テーマ:Jazz(1977)
カテゴリ:★★★☆
チャーリー・ラウズ入りのモンク・カルテットは、どうやら世間の評判があまり良くないらしい。ジャズ批評のモンク特集を読んでいても、どうも毛嫌いしている人がいる。そりゃね、ジャズ喫茶でコルトレーン聴いてるのはカッコイイかもしれないけど、ラウズじゃぁねぇ・・・というのは分る。しかし、泣く子だまるジャズ界の巨人コルトレーンと横丁のお地蔵さんみたいなラウズとを比べてもしょうがないよなー。それに、ラウズじゃなきゃできない世界っていうのもある。
今日のCDはラウズのいいところが沢山聴ける、ラウズファンには嬉しい作品。ラウズの演奏は、実は筋金入りのビバップなのだ。パーカーやロリンズ、コルトレーンという、モダンジャズのお手本のようになった人達の影響があまり感じられないどころか、個性の塊と言っても良い。歯切れのいいフレーズでグイグイとドライブするところは、グリフィンやロックジョー・デイヴィスあたりと共通のノリかもしれない。「ファビュラス・ファッツ・ナヴァロ」に収録されているタッド・ダメロン・セッションで最もイケてるサックス奏者大賞は、ワーデル・グレイでもアレン・イーガーでもなく、チャーリー・ラウズに捧げたい。 今日のCDに戻ると、モンクだけでなく、ベースのジョン・オーとドラムのフランキー・ダンロップまでがガッツン・ガッツンやっているので、ラウズ隊長は大盛り上がり。"Rhythm-A-Ning"や "Evidence"というバップ期の定番コード進行曲では大爆発で、さすがのロリンズでもバトルしたら負けそうなくらいのやりたい放題。モンクも負けじと悪戯のようなフレーズを連発。いやー、楽しい。"I'm Getting Sentimental Over You"に至っては、ほとんどモンクのオリジナル曲と化している。 良く考えると、このカルテットは同じ曲ばかりを演奏しているのに、何故にこれほどのテンションの高い演奏が出来たのだろうか・・・というのがとても不思議である。録音がもう少し良ければ、もっとメジャーな作品として取り上げられたことだろう。 猫麻呂ポイント:★★★☆(3.5) Thelonious Monk / Live at The Village Gate (Xanadu) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年07月04日 23時39分10秒
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