テーマ:Jazz(1977)
カテゴリ:★★★★☆
リー・モーガンがディジー・ガレスピー・ビッグバンドに在籍していた頃の音源を集めたCDが発売された。これ、結構誤解されやすいCDだと思う。リー・モーガンのソロだけ集めたCDだと思ったら大間違い。これは、1957年のディジー・ビッグバンドの面白そうな音源を並べただけで、実はモーガンのソロがフィーチャーされている曲は少ない。それ以上に、モーガンとの比較において、いかにディジーのソロが鋭く、多彩だったかを思い知らされるCDなのである。だから、お目当てはモーガンではなくディジーを聴くべき作品なのだ、と思う。モーガン目当ての人は、このCDは買わない方がいい、とまで言って良いだろう。
極論とは思いつつも言ってしまうと、モダンジャズ史上最もスゴいトランペッターは、ブラウニーではなく、マイルスとディジーだと思う。特にディジーについては、理論的なフレーズと黒っぽさにかけては、向かうところ敵なしなのではないだろうか。マイルスは考え抜いた凄みがあるが、ディジーは瞬間的な計算能力の高さを感じる。IQ高いんだろうなー。きっと、数学は強かったんだろうなー。 ビッグバンドのレパートリーとしてディジーのビッグバンドのネタが使われるかどうかは知らないが、ディジー・ネタはベイシーと違ってソリストの力量が問われるのかもしれない。ビッグバンドでありながら、コンボのようなノリでソロが登場するのだ。それもそのはず、ディジー、モーガン、ゴルソン、ビリー・ミッチェル、ウィントン・ケリーといった、凄腕のコンボ屋が参加しているのだ。もちろん、セクションマンにはビッグバンド畑の人が参加していて仕事キッチリだから、ビッグバンドとしてもキッチリしている。 でも、このCDの凄いところは、やっぱりディジーだよなー。この時代のディジーはコンボもビッグバンドも美味しい演奏が多いので、見つけたら何でもゲットすべきかもしれない。 猫麻呂ポイント:★★★★☆(4.5) Lee Morgan / Those Dizzy Days (Lonehill Jazz) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年12月03日 01時18分55秒
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