僕のお気に入り

　イエスのボーカリスト、ジョン・アンダーソンが1985年にリリースしたクリスマス・アルバムです。
　実はソロ・アルバムもイエスの活動と並行して多数出ています。
　このアルバムはあの「ロンリー・ハート」のヒット直後なのでもっと大々的にうりだされてもいいのに、ひっそりとリリースされしかも日本ではイエスの次作「ビッグ・ジェネレイター」のついでに発売されたという不幸な紹介のされ方をされてしまったので、プログレファンの間でも認知度は低いかも（そんなことないか）。

　内容は太鼓判を押します。ジョンのソロ作の中でも１，２をあらそう名盤だと思います。
　前半は「セイブ・オール・ユア・ラブ」という曲がリプライズではさんだ構成で曲が切れ目なく出てきます。
　ここでの聴きものは「ディン・ドン・メリリー・オン・ハイ」。「グロ～リア」という単語をメロディの高いところからだんだん低い
ところへ息継ぎなしで一気に歌いきるのです。しかも全然苦しそうでないのです。ためしに僕も真似したのですが、うまくこぶし？みたいな箇所が回らないし、息は続かないし、で全然ダメでした。やはり脅威的なボーカリストです。

　後半はオリジナル曲が続きますがなかでも「ハウ・イット・ヒッツ・ユー」はアップテンポのキャッチーなナンバーでシングルにしたらヒットしたのでは？と思わせます。でも一応プログレですから一筋縄ではいきません。曲の最後は収録曲の印象的なフレーズがかわるがわるでてきてしかもうまくつながっています。
　そして曲が終わるか終わらないかといううちに子供（というより赤ちゃん？）が歌う「ジングル・ベル」でアルバムは幕を閉じます。

　イエスは形態を変化させながらも現在も現役で活動しています。これからもがんばり続けて欲しいものです。