テーマ:Jazz(1977)
カテゴリ:★★★★
このCD、ウチのカミさんが随分前に買ったものらしい。何故このCDを購入したか・・・答えは簡単である。「ジャズでシュトラウスのワルツを演るなんて面白そうだから。」
カミさんは1曲目の"Fruhlingsstimmen(春の声)"しか聴かないらしい。しかも笑いながら聴いている。うーん、確かに笑える。ウィンナー・ワルツの名曲がこうなるとは・・・。しかし、最初に断っておこう。このCD、ヨハン・シュトラウス(親子)の曲は2曲しかない。ちなみにもう一曲は"Kaiserwalzer(皇帝円舞曲)"である。 しかし、このCDにはもう一人のシュトラウスが登場する。20世紀初頭の偉大なる作曲家、リヒャルト・シュトラウスである。私はオペラには全く興味がないので良く知らないが、オペラ"薔薇の騎士"の中の1曲なのだろう。"Rosenkavalier"という曲が素晴らしく美しい。ビッグバンドで演奏しているコードがR.シュトラウスのオリジナルと同じとは思わないが、恐らくオリジナルも相当凝ったコード進行なのだろう。ビリー・ストレイホーンの書いた曲のような複雑なコード進行と美しいメロディーだ。 このCD、3/4(ワルツ)の曲をやりたかっただけらしいのだが、「どうせやるならシュトラウスをやらねば」と思うところがヨーロッパ人らしい発想である。ちなみに、他の曲はボーランのオリジナルやマイ・フェイバリット・シングズ等の3/4の曲ばかりを演奏している。 しかし、このCDはバンドとしての聴き応えがあるので、他の曲も十分楽しめる。ドラムのケニー・クラークとベースのジミー・ウッドが手堅いリズムを作っている上に、サヒブ・シハブのバリトンサックスが屋台骨を支える。主なソリストはベニー・ベイリー(tp)、デレク・ハンブル(as)、カール・ドレウォ(ts)、サヒブ・シハブ(bs)で、十分聴き応えがある。特にハンブルのアルトサックスが素晴らしい。面白いところでは、ジョニー・グリフィンの参加(ソロも1曲だけある)やダスコ・ゴイコビッチ(ソロなし)、アート・ファーマー(ソロなし)、ハーブ・ゲラー(なぜか2枚舌のイングリッシュ・ホーンでソロ)が参加している。 ビッグバンドについてはあまり詳しくないのだが、このバンドは相当凄腕のバンドだったのではないかと思う。(ウチにあるCDで比較すると、ジェリー・マリガンのコンサート・イン・ジャズに近い。)キメるところはキッチリキメているので、聴いていて心地よい。録音が良いので、音圧が凄いのだ。 イロモノとして買ったものの、実はよく聴くと案外凄い演奏だった・・・というCD。2年に1回くらいしか聴かないが、たまに聴くと新鮮な感動があったりする。 猫麻呂ポイント:★★★★(4.0) The Kenny Clarke Francy Boland Big Band / Our Kinda Strauss (Rearward) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年06月26日 00時18分41秒
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