かっていない。私もボランティアに手を挙げようか、迷ったのだけれど止めて正解だった。勝手の分からないジャパニーズでは混乱に拍車をかける。「こっちじゃ、生徒が手伝わないのね。日本じゃ、上級生が出て案内するのに。『新入生のご父兄はこちらで～す。』って、猫かぶりの日だけれど」と姉娘猫かぶりも大事な処世術よ。習っておいて損はないわ。いや、生徒の代わりに父兄がお手伝いでもそれはそれでいいのだけれど、もう少し工夫のしようがあるでしょ。この日はりおの学校にも行かなければならないので、途中で姉娘を残し、列を出る。中学校はＩＤがない分、順調で１時間弱で戻ってくるとまだ、列の途中。夏休み、本当に最後の日にどうっと疲れてしまいました。

  2004/08/31

• 高校生の洗車アルバイト

  娘の高校で車の洗車をお願いしたことがある。可愛い女の子が洗車、＄５のカードを見せて、道路で声をかけているので何かと思ったら水泳部なんだそうだ。月に１回土曜日にこういうことをやって、部活の費用を稼いでいるらしい。日本で部費が不足していたら、学校が負担しなければならないと父兄は思うだろうし、最低限の費用は部員の父兄が均等に負担することになるだろう。私はこの点ではアメリカの現実的な対応って好きだし、子供にだって良い影響を与えると思う。それでも、アメリカでこういうやり方が良しとされているのは教育的に良かれということとは別の事情もあるのだろうという想像も働く。アメリカではよくも悪くも動きが早く、大きい。本当によくも悪くもなのだ。カリフォルニアの経済はシリコンバレーのバブル崩壊とエンロン・スキャンダル以降、巨額の赤字に苦しんでいる。あちこちで予算カットが進んでいるのだけれど、こちらは自治体の独立性が高い分、地域で大きな格差を生む。私の住んでいる２つ隣の市は全公務員の３分の１がくびになってしまった。当然学校も対象で、先生もカウンセラーも大幅カット。その隣の市はそれ程ではないけれど全学校の校長の半分が首を切られ、残った人が２校を分担してみることになったという。さらに別の市は貧困層が多く、そこでは予算カットに反対してハンガーストライキを始めたと新聞で読んだ。日本でも地域格差は平等の精神に反するという声が聞こえるけれど、こっちのは半端じゃないぞ！そうした社会で暮らせば、お上の支援がなくなったとき、父兄が、地域がなんとかするしかないと動いてきた結果が自助努力の精神とまめなボランティア活動となったのかもしれない。バブル崩壊前の日本は１世代くらいの期間、経済的にあまりにも順調で、身近な助け合いがなくてもやっていくことができたのね。それにそういう付き合いはしがらみだの義理だの面倒なことも多かったから、自分の面倒は自分で見るから、余計な世話は焼かないでちょうだいと言ってのけるのはとても心地良いことだったと思う。私もそう思っていたクチだ。日本の社会も景気がこのまま低迷し続けたら、いつでも好きなときに、純粋に困った人の力になりたくてするボランティアだけではなく、舌打ちしながらこれも社会への義務だからという支援活動も増えてくるだろうか。少し不自由で窮屈を感じるかもしれないけれど、私はそれはいい事のような気がする。

  2004/08/04

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