PANACEA赤坂院＜旧 VOICE治療院http://panacea-tokyo.jp/

最速、最短で最高、最大の利益！効果！

ってのが、今の世間様の一番の評価の対象みたいですね。
ま、確かにその通りではありますね。。

無駄なくロスなく事がすすんで、
損をせずに最大限の利潤を出していくと言うのは、
私の仕事にも求められる事。

だって、
大切な時間を裂いて鍼灸治療を受けたのに、
なんだか効果が感じられないまま終わっちゃって、
「結果が出るまでには何回か通っていただかないと！」
っていわれても、
ﾊｲｿｳﾃﾞｽｶ、と快く納得してくださる方は少ないでしょう。

だから無駄は省いて一番の近道を探していくことが、
賢い人のする事、なんだと、
私自身が思い込んでおりました。


さーてね、こっからは愚痴まじりなんですが、
合気道の後輩で、
これまた才能に恵まれているS君がいる。

このS君。
何でもいわれた事は、天才的に飲み込んでいく。
足掛け18年も合気道をしている私も、
もう追いつけません（＾＾；A

S君は鍼灸師でもあるのですが、
免許をとって間もないと言うのに、フリーで月に40万強稼いでると言います！

すごい...！

出張治療をフリーでしていて月に40万というのは、
私達の業界では「出来るやつ」ってことになります。

しかも鍼灸には飽き足らず、
来年は医大を受験するとか。
医にかける情熱も熱いものがあります。


合気道でも鍼灸の方でも、
後輩だけど先輩のような気分で接しているのですが、
このS君に先輩が辛口アドバイスをしていた。


「S君は才能があるから、
物事のエッセンスばかりを吸収してきた。
いや、出来ちゃうんだよね、苦労をしなくても。
人間はもっと無駄をしないといけないよ。
無駄な事をしないと、水耕栽培みたいにひょろっとしちゃう。
サプリメントだけじゃ人間は生きられない。
もっと水を飲んで薄めないといけないよね。」

ってなこと。

この辛口コメントの先輩は58歳。
正直あまり合気道はうまくないのですが、
物事に対する情熱や洞察は超一級品。

現在は某高校の校長先生をしています。


その先輩のお言葉を聞いてはたと感じ入るものがありました。


鍼灸治療でも、
一見、主訴とは関係のないような、
腕や指先、腹、足、頭などに鍼やお灸をする事がよくあります。

肩が痛いのになんで手に鍼を？！
なんてことがよくあるのですが、
つぼ、経絡（氣の通り道のようなもの）、なんかを考えると、
どうしても配穴したいつぼがあり、
またそうした主訴から遠いつぼを使った方が、
結果が良い事がよくあります。


私が鍼灸治療を初めて、まだ駆け出しの頃、
病院で鍼灸治療をしていると年配の方に接する機会が多くありました。

若造が年配の方に鍼灸をするのですから、
年配者から治療の注文も多くなります（＾＾；

痛いところ、凝ってるところへの鍼灸以外は、
なかなかさせてもらえません。

でもそのなかでも、
私のつたない説明に耳を傾けていただき、信頼をしていただき、
主訴以外のつぼに鍼灸をさせてくださる方が何人か出てきます。


半年たち、一年たち、
局所で対応した方と、広範囲で対応した方と、
比べてみると明らかに、
広範囲で対応した方のほうが治りが良いのです！


一見無駄と思えるような配穴も、
回数を重ねていくと大きな効果を持つものだと実感した、
本当に実りある経験です。


そこでさっきの話になるんですが、
かのS君のように、
最短最速をいくのも、いけるのももちろんとても良い事だと思うのですが、
回り道のような、一見無駄なような経験も多くても、
それは長い目で見ると功を奏するのではないかと、
漠然と思うようになったのであります。。


千の無駄な動きから導き出した、
一の　エッセンス。

一を聞いて十を知るのも道。
一を聞いて、その後ろの万の道を辿るのもまた道。


どうやら私は後者のようです（＾＾；


才能のないもののぼやき、
愚痴かもしれないのですが、
そんな事を思う今日このごろでございます。




天気がよいので出かけようかとも思ったのですが、
今日は昨日手に入れた鰹のサクをヅケにしてあるのを、
大葉とみょうがと大蒜で和えたもので、
冷酒をキュッとやって、
一人暑気払いをしてみたいと思っています（＾０＾）