より良い明日をめざして

2015/08/14(金)20:13

自衛隊と消防隊(12日の日記)

政治問題(2275)

 安保関連法案の必要性を火事に例えて説明する安倍首相の的外れぶりを、ルポライターの鎌田慧氏は7月28日の東京新聞コラムで、次のように皮肉っている;  地方にいて、たまたま、安倍首相がテレビで平和安全(実は戦争危険)法案について語るのを見た。テレビに出るのがすくなくなった、とぼやいているとのゴシップ記事は読んでいた。さっそく出番をつくるテレビ局があらわれたようだが、これが面白くて、一時間以上も眺めてしまった。  すこし前、国会にもちだされたのは、「避難する邦人」のポンチ絵だった。が、こんどは珍妙な立体模型だ。家が三軒並んでいる。アメリカ家と日本家のあいだに、アメリカの別宅がある。アメリカ家が火事になって別宅が類焼、火の粉が日本家の上に迫ってくる。そのとき、消防服に身を固め、消火器を携え、日本家の屋敷のそとへ出動する消防隊員が示された。 消火器の模型を振りまわして首相は得意顔だ。  「持っていくのは武器だろう」とつい画面に突っ込みをいれてしまった。しらじらしいなぁ。自衛隊員が消火器を携え外国にいくのなら、だれも反対しない。「鎮火」は「制圧」の隠喩なのだろうが、視聴者をこの程度と見下している、その高のくくり方が悲しい。  カニは自分の甲羅に似せて穴を掘るともいわれている。さすがに、KY(空気が読めない)との評判をとった強気の首相も、新国立競技場の挫折以来、存外弱気になって、自衛隊を国際貢献の消防隊に改組したい、と本気で思うようになったのかも。 (ルポライター) 2015年7月28日 東京新聞朝刊 11版S 27ページ「本音のコラム-自衛隊と消防隊」から引用  安保関連法案の必要性を火事に例えるのは、子どもを騙す手段としては有効かもしれないが、真剣な政治の場では通用しない。現実の火事は突発的に起きる事故であるが、国際紛争は突発的に起きるものではなく、事前に利害の対立が顕在化し外交交渉では解決できないと片方が勝手に決め付けたときに武力行使するもので、誰も知らないときに誰も予測しなかった場所に国際紛争が起きるなどという発想は、子どもと同じ知能の人間を騙そうという悪意があるか、そうでなければ、そういう例え話を思いつく人間の知能が子ども程度だと言う意味になる。テレビ視聴者をこの程度と見下している、その高のくくり方が悲しいとは、まったくその通りである。

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る