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2010/07/27(火)19:29

「上映」問題 政府対応を(27日の日記)

文化(36)

 和歌山県太地町のイルカ漁を取り上げた映画「ザ・コーブ」について、政府が対応するべきだという了見違いの投書が、13日の東京新聞に掲載された;  上映が反対運動などで一時、中止された映画「ザ・コーヴ」の上映が始まった。  環境保護団体による捕鯨の行き過ぎた妨害行動等、異なった食文化の人々による価値観の押しつけを、近年頻繁にニュースで目にするようになった。価値観を押しつける団体にも、それに対しての日本政府の対応にも大変がっかりさせられている。  この映画も、撮影許可を取らずに作ったものだ。その時点で、すでに違法である。さらに、異国の食文化を主観的に否定する作品であるなら、日本政府は犯罪としての捜査や世界へ向けての抗議をしっかり行うべきであろう。  いままで、政府がやるべき事をやらなかったことが、保守系団体による抗議運動につながったのではないだろうか。  しかし、上映を中止に追い込む抗議の仕方も、また、価値観の押しつけではないだろうか。もっと理性的な抗議を政府に期待する。 2010年7月13日 東京新聞朝刊 11版S 5ページ「発言-『上映』問題 政府対応を」から引用  この投書のどこがおかしいかと言うと、鯨やイルカを食べることを「食文化」と誇大に表現している点である。鯨やイルカを一部の日本人が食料としてきたことは事実かもしれないが、しかし、日本人の食生活が鯨やイルカを無視しては成立しないのかと言えば、そんなことは無いのであるから、これを以って日本の文化であると言うには、根拠があまりにも薄弱である。多分、今日の日本人の99%は、鯨やイルカを食べずに健康な生活をしているはずだ。  次におかしい点は、この映画が撮影許可を取っていないから違法だなどと言っている点である。報道の映像は許可無しで撮影されるのはよくある話であって、違法であると断定することはできない。もし、違法であるなら、それでなくても愛国精神旺盛なわが国官憲が黙っているわけがないであろう。法律的に何の問題もないから、政府も警察も手を出すことはできないのである。  さらにおかしい点は、「保守系団体による抗議運動」などと言っている点である。これは正しく表現すると「右翼団体による威力業務妨害」であって、これこそが法律に違反しており、映画上映という他人の商売を妨害する暴力団まがいの右翼団体は、警察が徹底的に取り締まるべきなのである。

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