テーマ:Jazz(1977)
カテゴリ:★★★
ノーマン・グランツ・ジャムセッション#4を中古紙ジャケで購入した。このCDは発売された時から購入を検討していたが、曲数が少ない(たったの2曲)割りに値段が高い(¥2,345)ことから断念していたものだ。
このCDの売りは、スタン・ゲッツとワーデル・グレイの両方が聴けることだ。両者ともレスター・ヤング派の筆頭格であるが、吹き方にはかなりの違いがある。ワーデル・グレイの方がフレーズが歌っており、メロディーの横の流れが自然だ。ゲッツもフレーズが歌っている人なのだが、グレイと比較すると訥々感がある。しかし、その訥々感がゲッツフレーズの天まで駆け上る躍動感につながっている。グレイのフレーズは盛り上がっても天上の音楽になることは決してない。ある意味「手堅い」音楽である。どっちが良いかは好みの問題だが、本作のピアニストであるベイシーは、グレイのバックの方が嬉しそうに聴こえる。ゲッツはベイシーのフラットなスイングビートでは閃きが少ないのかもしれない。とにかく1曲目の "Oh, Lady Be Good"ではゲッツ→グレイの順で登場するところが聴きどころである。その他バディ・デフランコのソロも聴きどころではあるが、デフランコの手数の少なさから数コーラスで飽きてくるかもしれない。泥酔状態のようなウィリー・スミスのアルトサックスはマニアにはお宝だが、一般人には狂気の沙汰に聴こえるかもしれない。 2曲目はミディアムのブルースで、ベイシーはオルガンを演奏している。ここでも泥酔アルトのウィリー・スミスが強烈なインパクトを放出している。こういうゲテモノ系はこんなジャムセッションやデューク・エリントン・オーケストラでもない限り聴く機会がないので有難く拝聴させて頂いた。 話をテナーの2人に戻そう。ミディアム・テンポの2曲目ではグレイの横のりフレーズがやや間延びしている一方で、ゲッツが自分のペースに持ち込んでしまった。この勝負はゲッツの勝ちのようである。 このCDは、スイング時代の名人劇場的な聴き方をするのが正しい鑑賞方法だとは思うが、ゲッツvsグレイとして聴いたり、ウィリー・スミスの泥酔プレイを楽しんだりするのも良いだろう。ただし、個人的にはバディー・リッチのドラムのセンスの無さが耳に付くのであまり好きなCDではない。ドラムがオジー・ジョンソンかシャドウ・ウィルソンだったら文句なしに大好きなCDとなるのだが・・・。 ちなみに、音質はかなり良いです。モノラルで中身の詰まった音がします。 猫麻呂ポイント:★★★(3.0) Harry Edison(tp), Buddy Defranco(cl), Beny carter(as), Wilie Smith(as), Wardel Gray(ts), Stan Getz(ts), Arnold Ross(p), Freddie Green(g), John Simons(b), Buddy Rich(ds) 1953年8月3日,LA録音 1. Oh, Lady Be Good 2. Blues For The Count お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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