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ジャズの神様の思し召しのままに

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2005年05月30日
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テーマ:Jazz(1977)
カテゴリ:★★★☆
ズートの「クッキン!」は、紙ジャケで買いそびれて以来、私の中では初恋の相手のように理想化され、神格化され、「神聖ニシテ冒スヘカラズ」状態になっていた。そんな憧れのCDがプラジャケで復活・・・なんだがアイドル歌手がトイレに入るのを見てしまったような失望感もあったが、やはり聴くときはドキドキするものである。しかし・・・。

しかし・・・である。ジャケ写真のオネーちゃんがよく見るとあまり可愛くないのであると同時に、録音がモコモコなのだ。この2点だけでも決定的に失望した。しかも、2曲目の"Love For Sale"はフェードアウトしてしまった。おいおい・・・。

このズートのCDは1961年にロンドンのロニー・スコットの店での録音だそうだ。当時のロンドンのジャズはこんなにダサダサだったのか・・・と思い知らされる。一言でいえば「縦ノリ」なのだ。アメリカではエリック・ドルフィーがリーダー作を発表している頃、ズートはロンドンで20年くらい前の音楽をやっていたのだ。古い音楽が悪いと言っているのではない。ただ、エライ田舎に突然連れて来られて驚いてしまったのだ。何とも締まりのないリズムに唖然とさせられたのだ。

あまり毒舌を振り撒いていると、全国100万人の日本ズートシムズ愛好家の皆さんから追われることになりそうなので、ここでヨイショをひとつ。このCDのズートのスイング感はズートのCDの中でもトップ3に入るほど凄い。同時代の名盤"Down Home"よりもズートのドライブ感は上ではないだろうか。グイグイ引っ張っていくズートは聴き応えがある。しかし・・・私はそんなズートがあまり好きではないのだ。ユタ・ヒップの共演盤(BN)やカーティス・フラーの「サウス・アメリカ・クッキン」のように、ちょっと斜に構えたようなズートが好きなのだ。そういう意味では、このCDの5曲目"Autumn Leaves"は好みと言える。

総括すると、このCDは入手困難度が内容より先行してしまったエセ名盤ではあるが、よく聴くと結構凄い演奏をしているズートが楽しめる「マニア向けCD」ということになるのではないか。ただし、私にはちょっとガッカリだったかな・・・。

猫麻呂ポイント:★★★☆(3.5)
Zoot Sims / Cookin' (Fontana)
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最終更新日  2005年05月30日 23時48分51秒
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