テーマ:Jazz(1977)
カテゴリ:★★★★☆
最近巷で流行のMOONKS本「JAZZとびきり新定盤500」をゲットして目を通している。ほとんどが知らないディスクばかりで、ジャズ・ヲタ道の厳しさを実感しているというか、こんな道に迷い込んだら大変なことになるぞ・・・と自らを戒める毎日である。とはいえ、やはり気になるディスクが何枚か出てくるものだ。いけないと思いながらも、ネットで探してみると、見つからない(つまり入手困難/廃盤)ディスクが多いようだ。いつもお世話になっているVENTO AZULさんのショップではMOONKS本コーナーを用意し、信じられないほどの品揃えをしているものの、廃盤ではどうにもならない。MOONKSが自分の廃盤コレクションを自慢するために本を出したのではないか・・・という説が某掲示板にあったが、なんとなく分かるなァ。猫麻呂も廃盤CDゲット記念で自慢するためだけblogを書いているのだから(?)。
この作品、MOONKS本で目をひいたのは「ハービー・ニコルスやエルモ・ホープを好きな人にはたまらないハズだ」(大河内氏)という一言だ。ニコルスとホープとアンドリュー・ヒルは猫麻呂の琴線に触れるピアニスト達であり、名前を聞くだけでニンマリしてしまう。そんな猫麻呂には最高のご馳走に思えるご託宣であった。それでMOONKS本のゲットリストNo.1はこのCDに決定したのだが、これが犬(HMV)でも尼(Amazon)、ウニヨンでも見つからない。ヤフオクでは3,000円で売りに出ていたが、聴いたこともないディスクに3,000円は出せなし・・・と困っていたところ、ダメ元で見てみた米国Amazon.comのマーケットプレイスで1枚見つけて即ゲットとなった。(この表現、出会い系のレポート記事みたいだな。) ディスクを聴いた第一印象は「トリスターノ・スクール」だ。1曲目の"My Melancholy Baby"は、トリスターノのアトランティック盤「鬼才トリスターノ」A面のトリオのようだ。もちろん、トリスターノのように多重録音&回転数操作という過激な作りこみはしていないようだが、ベースがブンブン、ドラムがドスドスやっている横で、我関せずと摩訶不思議なフレーズを繰り広げるラリー・ブルースのピアノには、あのトリスターノ大先生のお姿が後光のように浮かんで見えるのだ。これはオイシイ! "all about JAZZ"では、もっと鋭い分析(記事はここ)をしていた。このディスクで取り上げたスタンダード曲は、ウォーン・マーシュやリー・コニッツのレパートリーで、演奏はコニッツ風ということになるらしい。なるほど、そうかもしれないなー。別のサイトでは、サム・モスカの関連を指摘するレビューもあった。猫麻呂の第一印象もまんざら間違っていなかったらしい。 MOONKS本の「ハービー・ニコルスやエルモ・ホープを好きな人にはたまらないハズだ」という大河内氏の予言は猫麻呂については見事に的中した訳だが、ニコルスやホープのスタイルが本作品に影響しているかどうか、というのはよく判らない。ニコルスのドライな感覚は、何となく似たようなものを感じたが、ホープについては猫麻呂には判らなかった。どう聴いても「トリスターノ派」だと思う。 何はともあれ、MOONKS本のお陰でラリー・ブルースという追っかけ対象が増え、今日のCDは当面のヘビー・ローテーション入りとなったのは嬉しい限りだ。MOONKS本は、早速ご利益が表れたことから、霊験あらたかな宗教本として神棚に奉納しておくことにしよう。 猫麻呂ポイント:★★★★☆(4.5) Larry Bluth / Five Concerts and a Landscape (Zinnia) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[★★★★☆] カテゴリの最新記事
|
|