テーマ:Jazz(1977)
カテゴリ:★★★★
このCDは、どうやらスティーブン・スピルバーグ監督の映画『ターミナル』に関係しているらしいのだが、私にはそんなことは全く興味がなく、専らエディー・ヘンダーソンがスタンダードをどのように演奏しているか、という点だけに興味が集中している。
1曲目の"Terminal 1"というのはゴルソンのオリジナルだが、随分と現代風な曲を書いたものだ。さすがゴルソン、曲はとても良い。演奏は・・・老けたな、という感じだ。エディーはミュートで無駄なくこなしている。ほとんど職人芸。 2曲目はゴルソンにしてはダサい曲の"Killer Joe"。こんな曲でもカッコよくソロをまとめるエディーに脱帽。3曲目"Carribean Drifting"はこの作品用に書かれた曲だろうか。ロリンズの"St. Thomas"に似たところのある曲だが、それだけの曲。さすがのエディーも困っている様子。 4曲目"Park Avenue Petite"はこの作品の目玉のひとつ。エディーがオープン・ホーンで哀愁に満ちたメロディーを吹く。さすがジャズ職人、メロウな雰囲気を作り上げているが、ちょっと臭すぎかも・・・。この曲は、ブルー・ミッチェルの清貧プレイに馴染んでいるために、そう感じるのかもしれない。ゴルソンのソロがが適度に力が抜けていて良かった。 5曲目"Blues March"はカール・アレンのドラムから始まった。ブレイキーとは違ってあっさり味なのは時代の違いだろう。(ブレイキーより音がキレイなのも時代の違いか・・・)エディーがミュートで出てきたのはちょっと意外だった。 6曲目"Sweet Georgia Brown"と7曲目"Cherry"のような古い曲が突然出てくるのが不思議だが、エディーがこのような曲をどう料理するのか楽しめる。6曲目はウィントン・マルサリスのように説教臭いアプローチではなく、バップ臭ぷんぷんの気持ちよい演奏だった。7曲目はちょっと無理があるように思える。 8曲目"In Your Own Sweet Way"はマイルス風エディーの登場かと思ったが、エディーは結構激しく吹いている。9曲目はゴルソンのオリジナル曲"Tough Me Lightly"はオスピーをイメージして書いた曲らしいが、どこがオスピーなのかよく分らない。それでも曲自体はキレイな曲だ。 猫麻呂ポイント:★★★★(4.0) Benny Golson / Terminal 1 (Concord) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年05月22日 01時50分36秒
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