テーマ:Jazz(1977)
カテゴリ:★★★★
随分昔に買ったのだろう。何故か我が家にこのCDがあるのを最近発見した。我ながら目の付け所がいいな・・・などと思いながらこのCDを聴き直して見た。
このCD、やっぱりいい感じだ。スタンダードとオリジナルのバランスがいい。エルヴィンのドラムの歯切れがいい。グロスマンのテナーも快調だ。全体的に中庸感があり、落ち着いて聴くことが出来る。1曲目と2曲目までは気持ちよく聴けた。 3曲目"I'm Confessin'"あたりから、だんだんと雲行きが怪しくなってくる。グロスマンのフレーズの作りが雑になっているのではないか。良く言えば「ロリンズ風のオトナのジャズ」と言えなくもないが、やっぱり「ヤキが回ったんじゃないの?」と思ってしまう。グロスマンがロリンズしてどうなるというんだろう・・・というのが正直な感想。後年のグリフィンとのテナーバトルでは「吹き切れなくなったグロスマン」という印象が強いのだが、その兆候は1993年のこの作品からも始まっていたのだろうか。 5曲目の"This Time The Dream On Me"も、かなりダサい演奏。デクスター・ゴードンのマネでもしようと思ったのだろうか。デックスの境地に達するには「笑いあり、涙あり」の吉本新喜劇のような世界も必要なのでは・・・などという下世話な想像をしてしまった。 ついでに言うと、トム・ハレルの調子も良くない。元気がないというか、音にハリがないのだ。どうしてしまったのだろう? こんなことばかり書いていると、このCDが大ハズレ盤のように誤解されそうだが、決してそうではない。水準以上の出来には違いない。しかし、内容がそこそこ良いだけに、もったいない気がするのである。 猫麻呂ポイント:★★★★(4.0) Steve Grossman / Time To Smile (Dreyus) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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