テーマ:Jazz(1977)
カテゴリ:★★★☆
困ったときのラウズ頼みで今回のディスクは「ラウズ対クィニシェット春の大ブロー大会(?)」となった。ブログ・ネタは山のようにあるが、ブログに書きたいこと/書かねばならぬこと(なんてあるのか?)が尽きてきたのかもしれない。ちなみに、ブログに書こうとして挫折したは"Eretik / Sacha Perry Trio (Smalls Records)"と"Clarke-Boland Big Band (Atlantic)"だった。ちょっとだけ書いてみて、あまりに普通なことしか書けなくて断念した。普通なことを書くのはジャズ評論家に任せておかないとねぇ・・・。ちなみに、その次に考えたのが"Kelly Blue / Wynton Kelly (Riverside)"のB面の佳曲"Keep It Moving"だけで書いてみる・・・ということだったのだが、これは気が向いたらそのうち挑戦してみたい。
さて、今回のラウズ作品だが、最初に結論を言うと「期待ハズレ」で購入後3年くらいは棚に眠っていたCDである。しかし、この作品、何故か巷では評判がいいようだ。東芝盤の日本語ライナーを書いている児山紀芳氏もやや興奮気味でライナーを書いているようだ。「テナー・バトル」なのだから、興奮するのは当たり前なのである。しかも、タイトルが"The Chase Is On"なのだ。テナー・バトル・マニアがこのタイトルから想像するのはデクスター・ゴードンvsワーデル・グレイのプロレスのような白熱のライブ・バトルなのである。グレイがテリー・ファンク、デクスター・ゴードンがスタン・ハンセン、お互いに見せ場を作った後は、恒例の場外乱闘でもつれ合う・・・。こんなテキサス風のテナー・バトルにラウズが登場するとなれば、日本ラウズ協会は黙っちゃいられない。しかも相手はレスター・ヤング風の小粋なフレーズが売りのベビー・フェイスなテナーマンではないか。ラウズ先生、あんな野郎はラリアット一発で病院送りにしてやってくださいな・・・。 てな訳で、ビール(もしくはバーボン)を片手にリングサイドから観戦するような気分でCDをかけてみたのである。1曲目の"The Chase Is On"のテーマは期待通りだ。最初に出てきたのは青コーナー(右チャンネル)のラウズ。しかし、何故か音に元気がない。赤コーナー(左チャンネル)のクィニシェットとピアノのソロに続いて場外乱闘(4バース)だが、これがあっけなく両者リングアウトで終了してしまい、消化不良の観客からはブーイングや「延長!」のコールが上がる。2曲目"When The Blues Come On"は演歌みたいな腑抜けた曲で、ラウズとクィニシェットが仲良くコーラスを分け合っているではないか。しかも、いつの間にか、赤コーナーと青コーナーが入れ替わっているぞ!(そんなことはどうでもいいのだが・・・。)3曲目以降も何となくテナー2人が仲良しムードでじゃれ合っているではないか。こっ、これはアル&ズートなのか-っ!! こうして、この作品は猫麻呂の期待を大きく裏切ることになったのだが、この作品の特徴について、もう一度おさらい&補足をすると、以下のようになる。 -激しいテナーバトル作品ではない -曲目もアップテンポやブルースは少ない -アル&ズートが好きな人には十分楽しめる -録音は良くない(特にラウズの音がショボい) 以上、悪い作品とは言わないまでも、ラウズファンにはウケの良くない作品なのである。 猫麻呂ポイント:★★★☆(3.5) Charlie Rouse & Paul Quinichette / The Chase Is On (Bethlehem) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[★★★☆] カテゴリの最新記事
|
|